竹を肥料として活かしきるバイケミ農法
植繊機で竹の細胞組織を養分のデンプンごとすり潰し、解繊破壊する。
それを地表面に散布して使う。
これは、有機質堆肥の基肥のように地中に入れずに、地表面で生肥料のまま使うことを意味している。
植繊機で破壊された竹の細胞組織セルロース、ヘミセルロース、リグニンなどの炭水化物は、地表面で土壌微生物による酵素酸化還元作用や腐蝕分解作用を受けて腐植になり、カルボキシル基や水酸基が露出する。
これが自然生態系で常時起こっている生化学反応であり、農業の基本である。
バイケミ農法はこの地表面での生化学反応、その生成物の利用、そして、それを支える犂耕、耕耘技術から成り立っている。
犂耕、耕耘技術は、生化学反応や植物の生長に必要な生体酸素の供給手段であり、養分とするミネラル元素の供給手段、根の伸張補助と生態系環境との同化手段である。
農耕の「農」は自然に学び、その仕組みを利用すること、「耕」は技術であり、農と耕は一体である。
SDGsが求められる現在において、竹肥料がさらに話題になり普及することを期待してやまない。
竹肥料を従来の堆肥肥料の代替的発想で使うだけでなく、その効果を十分活かすために、理論についてぜひ習得していただきたい。
ここから先は
0字
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?