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麻雀33:笑顔でさようなら【Mトーナメント2ndステージF卓】

今年から始まった新企画「Mトーナメント2023」。Mリーガー32名に各団体の推薦選手を加えた、今の麻雀界でのトップを決めるトーナメント。
サクラナイツ渋川の優勝で幕を閉じた大会のドラマを振り返ってみたい。

2ndステージF卓
Mリーガーからドリブンズ・園田と丸山、雷電・本田、推薦選手から麻将連合・忍田の4名での対局。今大会はじめての同チーム対決が実現。Mトーナメントだけのスペシャルな戦いとなった。
勝ち上がりは、雷電・本田とドリブンズ・園田。初戦トップで+100Pを獲得した本田が、次戦には園田に役満・大三元を放銃して、本田・忍田・園田の三つ巴の状態になる展開は、誰にも予想がつかなかった。麻雀の怖さを思い知らされるとともに、また見返したくなるスリリングさもある、歴史に残りそうな対局となった。

そんな嵐の中、ひっそりとMの舞台を去ることになった、丸山。対局後のインタビューでの受け答えや気丈に振る舞おうとする姿が感動的だった。彼女への想いをもう少し深掘りしてみたい。

異色のMリーガー
丸山は他のMリーガーとは違い、育成枠としてドリブンズに入団した。初年度の優勝チームであるドリブンズは、優勝した実績が物語っているように、園田・たろう・村上の3人で十分な戦力と言える。そこへ「女性選手を1名以上」という新レギュレーションが追加になったことを機に、越山監督が「育成」という新しい軸を打ち立て、丸山に白羽の矢が立った格好となった。
当時はこのコンセプトに共感し、Mリーグに違った魅力を与えてくれるものと期待していた。しかし、フタを開けてみれば、加入初年度は登板回数10試合の制限付き。これでは育てるとは名ばかりではないかと呆れたのを思い出す。通算4シーズンで登板44回。個人賞の規定打数が20回なので、いかに少ないかがお分かりいただけると思おう。あんまりにもほどがある。

持ち前の明るさで人気選手の仲間入り
彼女は麻雀・Mリーグの知名度向上に熱心だった。雀力でチームに貢献できない分、自分がチームに貢献できることは何かを考え続けた結果が発信力だったのだと思う。
いたって普通の女の子が麻雀に魅せられプロになり、最高峰の舞台であるMリーガーにまでなった。そのシンデレラストーリーは、麻雀プロを志す未来のMリーガーの希望となったに違いない。

いつかまたMの舞台へ
彼女は現在30歳。まだまだ成長過程。これからいくらでも大化けする可能性がある選手だと思う。
彼女のMリーグデビュー戦。
多井、佐々木寿人、滝沢の3名を相手に、ハネマンを見逃して、倍満をツモりあげ、見事トップになった。控室に戻り、「トップになりたかったんだもん」と、泣きながらチームメイトと語らう姿は、今だに鮮明に記憶している。
こんな負けん気の強い彼女が、このまま埋もれるわけがない。近い将来に、タイトル獲得を手土産に、再びMの舞台へ返り咲く日を待っています。
ひとまず、4年間お疲れ様でした。

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