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麻雀83:阿久津翔太はMリーガーになれるのか【最強戦2024#6】

飢えた若獅子

最強戦グループリーグ6「最強の遺伝子」は、日本プロ麻雀連盟Aリーガー・阿久津翔太が優勝した。
相手にリードされた場面や苦しい手牌の場面でも、終始落ち着いた姿勢で奇策に走ることなく、チャンス手の到来を待って、勝負していた。

決まり手になったのは南3局。
途中、上家から2000点のポンテンができる牌が出るもスルー。面前で仕上げ、親とのめくりあいに持ち込み、見事なツモアガリ。
ライバルたちに条件を突きつける、大きな加点となり、そのまま押し切った。

そんな阿久津がMリーガーを意識していないはずはない。麻雀プロとしての現状を整理してみた。

条件① 基本スキル◯

牌理や雀力などの基本的なスキルはこの対局のみならず、連盟のAリーガーであることでも、証明済みと言ってよいだろう。

条件② オリジナリティ△

雀風や麻雀への姿勢といってもよいだろう。強い選手ほど、その人ならではの選択が必ずある「ゼウスの選択」と言われる鈴木たろうが代表例といえる。

このあたりを阿久津自身がどう捉えて活動していくかが課題に思えた。
この対局を見る限り、正統派のオーソドックスタイプ。悪く言えば、これといった特徴がない選手に映った。

麻雀という競技の性質上、勝者は4分の1に限られほとんどが負け試合になりうる。つまり、どう負けたかが重要になってくる。

まだまだ若手の部類に入るキャリアの阿久津からすると、「勝利」に貪欲になるのも当然。どこかのタイミングで、負け試合の中でも「らしく打つ」ことができるようになれるかに期待したい。

条件③ カメラ・ファンへの意識◎

ファンへの意識は若手プロほど高いように思う。
阿久津も例外ではなく、登場シーンや対局後のカメラ目線など、いわゆる「画になる瞬間」を演出することに長けている。
そして、対局後のインタビューも、自身の思考を言語化するだけでなく、ユーモアを交えながら面白おかしく掛け合う様子は、エンタメとしての麻雀を意識していることが伝わってきた。

現時点では、阿久津よりも知名度や実績がある選手が多く、今すぐMリーガーになることは難しいかもしれない。が、未来のMリーガー候補には確実に彼の名が挙がることだろう。

ライバルの存在

強いライバルがいてこそ、面白い勝負が展開される。その意味で、この対局は同世代の打ち手が集結し、それぞれの想いをぶつけ合う、見応えのある対局だった。

中でも、最高位戦・牧野は、出場選手の中では阿久津と並んで、落ち着いたプレーをしていた選手。

オーラス。ツモリ四暗刻をテンパイ。山に2枚残り、あわや逆転の場面を演出して、しっかりと爪痕を残した。
これからも幾多の名勝負を見せてくれることだろう。

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