麻雀101:ザ・リベンジ【最強戦2024#15】
最強戦ファイナルの最後のひと席は、松本吉弘プロが勝ち取った。初のファイナル挑戦というのが意外に感じるほど、活躍めざましい松本だが、今年はMリーグで結果が出ないなど勝負弱さが目立っていただけに、この勝利は復調へのきっかけにしてほしい。
松本勝利の陰に敗れた選手たちも気合の入った麻雀を打っていた。
中でも、アサピンこと朝倉康心プロは、予選卓および決勝卓通じて、その表情から気合いがみなぎっていた。
松本プロが抜けたトップ目で迎えた最終局では、3倍満ツモ条件の手を整えてリーチまでこぎつけた。結果こそでなかったものの、その気合が牌を呼び込んでいるように見えるから面白い。
日頃はむしろ冷静沈着、淡々と得な選択を積み上げることを心情に打ち進める朝倉プロが、この最強戦にかける思いの大きさを感じた。
気合いが入っていたのは、朝倉プロだけではない。
RMU谷井プロ。松本プロにまくられるまでは、好配牌、好ツモに恵まれ、持ち味の面前で仕上げてツモあがるスタイルに合致した良い流れが間違いなくきていた。それが大きなつまづきもないまま、気づけばまくられていた。松本か谷井か。麻雀の神様の気まぐれかに弄ばれてしまった。だが、神様は内容が良い麻雀が好きだから、この調子でいけば神様に選ばれる日も近いだろう。
麻雀の神様に弄ばれた選手がもう一人。
予選卓ではぶっちぎりの麻雀で健在っぷりを発揮した沢崎プロ。戦前に松本プロから決勝卓で戦いたいと宣戦布告に応えて、両者ががっぷり組み合った決勝卓。しかし、難しい選択が裏目になったり、リーチ合戦に引き負けたり、ジリジリと点棒が離されてしまった。こうなっては打点のある手組みにならざるを得ず、マムシの粘りも出しきれなかった。
まだまだ引退には早い。来年もその強気で色っぽい麻雀を見せてほしい。
惜しくも予選卓で敗れた選手たちも、この対局にかける思いはひとしおだったことだろう。
中でも、東城プロは、Mリーガーではなくなり、表舞台に呼ばれる機会がグッと減ることが予想されるだけに、しっかりと爪痕を残したかったことだろう。だが、完全燃焼とまではいえない、後味の悪い戦いとなったのが悔やまれる。
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