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『兵庫自己愛事件(人事編)』
ある自己愛性人格障害者の事件簿(人事編)
1.はじめに
[地方自治法 | e-Gov 法令検索]
地方自治法によれば、地方公共団体は人事委員会を置かねばならないとされている。それは地方公共団体における人事の重要性、人事が高いレベルの遵法性・公平性・納得性が要求される事を示唆しているように思う。ところが2024年兵庫県庁を舞台に人事に纏わる事件が勃発した。それは2025年につながる大事件に発展していく事になるのだが、全容解明を待っていられないし、まとめるのも筆者の手に余る。そこで本稿では、兵庫自己愛事件(人事編)と命名し、一旦整理しておきたい。自己愛事件と命名したのは、筆者が「これは自己愛性人格障害が引き起こした事件だ」と確信しているからだ。本稿執筆時点で、兵庫県の混乱は猖獗を極め、収束の糸口すら見えない。本稿が兵庫県正常化の一助になることを願う。
2.自己愛性人格障害について
ここで一旦、”自己愛性人格障害”を解説しておかないと、不親切との誹りを免れまい。精神疾患の一種。精神医学界では”自己愛性パーソナリティ障害”表記が標準となっているが、本稿では”自己愛性人格障害”表記で統一させていただく。自己愛性人格障害は、現代社会では最も知られたい精神疾患であるにも関わらず、現実は最も知られていない精神疾患だということが筆者の認識であり問題意識だ。自己愛性人格障害の特徴は、本人は罹患の自覚がなく、日常生活にも不便を感じていないことが殆ど。逆に周囲の関わった人が、深刻な迷惑、あるいは被害を蒙るのだ。だから罹患した本人はもちろん、そうでない人にも自己愛性人格障害に対する理解を深めてほしい。それだけが筆者の願いだ。ここでは筆者が信頼するチャンネルを挙げておくに留める。筆者は只の受け売りマンに過ぎないが、先生が多用されるカタカナ語の意味を若干説明しておきたい。ナルシスト=自己愛性人格障害者、ターゲット=ナルシストに狙われる標的者、フライングモンキー=ナルシストの非違行為や問題行動に加担する第三者(達)。軽薄で無邪気な軽侮されるべきお調子者といった含意がある。とにかく軽いので逃げ足が早い。
3.3月27日 知事定例記者会見
明かされた驚愕の自己愛人事
注目いただきたい自己愛会見は、会見項目とは別に動画の約30分経過後の記者の質問から始まる。聞いただけで理解できる人は、ほぼ皆無と思われるので、文字起こしと解説を試みたいと思う。この自己愛会見の意義を当時、正確に理解できた人はほとんど居ないし、今に至るもそうだと推察する。聞く人が聞いていれば、恐怖の自己愛性人格障害に気付いたであろうに。
「退職される筈だった、あの、西播磨県民局長が、あの、役職定年という形で残るといった4日前の異例の人事変更っていうこともあったと思うんですけども、それについて、あの、知事として、まあ、あの、その、4日前での変更になった経緯というのを今話せる段階で、どれぐらいの話をお伺いできたらと。」
「そうですね。当該者につきましては、え、県民局長としてふさわしくない行為をしたということ、そして本人もその事を認めているという事なので、ま、本日付で、え、県民局長の職を解かしていただくということにしました。え、内容については先程、人事課から説明させていただいということになりますね。」
「はい、詳しい詳細についてはまだ話せないというような感じですか。」
「調査、そうですね、まあ、あの、本人も認めているんですけど、ま、事実無根の内容が多々含まれている内容の文書をですね、ま、職務中に職場のPCを使って使用してた可能性があるということですので、それで今回の対応をさせていただいたというとこです。で、この当該内容の文書については、ま、事実無根の内容が含まれているということなので、ま、職員等の、ま、信用失墜、それから名誉毀損など法的の課題がすごくあるという風に考えてます。で現在、ま、あの、聞かれたので言いますけど、被害届や告訴なども含めて、あの、法的な手続きを進めてるというところになります。なので、ま、注意していただきたいのは、あの、ま、この当該文書ですね、ま、SNSなどを通じて、え、公然に流布するということが法的な措置の対象になるという事なので、是非この辺りはあのご注意いただきたいなという風に考えております。で、ま、以上を含めて現在人事当局を中心に、ま、調査をおこななってますから、ま、ある程度、処分の内容などが判明してきたら、人事当局から改めて説明することになろうかなと思ってます。」
