私の心霊ノート㉑〜待っている人
駅からの帰り道に、霊園がある。
その横を車で通りすぎると見える。
年の瀬に、
花が供えられているお墓、
供えられていないお墓、色々だ。
丁字路の信号が赤で止まると、
また、あの人だ、
私は決まって、見かける人がいる。
横断歩道を渡るのか、分からない
じっと、立っている。
その丁字路を左折すると、
霊園の入り口がある。
私は、毎回右折する。
歳を老いたあの女性は、
左折する車ばかり、見ていた。
今日、その人の家族は
来てくれるのだろうか?
私は、その老人の霊を
見ないように、今日も右折する。
※この物語は、フィクションです。