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社獣ハンター 宗教政党国土交通大臣の闇
【第一章 闇に潜む狩人】
東京都心の夜は、漆黒のヴェールをまといながらも、無数のネオンが光を放つ。その闇と光の狭間に、「社獣ハンター」は息を潜めていた。
社獣ハンター──それは、企業に巣食う悪しき獣たちを狩る者たちの異名だった。パワハラ、セクハラ、裏金、汚職……。あらゆる企業犯罪を暴き、制裁を下す。彼らの存在を知る者は少ないが、その名は闇社会に響き渡っていた。
リーダーの堀部映理(ほりべ えり)は、鍛え上げられた肉体を持つ格闘技の天才だった。彼女の「必殺飛燕真空回し蹴り」は数多くの悪人を沈め、その名を知る者は震え上がる。
「……今回のターゲットは蛭玉満一郎(ひるたま まんいちろう)。」
五十嵐いづみ(いがらし いづみ)が、クールな声で告げた。175cmの痩身にメガネをかけた彼女は、女優・山岸あや花に似た美貌を持つが、その知略と冷静さは並ぶ者がいない。
「宗教政党の国会議員で、現在、国土交通大臣。国会の最中にも礼拝を行い、議事を中断させることもしばしば。これが同僚の国会議員からも、有権者からも反感を買っている。だが、裏では外国勢力の手先となって売国行為を繰り返している。」
いづみが手元のタブレットを操作すると、大画面モニターに男の顔が映し出された。
「彼の海外視察の記録を洗ったわ。表向きはインフラの視察だが、実態は海外旅行のようなもの。それだけならまだしも、向こうで羽目を外し、ハニー・トラップにかかった。」
その言葉に、藤堂葵奈(とうどう あいな)が身を強ばらせる。クールな雰囲気のアシスタントだが、小心者の彼女は、極度の緊張に襲われると吐いてしまう体質だった。
「じゃあ、もう奴は……」
「ええ、外国勢力の犬。もはや売国政治家と呼ぶにふさわしい。」
その瞬間、AI先生がスクリーンに現れた。クリーンなインターフェースを持つこのAIは、社獣ハンターの司令塔として、確実な情報を提供してくれる。
『蛭玉満一郎は現在、議員会館の自室にいる。30分後には秘書と共に公用車で移動予定。目的地は某ホテルだ。』
AIの言葉に、チャプンドが素早く反応する。情報工学の専門家である彼は、デスクに埋め尽くされたモニターを睨みながら、盗聴・盗撮を駆使して映理たちを援護していた。
「GPSと監視カメラの映像を確保した。奴の車の動きをリアルタイムで追える。」
「準備は万全ってことね。」映理は不敵に笑った。
闇夜に潜むハンターたちは、獲物を逃さない。国を売る政治家に裁きを下すため、社獣ハンターは動き出した──。
【第二章 売国の果てに】
東京都心の空は曇天に覆われ、重苦しい空気が漂っていた。その中で、一人の男が暗躍していた──蛭玉満一郎。
彼は国会議員となり、表向きは国土交通大臣としてインフラ整備に尽力しているかのように見せていた。しかし、その裏では、日本の利益を犠牲にし、特定の外国勢力のために動いていた。
まず、彼が行ったのは交通標識の変更だった。国内の標識はアジアの特定言語のみとし、日本語や英語表記を排除。結果として、年配の日本人は標識を読めず、道に迷うことが多発した。
「これも国際化の一環です」
そう言って彼は胸を張るが、迷惑を被るのは一般の日本人だった。
次に、留学生支援という名目で、ある特定の国の留学生にのみ月額14万円の補助金を支給。一方で、日本人の大学生は高額な利子付きの奨学金を強いられ、卒業後も返済に苦しむ現状が続いた。
「嫌なら大学になど行かずに働け」
国会の場でそう言い放った蛭玉満一郎の暴言は、若者たちの怒りを買った。しかし、彼にとって日本人の学生は単なる負担であり、重要なのは外国勢力の歓心を買うことだけだった。
さらに彼の売国行為は止まらない。国の一等地をある特定の国の企業に破格の条件で提供し、そこにメガ・ソーラーを設置。発電された電力は、10kW未満の場合、40円で優先的に買い取られた。一方で、日本の企業が発電した電力は10円程度の買取価格に抑えられた上、送電線の過負荷を理由に、特定の時間帯の買い取りを拒否されることもあった。
こうして、蛭玉満一郎は日本の資源を外国勢力へと流し続けた。彼にとって、日本の国益を守ることなど二の次だった。
しかし、その悪行の影で、社獣ハンターたちは密かに動き出していた。
「そろそろ奴を仕留める時だ」
堀部映理の鋭い視線が、闇の中で光った──。
【第三章 壊れゆく忠誠】
