麻雀102:推しの記録11月号【Mリーグ2024-25#6】
流れ、風、偶然の偏り。
上位チームがポイントを伸ばす一方、下位チームはポイントを減らした。10月に開いた差が、そのまま拡大して、上下1200pに迫る縦長の展開に。
ここまで点差がひらく展開はめずらしい。
流れ、風、偶然の偏り。
人によって表現の違いがあれど、選手の技術や実力ではどうしようもない部分で勝負の結果が左右するのが麻雀。
その恩恵を受けたチームは自らの選択と勝利という結果が結びつき、さらに自信を深めて選択が冴えてくる。
一方、流れが悪いチームは自身の選択に疑心暗鬼になり、普段どおりの選択ができなくなっていく。
コナミ麻雀格闘倶楽部
10月 11月
▫️順 位 5位 → 3位
▫️ポイント 43.5p → 273.3p
好調な滝沢
チームで6トップのうち、3トップ(しかも3連勝)でチームを引っ張るのが滝沢。
飄々。淡々。冷静。そんな言葉が似合う滝沢。寿人や伊達に華やかさは譲るものの、自身の仕事をしっかりとこなす職人、プロフェッショナルという雰囲気がたまらなく好きだ。
滝沢が活躍しているうちは、チーム成績が自然と安定して下位争いに巻き込まれるリスクは間違いなく減る。
雌伏する寿人
滝沢の盟友・寿人は、1トップノーラス。対戦相手の攻勢に我慢して放銃を避けるような守備寄りの選択が目立った。
ダメなものはダメ。チームリーダーの風格を纏うようになった寿人は、無邪気にゴリゴリと強気で押していくスタイルは影を潜めるようになった。しかし、好調を意識すると一転して、攻めダルマに戻る。苛烈な攻めと無慈悲なアガリを繰り返す様を形容してついた異名が、「魔王」。
魔王・寿人が降臨して、上位チームのポイントを削る展開になってくると、レギュラーシーズンがもっと面白くなってくる。
伊達は不調なのか?
11月の伊達は、わずか1トップであった一方、日跨ぎ連投で2ラスとなるなど、調子の波に乗ってはいない。
しかし、麻雀においてこの程度の成績はよくあること。この成績をもって不調と感じさせるところに伊達の凄みを感じる。
麻雀に対してストイックな姿勢を隠さない伊達。努力を積み重ねても、結果が報われるとは限らないのが麻雀。そんな使い古された言い訳をせず、結果を出し続けてきた伊達だからこそ辿り着ける極地がどこなのか。個人賞を総ナメにしてきた伊達には優勝しか見ていない。
TEAM雷電
10月 11月
▫️順 位 6位 → 5位
▫️ポイント △23.9p → △26.0p
今年の萩原は一味違う
ポイントのアップダウンが激しいイメージがある雷電。そんな雷電が今シーズンは粘っている。
その一因は萩原だと思う。
昨シーズンまでの萩原は、言葉を選ばずにいえば、チーム成績に貢献できていなかった。
しかし、今シーズンは、一味違う。トップに特化した押し寄りの選手が多い中、守備的で堅実な選択が良い方向に向いているように思う。ここまで縦長の展開になれば、下位チームに巻き込まれないことが重要になってくるはず。ここまで萩原の選択がチーム全員に方針として浸透していくと、レギュラー突破は固いのではないか。
風林火山
10月 11月
▫️順 位 7位 → 7位
▫️ポイント △182.8p → △369.4p
勝又だけでは突き抜けられない
11月のチームトップはすべて勝又によるもの。まさに孤軍奮闘といえる活躍ぶりではあるが、負債は400に迫り、レギュラー突破のボーダーとは320p。シーズンの序盤ながら、これ以上離されるわけにはいかない苦しい状況に追い込まれつつある。
だからといって、焦って得るものは何もない。
選手たちの言葉や表情からは焦りは感じられない。麻雀プロとして、チームとして、これまで苦しい状況を幾度も経験してきた選手たちだけに、自身がやるべきことは明確になっている。
自分の麻雀を打ち抜くこと、それに尽きる。
ビーストX
10月 11月
▫️順 位 8位 → 9位
▫️ポイント △277.9p → △663.0p
中田花奈
11月はチームとしてノートップ。ポイントは△700に迫り、風林火山と同様に崖っぷちに立たされているビースト。
そんなチームにあって、中田花奈が自由に伸び伸びと打っている。
麻雀プロとしての実績がないだけに、「ダメでもともと」と開き直っているのか。伸び伸び打てる心理状態の根っこに何があるのかは定かではないが、結果がついてくれば自信がついてその自信が良い選択をもたらすという好循環は冒頭に語ったとおり。
チームが苦境の今こそ、中田花奈が存在感を示すチャンスかもしれない。
逆に、大介や猿川といった、本来活躍が期待されている選手にとっては、何をやってもうまくいかない状況に戸惑いと迷いが生じていることだろう。
特に大介はアマチュアで最強位になるなど実績は十分ながら、プロとしてのキャリアはわずかに1年。プロの厳しい洗礼を受けている真っ最中といって良い。棋士としてのキャリアにおいてスランプは幾度も経験しているだろうが、こと麻雀においてスランプを突破する方法論を持ち合わせていない中途半端さがつきまとう。
しかし、このスランプの先にとんでもない大爆発が待っているかもしれない、そんな期待感を持たせてくれる選手でもあるから不思議なものだ。
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