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起業後初の確定申告を終えて

昨年4月からオリジナルTシャツのECショップ開設に向けて準備をしてきました。

有りそうでなかなか探せない、そんな「あったらいいな」という商品や取扱いを実現しようと始めたものです。「なかなか無い」ので自分でデザイン、パターンを行い、生地の選定と調達をし、新参者の私でも対等に向き合って頂ける縫製会社さんを探し、サンプル製作、商品化にたどり着いたのが数か月後の7月半ばでした。

そこで、学生時代からのおつきあいで現在社会保険労務士をしている友人からふと「来年になって売れたときは経費がどうなのかな」と言われ、はっとしたのでした。今年度費やした商品材料や縫製費を来期は考慮してもらわないとイケナイ!と。

商品を作ることに精いっぱいで、そうした事業という側面のことが抜け落ちていました。今期作った商品が来期に売れても、今期かかった製作費は差し引いて貰わなければいけません。そのために青色申告をする必要がある。その前に個人事業主の届出が必要になる。というわけで、私は早速管轄の税務署に<個人事業の開業・廃業等届出書>を提出しました。

中段に<「青色申告書」または「青色申告の取りやめ届出書」>という欄があり、私は<有 ☑>として良し!これからは青色申告、面倒そうな経理業務もやるぞ!と覚悟を決めました。そしていよいよ確定申告の時期。創業支援のアドバイザーさんから「書類は出してる?」と聞かれ、「出しましたよ」、「承認申請書も出した?」・・・「?」。開業届と同時に、<所得税の青色申告承認申請書>という書類も提出する必要があったのです。なにしろ一人ぼっちで進めているので、調べたつもりで抜け落ちていました。基本的なことなのでしょうけど。

というわけでやむを得ず白色申告となり、今年費やした経費は繰越できないこととなりました。しかし、提出した事業届出の青色申告欄に<有 ☑>として、その必要書類が無ければ書類不備の旨、知らせてくれてもいいんじゃないの?・・アドバイザーの方に思わず問いかけたところ「そりゃぁあちらにとっては税金を貰った方がいいからねぇ」と。えぇぇぇぇ・・なんと不親切。
知らなかったこちらが悪いのですが、「書類が足りないですよ」くらい教えてくれたら即対応したのに、と思わずにいられませんでした。

さて、問題の確定申告。私は事務職が好きではありません。付随する事務業務、例えば洋裁をする際のパターン作成や、料理をするときのレシピ整理や、音楽をやるときの採譜など、何にでも事務的な業務というものはつきものです。そうした類の机上の業務は全く苦にならないのですが、いわゆる総務、経理などの完全な事務業務はどうも性に合わないのです。だから実はだいぶ憂鬱ではありました。

学生時代、経済専攻だったので簿記が必須だったのを嫌でも思い出しました。社労士の友人にも「簿記やったよね」と言われ、<ええやりましたとも・・・>。あの虚無的な時間の流れ。先生がご高齢で、声量がなく、蚊の鳴くような声、私の席まで声が届かない。だから何を言っているのかよく分からない。だから何も頭に入らない。かと言って前の方に座る気持ちになれない。簿記3級は必須でした。でもそんな姿勢なものだから、皆難なく受かっているのに私だけが取得できませんでした。

と、友人にこの辺りの話をすると「先生のことなんて覚えてないよー」。嫌だ嫌だと言う割に、なぜか私は授業も先生のことも検定落ちたこともよく覚えているのです。授業の内容を覚えていればいいのに、どうでもいいことだけ覚えている。もう一つ覚えているのは「借方」と「貸方」という言葉。これらの数字を合わせる必要があるらしい、ということだけ。

因みに私はソロバンが全くできません。そして残念ながら計算機をたたくのも不得手。便利な機能が色々あるようですがどうも<計算機>という物に真摯に向き合えない・・・。あんまり好きじゃないのかな・・・。だから現在、世の中にエクセルという表計算ソフトがあって本当に助かってます。(その昔はロータスを使っていた)

前々から会計ソフトの導入を考えていたのですが、今回はアドバイザーさんからフリーで使えるエクセル簿記を教えて頂き、ダウンロードして使いました。

相談時、まず私なりに仕訳帳に記帳して行ったのですが、かなり独断的でアバウトな処理にアドバイザーさんはさぞ思いやられたことでしょう。白色申告だからマイナスなら別に出さなくてもいいんだけどね(笑)、と。

今回はいい勉強だと思って、スポンジのごとく吸収するつもりで臨みました。勘定科目のこと、棚卸のやり方、経費の捉え方、などなど、「なるほど」の連発。知らないことは知らないと言って、学習する気持ちと姿勢で向き合うのが一番。そうであれば相対する人もちゃんと教えてくれるものです。「そんなことも知らないのー?」と思われても、一度学んでしまえば、それもそのときだけのこと。まさに「聞くは一時の恥聞かぬは一生の恥」です。ありがたいことに、私は知らないことを聞くことを「一時の恥」とさえ思わない性格なので、本当に勉強になりました。書類出し忘れという失敗も経験し、来期からは同じような失敗を繰り返さない所存です。

というわけで期限ぎりぎりとなってしまいましたが、起業第一期の確定申告は無事終えることができました。残念な白色申告でしたが。








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