他人様に納得して頂くためには
「たった5分の面接でオレの何が分かるんだ」
そう本気で思っていた高校生でした。
自分のやりたいことを上手く伝えられないもどかしさ、周りの大人に理解してもらえない悔しさを感じていた高校生でした。
そんな私も社会人となり、これまで数々の偉い人たちと面接してきました。
そもそも医学部を志すための親の説得/医学部受験/塾講師・飲食店のバイト/初期研修のための病院見学・マッチング/後期研修のための病院見学・マッチング
経験を重ね失敗を重ね、社会人になって遂に面接官側について少し分かりました。
面接官をしている大人達はそれぞれ様々な人生を歩んできており、それぞれに大切にしていることがあるのです。
自分の父親/バイト先の店長/医学部受験の面接官/初期研修病院の研修センター長
それぞれに立場があり、信念があり、求めていることは違うのです。
面接官の大人が若者を選ぶ際の判断基準は2つです。
マッチング面接を具体例に挙げます。
①自分の立場上利益になる若者
要するにコネです。
みなさん、自分が研修センター長として100人の学生選び放題の立場になったと考えましょう。
医局でお世話になった先輩から「この学生よろしく」と書かれた推薦状を見ると採用しない理由はありません。
もし採用しなかった場合カドが立ちますよね。
個人的に仲の良い同期の子どもが受けに来て、「ウチの子が受けてるらしいわ〜笑」とLINEが来たら良きにしますよね。
もし採用しなかった場合カドが立ちますよね。
狭い医者の世界でカドが立つと色々とめんどくさいのです。
めんどくさいこと、したくないですよね。
採用すればめんどくさいことが起こる確率がゼロだし、なんなら感謝されるかもしれませんね。
②「自分が」優秀だと思う若者
みなさんはどういう人を優秀な医師だと思いますか?
コミュニケーション能力がありコメディカルと上手く働ける医者?患者さん思いの医者?東大・京大の卒業生?臨床医として腕がある医者?インパクトファクターを持っている教授?学生時代からUSMLE certificant、CBT90%over、心電図検定1級?
どういう人を優秀かと思うかは面接官ごとに違います。
大人達にはそれぞれ信念やプライドがあり、自分の経験から「こういう若者は優秀だ、こういう若者は働くとダメだ」という偏見があります。
偏った分かりやすい具体例を出すと東大生論です。
東大生は受験勉強は出来るけど仕事は出来ない!
東大生は処理速度が速いから仕事が速くて有能だ!
どちらの意見も聞いたことがあります。どちらの東大生も見たことがあります。
どのような面接官が出てくるかは運ゲーです。
マッチング程度であれば事前のリサーチでなんとか出来るかもしれないですね。
採用担当の先生は「〜大学を出て学生時代は〜部で〜科の先生で趣味が〜で•••」
前情報からその先生が好きそうな学生を装えば良い評価を得られるかもしれません。
ただしそれがはまるかどうかは運ゲーでしかないのは変わりありません。
自分のことを他人様に納得して頂くことは非常に困難
若いみなさんが真剣に将来やりたいことがあって自分の親や、周りの大人に一生懸命プレゼンテーションしても
相手の大人の問題で理解してもらえなかったり、馬鹿にされたりということはよく起こります。
若いみなさんは大人はそういうもんだということを予め知っておけば、
私が感じた無駄に虚しい思いをすることは回避できるかもしれませんし、
より良いプレゼンテーションをすることが出来て良い感じの結果が生まれるかもしれません。
あなたの周りにいる他人様は過去に素晴らしい経験をしており、他人様が苦労して得た人生経験に基づいてあなたのことを自分勝手に判断します。
なので、自分のことを他人様に納得して頂くことは非常に困難です。
個人的には、相手は自分を見て何を感じているのかということに思いを馳せることが出来れば人生は変わり始めるのではないかと思います。
そして、大抵は周りの大人は自分のことなどどうでも良いと思っているはずです。
大人はポジショントークが上手だし、本音と建前の使い分けが巧みです。
上手い話は世の中には転がっていないです。
若いみなさんはクールに世の中を渡りましょう。
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