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麻雀88:2代目王者決定【Mトーナメント2024観戦記#7】
セミfinalA卓
本田vs瑞原vs杉浦勘介vs和久津晶
▫️神に選ばれた男
1戦目でトップをとった本田が勝ち上がりのひと席を確保する中、もうひと席は連盟A1リーガーである杉浦と和久津の一騎打ちとなった。
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序盤にリードした和久津を杉浦が追いかける展開。
そんな杉浦に清一色の高打点テンパイが入り、2sと5sの単騎選択に杉浦が出した答えは2s切り。その直後のツモ牌が激痛の2s。流局で開かれた手牌と河を対局者がじっと見つめ、裏目を引いた杉浦が勝ち上がりから後退したように思ったところ。
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アガリ逃しの次局、神は杉浦を見捨てていなかった。4000オールを決めると、
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その次局も瑞原とのリーチ合戦に競り勝ち、裏3のおまけ付きで18000の加点に成功。
それでもオーラスまで和久津に現実的な条件が残っていたため、緩めず攻め切った杉浦。
おとなしそうな見た目とは裏腹に、試合後は興奮気味に決勝への意気込みを語っていた。
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▫️神には選ばれなかったが、、、
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惜しくも敗退となった和久津であったが、このMトーナメントでは持ち味を存分に発揮し、実力をアピールできたことだろう。
和久津本人にしてもMリーグの返り咲きに自信をつけたのではないだろうか。
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その自信の表れが、この雷電ポーズ!
今季予選敗退だった雷電は、来季も予選敗退だった場合にメンバー入れ替えとなる。
万が一、そうした状況になった場合は、「私を指名して!」と、強烈なアピールとなった。
確かに、和久津の麻雀は面白い!
対局者の動向によって一巡ごとに方針が変わる「対応型麻雀」。これまでの雷電メンバーの雀風にない異色の面白さだけに、指名候補になることは確実だろう。
セミfinalB卓
松ヶ瀬vs寿人vs優vs小林
▫️繊細なる超巨砲
松ヶ瀬の持ち味が存分に発揮された対局となった。
一戦目。高打点で一撃必殺を狙いたい松ヶ瀬は、相手からの攻めも意識した攻守兼用の手組みで、勝負手になったらリーチ。そうして勝負した局で、裏ドラのおまけもついた8000オールが効いて、見事なトップ。
二戦目は、ポイントの優位を活かし、無理せずスピードで勝った時に踏み込んで交わす戦法で、危なげなく逃げ切った。
いよいよ決勝。昨シーズンの不調を払拭し来季に弾みをつけたい松ヶ瀬。今回見せた二人勝ち上がりならではの麻雀から、トップ特化の麻雀で爆発できるか。
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▫️MVP+チーム優勝に更なる加冠ならず
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鈴木優のMトーナメントは、チームメイトの小林に阻まれ、その幕を閉じた。
セミfinalに進出し、そのままタイトルを総なめかとの期待もあったが、歴史的な偉業はお預けとなった。
MVPとなった自信に加え、チーム優勝の自信が重なり、最高潮に高まっている優。自身の読みや選択に迷いがない様子が見て取れる。
このままシーズンに突入すると、前人未到のMVP連覇。そうなると、連続優勝も見えてくる。
そうした状況がはっきり見えるだけに、他チームからのマークがひときわ厳しくなるシーズンとなりそうだ。
ファイナル
松ヶ瀬vs本田vs小林vs杉浦勘介
▫️パイレーツの完全優勝で幕
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2代目のMトーナメント王者はパイレーツ・小林剛に決定した。
一戦目トップだった小林は、2戦目の勝負所の選択がことごとく裏目になったが、展開が味方する格好で逃げ切った。
これでチーム戦も個人戦もパイレーツと、パイレーツ一色のシーズンが幕を閉じた。
完全王者パイレーツに各チームがどう対抗していくのか。新シーズンが待ち遠しい。
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