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キャラクター性を匂わせるバトルアビリティ


オクトパストラベラー大陸の覇者は、RPGでプレイアブルキャラ(トラベラー)が180人以上いる大所帯だ。ジョブは8種。盗賊だけでも22人いるし、恐らく剣士や学者はもっと多い(もう把握出来ていない😂)。前の記事でも話したように、トラベラー一人一人が違ったアビリティの組み合わせを持っているのだ。

これがとても面白い。
ドラクエ出身の私は、僧侶なら回復、バギ系、ザラキ系、蘇生系、スクルトなどのバフ系を、魔法使いならメラギラヒャドイオの攻撃系、ルカナンなどのデバフ系を大体みんな持っている。そしてゲームの中にその職業を担当するキャラクターは転職システムでもない限り1〜2人である。
しかし覇者は、同じジョブの中でも同じ種類のアビリティはあったとしてもどういう組み合わせで持つか、属性は何かなどてトラベラーは差別化され、大勢の中からその時にあったトラベラーを探すことになる。面白いのはそのトラベラー選びだけではない。トラベラーが持つアビリティがキャラクター性を匂わせる、あるいは想像させるものが多く、考察(妄想)ヲタク心をくすぐるのだ。


ロディオン


例えば薬師を見てみよう。
初期実装の★4薬師は4人。ロディオン、シェルビー、リタ、メレットだ。

 ロディオンは闇属性で出血付与、全体攻撃などを持つ星4では物理火力は一番高い。しかし、薬師と言いつつ回復スキルは、序盤は手に入らない★4ボードに“大治癒“がひとつあるのみ。戦闘が終わると「診察終了、ですね?」と言うので、いつも『いや、診察だけかい!』と仲間たちがツッコミを入れていたものだ(幻覚)。立ち絵のただならぬイケメン具合と反するような散らかった部屋。薬師は薬師でも治療のできない出血付与の闇薬師!?とわくわくドキドキしてしまった(ファンです)。
 しかし彼のトラベラーズストーリーは、伝染病と戦い研究してきた薬師の『血』にまつわる悲しい話だったのだ

流行病“グレース熱”の治療法を広めるため旅をする薬師
治療につまとう迷信を晴らそうと奮闘している

 ここで私は考えてしまう。ロディオンが治癒をなかなか覚えないのは、研究職で臨床やほかの怪我や病気に対する経験が少ないから?出血付与など血にまつわるアビリティはあのお話の中に“血“が関わっているからか?闇属性なのは彼の過去の悲しみやあるいは眩しい光から守る木陰の優しさなのか?

 こじつけ、と言われればそうかもしれないが、何せトラベラーズストーリーとアビリティ、そして1枚の立ち絵しかトラベラーの情報がないのだ。一介のヲタクとしては少しの情報でもスルメのように噛み締めてしまう。


シェルビー

 ではシェルビーはどうだ。彼女は治癒スキルを初期装備している。氷属性はナンバリングタイトルから続く薬師の代名詞だ。そして衰弱治療、麻痺治療と状態異常回復スキルを複数持ち、サポアビは前衛の状態異常を50%防ぐ。これで彼女のアクセサリである“純白のエプロン”を装備させたら、あらゆる状態異常を完全に防ぐことができちゃうのだ。すごすぎる。また、自身のHP自動回復を持ち、薬師として絶対に倒れない、最後まで仲間を助けるのだという気概を感じる。

大陸各地を旅し、薬師として研鑽を積んでいる努力家の女性
その美貌から男性に言い寄られることも多く、
揉め事に巻き込まれることもしばしば

 トラベラーズストーリーの中では彼女の腕前がわかる描写がたくさんある。周辺の街まで伝わっている腕のいい薬師であること。下心ありの男性患者もいるが町の薬師として頼りにされている様子。クーパーと付き合う中で彼の病名を推測し、緩和薬を差し出したラストシーン。また彼女は氷息病を患うクーパーに、彼女の知る中で最高の薬師としてあのオーゲンを紹介するのだ。無印アーフェン編で登場するオーゲンを!!!(推しのため興奮)(太字の使い方を間違っている)
 

クレスがシェルビーをからかう貴重なシーン
トラベラーズストーリーは先頭キャラのいろいろな顔を見ることができる
控えめに言って最高

 説明が長くなってしまったが、彼女のスキルで状態異常治療系が群を抜いているのは、彼女が薬師としての診察や治療の経験が豊富だからではないかと思ってしまう。彼女の麻痺治療にはだいぶ助けられた。闘技場のユーニィ戦にも連れて行った。衰弱治療は序盤〜中盤はそれほど活躍しないが、◯◯治療系が多いとなんだか女医っぽい。鬱陶しいですわ!と言いながら斧3〜4連を叩き込むのも、言い寄る男たちに対して言っているようにも聞こえる(笑)。

