片道1時間45分の登山
同じクラスのエレナ、ラーラ、C、一つ上のクラスのカティと私で週末のお出かけとしてランチを一緒に取っている別のクラスの子たちから勧められた
山へ行くことに。
(Wooroonnooran National Park ウール―ノーラン国立公園)
ただ、車が必要とのこと。当時レンタカーは26歳以上からとのこともあり、国際免許を持っていた私とラーラが運転手として話が出た。
渡豪前に父から「海外で運転はするなよ」と何度も念を押されていたのだが、いざという時のために(身分証がわりになるかもと思って)とっておいた免許。日本と同じ右ハンドルとはいえ、私も少なからず不安だったので
申し込み書類は私が書き、運転手はラーラに。(ラーラの名前も申請済み)
リュックに水筒とペットボトルの水、あとは食べ物をしっかりと入れたバックパック。目的地には川が(滝つぼ?)があるので水着を着て出発。
ケアンズ市内から駐車場まではとても楽しくすすんだのだけど、
国立公園という言葉を日本と同じ感覚(それも数少ない経験からだけど)
でいた私に後悔した。
人や車が通れる道路のような道があるのだが
傾斜がおかしい(ほぼ直角のように見えた)
獣道のような道に入ったり、自分の常識がいかに
偏ったものかと思い知らされた。おまけに真夏ではないけれどケアンズの
気温もあってものすごい量の汗をかくわ、何度もあきらめたくなったのに、
ヨーロッパ勢がさくさく進んでいく。
もともと足の長さが違うというのに、こんなにも違うのかと思い知らされた。(途中何度かラーラが見えなくなった)
本当にしんどい、気づけば1時間45分もたっていた。
やっとたどり着いたところは本当に高いところで、高所恐怖症の私は下をのぞき込めなかった。
とっとと水を浴びたい、と思って触ると水の冷たさに驚いた。
(心臓がとまる!)とためらっている私の横をエレナが走って川にダイブしていた。
本当に身体の作りがどうなってんだと何度も思った。
こんなに上るのに時間がかかる過酷な場所にも関わらず
私たちよりも先に来ていた登山者も結構いて、
少し会話を交わし、写真を撮ってくれた。
覚悟を決めて私も水につかるけどやっぱり冷たい
細身のCと控えめに温泉につかるように水の中へ、
もっと驚いたのは
ほかの登山者の一人が「あそこからダイブしてみないか?」と声をかけてきた。指さされた方を見ると、5,6メートル(高所恐怖症にはそれ以上に見えた)上の場所から飛び込もうというお誘いだった。
わたしとカティ、Cは拒否。
ラーラとエレナが行くことに。
動画を撮っておいて!と頼まれカメラマンになった。
本当にダイブしてほかの登山者たちから歓声が上がった。
本当にすごいなーと思いながら、
カティと私でも近くから飛び込んでみた
「そんなの大したことないわ!」と戻ってきたエレナとラーラに言われ
「あそこやるよ!」と指さされたのは2メートルある高さから飛び込もうというお誘い。
「むりむりむり!!!」と言っても引いてくれない
というか飛び込むまで声をかけてくる、
エレナがおれて「一緒に飛び込んであげるから!」といってきた
もう腹をくくるしかない
「え、じゃあせめて手をつないでよ」と言った私に
「そっちの方が危ないわ!」といわれてちょっとしょげた
カウントが始まり、
「もうどうにでもなれ!」と思ってエレナと一緒に飛び込んだ。
鼻もつまんで目もつむったのに、いつまでたっても体が水の中に入らない
「え、まだ?!」と思って目をうっすら開けたら水面がすごい速さで近づいてきてもう一度目を閉じた、
「ほらこわくないでしょ!!」とエレナが言ってきた。
こうなるとカティもちょっとやってみようかなと思ったらしい、
1回飛び込んでしまった私はラーラと一緒にカティが立っている岩の下で
ビデオを向けたり、応援をしていた。
周りの登山者もどんどんカティに「今か今か?!」と視線が集中していたことが飛び込んだあとにわかった。(5~6分は飛べずにいたからかな)
十分に水遊びを楽しんだ後は、写真をたくさん撮った。
川の端(真下は崖)の岩で記念撮影もした。(1番生きた心地がしなかった)
帰りの支度をしながら写真を撮っているとエレナがのぞき込んできた。
2人のアップの写真が撮れた。
この写真を日本の母、そして背中をたくさん押してくれた
スピリットトレーナーRinさんに送った。
母からはいい顔してるねとラインが来た。
Rinさんからも「きれいになってるー!」と言ってもらえてうれしかった。
楽しい写真撮影も終わりいよいよ下山。
楽しかったけどこれからまたあの道を、、、
下るだけならいいのだが、傾斜がおかしい道は登ってたり降りたりだったので獣道以外はまた体力勝負。
案の定ラーラの姿が何度も見えなくなり、待ってもらい、
1時間45分歩き切った。
途中で水がなくなり、倒れないか心配になった。
車にたどり着いた瞬間何とも言えない安心感と疲労感と
のどの渇きに思わず、「頼むから帰り道にどこか飲み物を買えるところにつれていってくれ」とラーラにお願いした。
売店のようなところを見つけ、水やらジュースやらを買って
帰路についた。
途中の道路で牛たちが横切ったのは面白かった。
次の日の月曜日はラーラがエレナと私を迎えに来てくれ、
レンタカーを返してから登校した。
それもまた楽しかった。