国会議員・蛭玉満一郎の秘書たちは、ほとんどが外国人で構成されていた。彼の周囲にいる者は、彼にとって都合の良い者たちばかり。しかし、唯一の日本人秘書であった伊藤修三(いとう しゅうぞう)は、その環境の中で孤立していた。
伊藤修三(いとう しゅうぞう)──四十代半ばの男性。頭のてっぺんだけが禿げ上がった風貌を持ち、それが彼の唯一のコンプレックスだった。しかし蛭玉は、その弱点を容赦なく攻撃した。
「おい、頭てっぺん禿鷹! 今日もピカピカ光ってるなぁ! 何か塗ってんのか?」
「お前みたいな禿がいると、俺まで運気が下がるんだよ!」
日常的に侮辱を受け、人格を踏みにじられる毎日。伊藤の心は、ゆっくりと崩壊していった。
蛭玉の横暴は、職場内だけにとどまらなかった。夜な夜な銀座で豪遊し、ホステスをお持ち帰りできなければ激怒する。ある夜、倶楽部のママの髪を掴み、地面に叩きつけ、土下座を強要した。
「俺を誰だと思っているんだ。蛭玉満一郎だぞ、国会議員で国土交通省大臣だ。大きな声では言えないが、俺のケツ持ちは中共産国党なんだぞ!」
そんな理不尽な暴力を見せつけられるたびに、伊藤の中で何かが壊れていった。
ある寒い夜、伊藤は車の中で蛭玉を待っていた。彼の手は小刻みに震えていた。すべてが嫌になり、ここで命を絶とうと決意した瞬間──。
「死ぬのはまだ早いんじゃないの?」
闇の中から現れたのは、社獣ハンターのリーダー・堀部映理だった。彼女の鋭い眼差しは、伊藤の内なる悲鳴を見透かしていた。
「お前みたいな真面目な男が死んで、あんなクズがのうのうと生きるなんて、おかしいと思わないか?」
その言葉に、伊藤は静かに涙を流した。
翌日、伊藤は秘書を辞めた。そして、社獣ハンターは伊藤の代わりに五十嵐いづみを送り込むことを決めた。
五十嵐いづみ──身長175cm、痩身で知的な雰囲気を持つ美女。女優・山岸あや花にそっくりな彼女が秘書として現れると、蛭玉は一瞬で惚れ込んだ。
「おデートしようか?」
彼女の魅力に酔いしれた蛭玉は、自ら罠に足を踏み入れようとしていた──。
【第四章 狩りの始まり】
夜の東京。煌びやかなネオンが輝く街の片隅にある高級ホテルの一室に、蛭玉満一郎は五十嵐いづみを連れ込んでいた。
「さあ、いづみちゃん。俺と特別な夜を過ごそうじゃないか。」
酒に酔った蛭玉は、いづみの肩に手を伸ばす。しかし、その瞬間──。
バァンッ!!
部屋のドアが勢いよく蹴破られた。
「待ちな!!」
冷徹な声が響き渡る。そこに立っていたのは、社獣ハンターのリーダー・堀部映理だった。
「何だ、お前は!? 邪魔をするな!」
蛭玉が叫ぶ間もなく、映理の鍛え上げられた脚が宙を舞う。
「必殺──飛燕真空回し蹴り!!」
バキィィィ!!
華麗な回し蹴りが蛭玉の顔面に炸裂し、その巨体は床へと叩きつけられた。一撃で意識を失った。
しばらくして、意識を取り戻した蛭玉は、朦朧とした頭でテレビのリモコンを手に取った。
しかし、次の瞬間、彼の目に飛び込んできたのは、自分の卑猥な映像だった。
『速報!国土交通大臣・蛭玉満一郎の醜態!』
画面には、銀座での豪遊や女性に乱暴しようとする姿が、克明に映し出されていた。
「な……何だこれは!!!」
さらに、スマホを開くと、SNSが地獄絵図と化していた。
📢【速報】国会議員の恥さらし、蛭玉満一郎www
🔥🔥🔥トレンド1位「蛭玉終了のお知らせ」🔥🔥🔥
💀「うわぁ、コイツ終わったな」
🤮「こんな奴が国の要職についてたの?ヤバすぎ」
📛「税金で女遊びしてたクズ、早く辞職しろ」
💥「証拠映像ありwwwこれは言い逃れできんwww」
蛭玉は震えながら叫んだ。
「やめろ!こんなのデマだ!!俺は嵌められたんだ!!」
だが、すでにすべては手遅れだった──。
社獣ハンターの狩りは、確実に獲物を仕留めるのだ。
【エピローグ】
蛭玉は所属している宗教政党から離党・辞職勧告を受けた。
宗教政党党首に土下座し「お慈悲を…お慈悲をください」と頼み込んだが、相手にされなかった。
結局、蛭玉は国会議員を辞めざるを得なかった。
翌日、彼は某国へと旅立った。
「ふふ、亡命だな……」
そう呟きながら機内のシートに身を沈めた。
一方、社獣ハンターの映理といづみはカフェでくつろいでいた。
「ようやく、一仕事終えたって感じね。」
「ええ、久々に気持ちのいい朝よ。」
二人は晴れ晴れとした笑みを浮かべ、香り高いコーヒーを口に運んだ。
しかし、それから数日後――
上海の片隅で、一体の死体が発見された。
蛭玉満一郎。
彼の遺体は無惨な姿だった。臓器も血液もすべて抜き取られ、ただの皮袋のように干からびていた。
彼の末路を知る者は、静かに笑みを浮かべたという。