香りつれづれ ~ハッカ油~
我が家のピンチを何度も助けてくれた。
和ハッカ。
国内では、北海道で栽培、製造されている北見のハッカが有名。
シソ科ハッカ属のミントの一種で、ペパーミントやスペアミントも仲間だが、和ハッカには特別感がある。
和ハッカは、ペパーミントやスペアミント等の西洋種に比べてメントールの含有量が多く、その香りは濁りがなく、スーッとした強い清涼感がある。すっきりという以上に、辛さとか苦さに通じるような刺激とひんやりとした冷感があるといってもいい。
ハッカ油は、ハッカの葉を蒸留してハッカ脳(メントールの結晶成分)を取り出した後、精製されたオイルだそうだ。ハッカ脳を取り出した後といっても香りは強く、うっかりマスクにスプレーした時には目を開けることができなくなってしまった。
家族が抗がん剤の副作用に苦しんだときにハッカ油に助けられた。
常に吐き気や頭痛があり、普通に起きていることもできない辛い治療が1年続いた。炊き立てのご飯や丁寧にとった出汁の匂いが不快で、絶え間なく吐き気に襲われていた。どうしたらいいかと色々試したなかで、ハッカ油をティッシュにスプレーしたところ、これが効いた。吐き気や頭痛が和らぐというのだ。抗がん剤治療の間、常にハッカ油をそばに置き、スプレーしたティッシュを鼻に当てて過ごしていた。
家族が熱中症で脱水症状になった時にも、吐き気やめまい症状の緩和にハッカ油が役立ってくれた。
我が家はハッカ油と相性がいいようなので常備し、私は外出時も携帯している。トイレにシュッ、午後の眠気にシュッ、ハンカチにシュッして重宝している。
香りといっても色々あって不思議だが、ぴたっと合えば、苦痛を和らげる力があるということを体験的に知った。
症状や体質によって、ハッカ油でなくてもいいのだと思う。
ペパーミントには、和ハッカにはない甘さを感じる香り成分が含まれている。驚いたことに、スペアミントには、そもそもハッカ脳(メントール)が含まれていないらしい。スペアミントにはユーカリと同じくシネオールという成分が含まれていて、これがスーッとした香りとして感じられるとか。
様々なアロマ成分と効果を調べるのも楽しい。