受験の覇者が見る世界
研修医という職業柄、東大医学部の学生と話す機会が少なくはないです
今回話した東大医学部生が非常に面白かったので備忘録として記します
世代で日本一勉強ができる人間
彼は中高一貫トップ校出身でみんなと同じように鉄緑会に通い、現役で東大理三へ進学しました
私「学校や鉄緑ではやっぱり成績良かった？」
彼『まあ上の方ではありましたね〜笑』とあどけないジョーク、全くイヤミはない爽やかさ
私は確信しました、こいつ1番やな•••
彼の親友とも話しましたが、やはり学校でも鉄緑でも1番でした
出題者の意図が分かるんすよね
得意科目は数学と理科とのこと
私「数学の問題を解くときに何を意識してるの？」と凡人の質問
彼『出題者の意図を意識してますね、そうすると自然と１歩目のアクションが決まるんで』
大学受験数学において１歩目のアクション、つまり初めの方針をどうするかは非常に大事です
私「出題者の意図がわかれば苦労しね〜よな〜〜」
どうすれば出題者の意図がわかるようになるのでしょうか
彼は謙虚なので明言はしませんでしたが、彼は勉強せずに出来たのでしょう
ところで彼と話していると気持ちいいんですよね
私が1個のことを言うと彼は10個理解してくれ、会話のキャッチボールがポンポン捗る
彼は言語理解能力がズバ抜けています
我々凡人にとって
書いてあることを書いてあるまま読むこと
は非常に難しいです
詳しくはAIvs教科書が読めない子どもたちに書いてあります
大学受験数学に必要な能力は
問題文に何が書いてあるか正確に読み取り方針を立て、間違えることなく計算をやり遂げること
だと彼から教わりました
そのうち凡人が取るべき大学受験数学突破戦略
みたいな記事も書きたいです
いま勉強ができなくて悩んでます
私「いつから自分賢いなって気づいた？」凡人の意地悪な質問
彼『賢いと思ったことないです、特に今医学の勉強ができなくて悩んでるんですよ〜』
これもはや割とあるあるですけど、実際に聞くとおもろいっすね
東大生は比較が東大生だし自己肯定感は上がりにくい環境ですし
彼『暗記がニガテですね、古文単語覚えれませんでしたもん』
私「え、じゃあセンター試験の点数は低かった？」
彼『いや、186くらいですね笑 現代文満点だったんで』東大ジョークほんますき
医学部の勉強は高校地理の勉強に近いと思っています
単純暗記なんですが理屈でこじつけて覚えることも出来たり、出来なかったり
確かに彼が得意な言語理解能力を活かせる部分は少ないです。
周りの東大生と比べると暗記はニガテと感じてしまうのも無理はありません
ただし研修医として働く上でバカ暗記の能力は必要ありません
医学知識はuptodateで調べれば出てきます
もっと大事なのは指導医と良好なコミュニケーションを取り、組織の中で短期間だけ問題なく過ごすことです
近年の医師国家試験ですら臨床に則するトレンドがあり、医学知識が無くても問題文と空気が読めれば正解の選択肢が選べちゃったりする問題もあります
0→1はニガテ、1→100は得意
私「将来やりたいことはあるの？」凡人の質問
彼『コレがやりたいってのは無くて、満遍なく興味あります』
東大生っぽいですよね〜！マジ最高
まず教養学部に入った後に医学部に入る、東大のイメージそのものって感じ
優秀な人にだけ許された選択です
レッドオーシャンでも勝てる覇王の選択です
凡人の我々が出来るのはコイツら怪物と真正面から戦わないことです
私「コレが得意って自信持ってることはある？」凡人なのに生意気ですね
彼『一度暗記しちゃえば、そこからはイケてると思います』
仰る通り、誰も敵わないと思います笑
めちゃくちゃ臨床医に向いてますよね
医者の仕事って目の前の困っている患者さんに対してガイドラインやuptodateに照らし合わせながら現実的に出来ることを粛々とこなしていくことですよね、奇抜なことは不要です
相手の言いたいことが手に取るように分かる卓越した言語理解能力
他の追随を許さない圧倒的な処理速度
育ちの良さが一目で分かる爽やかな人柄
理系のトップが医者になるのは国の損失とよく言われますが、
こういう人が医者になるのは良いことだと思いますね
それに一見0→1に見えるアイデアって案外既存のアイデアだったりしますよね
岡田斗司夫さんのyoutubeにそういう内容があったりします(ラブスマホの話)
彼が0→1のアイデアの出し方を一旦覚えちゃえばとんでもないことになっちゃいそうです
免許を持つことよりどう使うか
私は地方公務員の子でどこにでもいる一般人、中学もフツーの公立です
そんな私が日本で一番勉強ができる学生と1対1で雑談できる日が来るとは思いませんでした
それも私が医者になって東京の病院で働いたからですよね
昔より医者をやるうまみは下がってます
医者が食えなくなる時代が来るとか言われて久しいです
私は医師免許に限らず、
免許は得ることよりも、免許をどう使うかが大事だと思っています
これからは先輩と同じキャリアをなぞるのではなく、自分で医師免許をどのように活かすのか考えていく必要があると思います
このままでは彼らのような怪物と真正面で戦って散ってゆくかもしれません
彼と出会えたのも医師免許のおかげ
私は医者をやっていて色んな人々と会うことができ、刺激的な日々を送ることができています
救急医を目指したのも色んな人に出会える可能性が高いからかもしれません
世の中には色んな人が居ます
そして彼らに自分の意見を理解してもらうことは時に困難です
そんな時代だからこそ自分のやりたいことをまず決め、自分独自の生存戦略を組み立てることが求められると思います
私が考える医師免許の活かし方も書ければと思います
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