「はい、わかりました。ありがとうございます。」
解説しよう。この記者会見以前のX日に、おそらく報道記者の方から、「こういった文書が存在するが承知しているか?」といった照会があったと推察する。そこで驚天動地の斎藤元彦知事が、”可能性があるが、まだ起こっていない”名誉毀損に対して戦前の治安維持法・予防拘禁制度を発動して、西播磨県民局長の退職を食い止めるべく、狙い撃ちの人事制度変更を退職4日前に強行したということだ。この人事の狙いは、斎藤元彦知事は自分の名誉を傷つけかねない西播磨県民局長を看守の監視下に置き、特別高等警察が処分の口実をでっち上げるまで身柄を拘束するということだ。公益通報者保護法以前の問題であって、私的利益の為に無法人事を強行したということだ。将来の処分を前提に退職寸前だった幹部職員の退職を取り消し、局長の職を解き、脱走も垂れ込みも許さないというのである。処分容疑は全て未確認未発動であって、可能性しかないのだ。人事委員会に不服申立てをした痕跡が無いので、相当強力な監視下にあったとしか考えられない。例えば背中に銃を突きつけられていたか、親族を人質に取られていたかといった事だ。どう伝えれば、この異常人事の異常性が伝わるだろうか。
4.5月7日 懲戒処分
[知事批判文書配布 元西播磨県民局長を懲戒処分 - YouTube]
2024年5月7日、遂に懲戒処分が発表された。”知事と一部の幹部職員を誹謗中傷する文書を作成・配布した”、”文書内容の全てが事実無根”と発表されたのである。しかし、ちょっと待って欲しい。”配布した”は、名誉毀損罪・侮辱罪の必要条件である”公然と”には該当しないのだ。県民局長は、公益通報者保護法の定める通報先にしか告発文書を送っていない。そういう報道機関がみだりに不特定多数に告発文書をばら撒く事はありえない。それこそ自分の信用失墜を招くだけだ。おそらく報道各社は、兵庫県庁人事課の不穏な発表を待って告発文書の報道に踏み切ろうとの事前の申し合わせがあった筈だ。つまり”文書内容の全てが事実無根”に真っ向勝負を挑む訳だ。それなら公益性があるからだ。果たして、そうなった。この記者会見を合図にしたかのように、報道各社は一斉に幹部職員の告発文書を報道するに至った印象である。人事課は、斎藤元彦知事のご機嫌を取り結ぶ為だけに、3月27日知事記者会見を補強するかのような懲戒処分に踏み切った。それは同時に不法捜査疑惑や、脅迫疑惑も補強してしまったのだ。言い方を変えれば、自分で兵庫県庁の異常性を宣伝してしまったということなのだ。ここに至って誰もが兵庫県庁の異常事態に気付いたであろう。
5.告発文書
裏目に出て逆回転を始めた歯車
告発文書は、西播磨県民局長が、人望と人脈を活かして広く問題事例を収集し、兵庫県庁の正常化を願って、外部の公益機関に配布したものであろう。ところが県当局は、公益通報とは見做さず、公益通報者保護法を踏み躙り、通報者探しに狂奔した。
[公益通報者保護法 | e-Gov 法令検索]
西播磨県民局長は、退職のわずか4日前に獄につながれてしまったのである。確かに告発文書であり、公益通報者保護法が発動する筈だった。ところが先に見た通り、県当局は知事批判文書と扱い、無法人事を強行した。さらに、局面の焦点は、県政の私物化・人事の私物化から公営通報者保護法違反に移ってしまった。つまり大問題が、中問題に上書き・すり替えられてしまったということなのだ。報道機関は、パワハラ疑惑・おねだり疑惑といったよりセンセーショナルな話題、より小問題に上書き・すり替えてしまい、