リタ

修行中の駆け出し薬師。何事にも真面目で勉強熱心。
思い込みが激しく失敗も多いが、挫けない心の強さも併せ持つ。

 お次はリタだ。彼女はロディオンに続く火力担当斧スラッシャー。ギロチン、ヒールスラッシュはなんと闘技場王者ガートルードと同じ技である。ストーリーも彼女の一生懸命さがわかるし、頑張って斧振り回してるのかな〜とニコニコする。

 彼女の治療アビリティは少しシェルビーと似ている。“救急手当“を初期装備している。サポアビとして前衛の状態異常耐性50%アップも持っている。状態異常治療系としては出血治療を持つ。トラベラーのスキルバランスとして、状態異常回復のどれを誰に持たせるかというのはとても興味深い。彼女に出血治療がついたのはなぜだろう。

 ここで彼女のトラベラーズストーリーを思い出していただきたい。彼女のいる地域は国境。日本にいると意識されることが少ないが、国境と言うのは非常に危険な地域だ。隣国との争いでドンパチがあれば傷ついた兵士や巻き込まれた民間人などがいて薬師の出番が増える。彼女はいわゆる国境なき医師団、白鳩連合の団長デイルの娘であり弟子だったのだ。彼女は勉強家でよく本を読み、父のもとで薬師として修行していた。駆け出しではあるものの、シェルビーに次ぐ治療スキルは納得できる。しかし、ある日父親に「お前に足りないものがある」と宣告され、それを見つける旅に出た。
 彼女はトラベラーズストーリーの中で、患者を守るのも薬師の使命だと野戦治療所をおそうエドラスの兵士の前に立ちはだかる。『守るために戦うこと』が彼女の選んだ決断だった。

敵味方関係ない、目の前の苦しんでいる人を助けたい。
リタのトラベラーズストーリーにアーフェンが登場するのも納得する。

 ん?待てよ?
 リタがギロチンやヒールスラッシュなどの火力技を持っているのは、もしかしてこの決意から来ているのでは?え〜い!と振り回すかわいい薬師ではなく、いざとなったら患者を守るために戦う薬師だからではないだろうか、戦争の負傷者を治すのであれば“出血治療“も頷ける。
 そして薬師としての腕や治療についてはシェルビー+オーゲン、薬師としての志についてはリタ+アーフェンとはまたニクイ演出だ。

 もしかして、スキル作ってから物語作ってる??逆??同時進行??誰かラジオで質問して……!?(もうすでに周知の事実だったらすみません)

メレット

没落した地方貴族の令嬢。
貴族の勤めを果たすべく、民のために働く。
立派な薬草園を築くため、
修行を兼ねた資金調達の旅をしている。

 メレットは星4薬師では一番の治癒力を持つ。救護手当(225)は神官マドレーヌの特大回復魔法と同じ威力だ。サポアビは前衛のHP自動回復なので、もはやいるだけで勝手に治療を始めてしまう。屬攻特化の斧を持たせるとかなり強力なヒーラー兼光アタッカーになれる。

 彼女のトラベラーズストーリーはちょっとした推理もののように事件を解決していくものだ。元令嬢、メレットちゃんは名探偵シリーズが生まれそうなノリである。このストーリーの中で、メレットが貴族の生まれであるが今は没落していること、民を癒すのが貴族の役目であること、実家の大薬草園をもう一度作ることが夢であることが語られる。メレットが仲間のHP治癒に長けているのは、彼女のそんな癒し、施しの精神からきているのではないだろうか。アビリティとの結びつきを語るには少し妄想力が足りない気がするが、ご勘弁を。

このセリフの直後にクレスが一歩前に出る。
次のセリフのために出るのではあるが、
メレットのこの言葉に感動して思わず乗り出してしまったように見えた。メレットと出会い、貴族に対する意識も少し変わったのではないかと思う。クレスにとっても良い旅だ。

 今回彼女のトラベラーズストーリーを見直して思い出したが、メレットが教会の薬草園に植えるものとして選んだのがエフェメラだった。新アビリティの全体回復+状態異常回復の『エフェメラシャワー』はここからきたのか!トラベラーズストーリー実装から約二年半、彼女の薬草園のエフェメラはシャワーができるまでになったのだ!!-----とまた運営バトアビ班の心にくい演出に唸ったのであった。


まとめ

 ロディオンの項でも書いたが、大陸の覇者のプレイアブルトラベラーは一人一人の情報が少ない。2022年春から始まったオクトラジオでようやくそれぞれの大雑把な年齢や好き嫌いなどの情報が少しずつ公表されていたり、トラベラー同士のちょっとした触れ合いが垣間見れる“栞”が存在するが、どれも情報量に差があり触れられていないトラベラーもまだいる。とにかくあのたった一枚の立ち絵とそれぞれの物語、そしてアビリティやバトルボイスしか彼らの情報はないのだ。だからほんの少しの事実を元に妄想し続けることをどうか許してほしい。

 

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