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洋酒チョコレートRummyと、あの日の店員さん

気付けば11月。朝晩随分、冷え込むようになった。

この時期にスーパーやコンビニに並び始める洋酒チョコレートが、ロッテの「Rummy(ラミー)」。
チョコの中のレーズンから、ラム酒がじわっと滲む感じがたまらない。

私は、今季はじめてのラミーを見かけたら、
買わずにはいられない
(いや、「今季はじめてのラミーを発見したら、
一旦その店を出て、近所で一番ラミーを特売している店で2箱買って帰る」のが実際の私だ)。


そういえば、毎年ラミーと一緒に
思い出す出来事がある。

大学4年生の時だ。
下宿先の近所にあったコンビニでその冬はじめてのラミーを見つけた私は、
その箱を持ちながらホクホクとレジへ向かった。

レジの店員さんは眼鏡をかけた女性で、
50代くらいにみえたが声は若々しい。

私が持ってきたラミーを見て一言、

「お!ラミー、入りまぁーす♪」


私もラミー好きなのよぉ、今季もはじまったね、と付け加えながら
いかにも楽しそうにレジをしてくれた。


絶望的に進まない卒論に悩んでいる時期だったけれど、この
「ラミー、入りまぁーす♪」

に元気をもらった気がした。
(まあ、もし店内が混んでたら
そんなやりとりも生まれなかったかもしれない。
けれどたまたま店内の客は私だけだったので、
店員さんの一言も、私が独り占めしたという訳)。

ともかく、今日このコンビニで、ラミーを買うことができて良かったと心から思いながら、
帰り道の自転車を漕いだ。

あれから10年近く経とうとしているが、
いまだに思い出す。

あのコンビニにあのときの店員さんは
おそらく居ない。
でも、今でもラミーを買うときレジに持っていけば「♪」の入ったあの一言が
必ず頭の中で再生される。


このことは誰にも、話したことはないのだけれど。

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