麻雀#14:鳳凰位と女流雀王、明暗くっきり【Mトーナメント1stステージA卓】
今年から始まった新企画「Mトーナメント2023」。Mリーガー32名に各団体の推薦選手を加えた、今の麻雀界でのトップを決めるトーナメント。
サクラナイツ渋川の優勝で幕を閉じた大会のドラマを振り返ってみたい。
1stステージ A卓
新企画最初の卓組みは、Mリーガーは、ドリブンズ園田、サクラナイツ内川の2名と、招待選手の鳳凰位・ヒロ柴田、女流雀王・水崎ともみの2名を加えた4名での対局。
「Mリーグ初」の記念レコードを数多く獲得している園田が入っているのは、何やら因縁めいたものを感じてしまうのは私だけではないはず。
そんなA卓では、ヒロ柴田とドリブンズ園田が通過となった。
シルバーコレクターと呼ばれた日々
苦労の時期を乗り越えて獲得した悲願のタイトル鳳凰位。これを獲得したヒロ柴田の麻雀は自信に満ちていた。
赤入りの麻雀での柴田を見たことがない。このため、どういう戦法で戦うのか興味があった。
トンパツから赤入りの手牌が入るも、手なりで進めるいつも通りの進行。赤にこだわることなく、アガリやすさや手役に忠実に、必要がなければ赤でないかのように躊躇なく河へ投じる。そこにはいつもの連盟ルール※と変わらない鳳凰位・柴田がいた。
※連盟ルールとは、一発、裏ドラ、赤ドラなし。要は、偶然の要素による打点上昇を排除し、手役による打点づくりを重視したルール。
一時期、幾度となくタイトル戦の決勝に進み、惜しいところまで善戦するも、タイトルを掴み損なう期間が長く続いた。そんな柴田についた異名が「シルバーコレクター」。不遇の時期を乗り越えた彼が、Mの舞台で見せた麻雀には、観るものを納得させるだけの説得力があった。
経験値の差?
自分らしい麻雀を打ち切った柴田と対照的だったのは、女流雀王・水崎。
序盤は所作に緊張が見られる中、勝負手をリーチにいくも放銃に回る不運な展開。点棒を取り戻そうと、攻めを強めたところで、返り討ちにあう、典型的な負け試合となった。
チャンスの舞台で結果を出したい気持ちが空回りした格好だが、同卓の柴田から学ぶことは多かったはず。経験の差がそのまま結果にでた悔しい対局だっただけに、この敗戦を糧に奮起を願うばかり。
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