県民・インフルエンサーは、マスコミ報道に引きずり込まれてしまった。こういったことが西播磨県民局長の願う方向は逆方向に歯車が回りだした構造なのだ。こうして見ると告発文書は、労作ではあったが、いささか論点整理を誤ったかも知れない。法律・条例・規約・規定・ガイドラインに沿って逸脱事例を挙げるといったアプローチで県庁の問題を示すべきだったのかも知れない。知事批判文書にすり替えられてしまったのが決定的な齟齬であったろう。かくして県庁は、混迷を深めるばかりだったのだ。
6.令和 6年 6月第367回定例会・速報版(第2日 6月 7日)
No.95 北上あきひと議員
公益通報ということについて、やはり職員が必要なときに健全に利用する、そういう職場環境を作っていくということも私は知事として重要な役割だということを指摘したいと思います。
次の質問に参ります。
前西播磨県民局長による告発文書に係る本件内部調査とそれに基づく人事処分について。
当該調査は知事が事実無根、うそ八百等の言葉を用いて文書の信憑性に評価を下し、結果について、懲戒処分を行うことになると思うとの見通しを示した上で、県庁内部において実施されたものであり、当初から公平性や第三者性、中立性や客観性についての疑念が指摘されてきました。
それに対して知事は、内部の調査であるものの、弁護士が関与していることから、一定の第三者性、客観性は担保されていると度々述べてこられました。
しかしながら、県当局が別の弁護士に依頼して作成した5月29日付文書、職員処分手続と弁護士関与の問題点の有無において、そもそも弁護士に中立性は求められていない、よって当該調査に関与した弁護士の対応が中立的でないとの批判は、批判として的を射ていないと明言されているように、前述の知事のご発言に説得力はありません。
そして何より、調査に関与した弁護士は、知事の政治資金パーティーに関連し、保証業務を背景とした企業へのパー券の購入依頼が実行されたとの疑惑が告発文書で指摘された兵庫県信用保証協会の顧問弁護士であることが5月20日の新聞報道で明らかになりました。
同紙面に掲載された専門家のコメントに、文書で指摘された団体の顧問弁護士に調査を相談したことは客観性や中立性を損ね、県政の信用失墜を招きかねないとの指摘があるように、当該調査とそれに基づく人事処分の正当性は著しく損なわれており、県民や県職員に理解、納得が得られているとは言い難い状況です。
よって、県民からの信頼を回復し、職員にとって真に風通しのよい職場づくりを実現するためには、当該人事処分の即時撤回が必要であると考えますが、知事のご所見をお伺いします。
所見
異常人事、自己愛人事、無法人事、もはや何と呼べば良いのかわからないが、3月27日~5月7日にかけての西播磨県民局長に対する苛烈な人事処分は、県議会で取り上げられる事になった。ではあるが、失礼を承知で言わせていただくが局面の焦点がずれていないだろうか。また、これは知事定例記者会見でも感じたことだが、上っ面を取り繕うとするあまり、お互い突っ込まないのが、お約束文化になってはいないだろうか。それが他県からの干渉・介入、誤誘導を招く根本原因なような気がする。それはさておき、此の後、ドラマは百条委員会~不信任決議~知事選挙~奇跡の帰還と、進むのだが本稿が扱う範囲は、ここまでとしたい。
7.終わりに
世間では、この辺りからノイズが大きくなってきたように思う。スポットライトが大問題から中問題、中問題から小問題にずれていったように見えるのだ。すなわち異常人事、自己愛人事、無法人事が見落とされ、県政の私物化・人事の私物化といった超重要な問題が、パワハラ・おねだり疑惑といった些末な問題によって埋もれていったのだ。そうして参入障壁が下がったことで誰でも、この話題に参入しやすくなってしまった。著名な政治家・評論家・インフルエンサーによる「パワハラの内に入らん」「ネットリンチだ」「どこでもあることだ」「嘘だ、でっちあげだ」といった類の浅はかで的外れなノイズの大津波が、兵庫県に襲来することになった。これがSNS時代のフライングモンキーの恐ろしさではないだろうか。
[【皆知らない】自己愛性パーソナリティ障害(ナルシスト)に操られるフライングモンキーとは|Flying Monkey - YouTube]
この辺で本稿を閉じたい。