公智神社
公智神社は摂津の山口にいます古社で延喜式内社です。御祭神は久々能智命、建速須佐之男命、奇稲田姫命です。
くくのちを祀る神社はそれほど多くはないのでしょうか。公智神社は四道将軍のひとりである大彦命の後裔とされる久々智氏が祀る神であり、この氏族のいわば氏神がくくのちなのではないかと想像します。くくのちは樹木の神とされ、この摂津の山間部は中央に木材を供出する主要拠点だったから、くくのちは記紀にも収載されたし式内社にもなったのではないかと。勝手な想像です。
多くの社と同じように公智神社も創建年代がわかりません。つくづく思うことですが、日本の古代を知るにはいよいよの発掘作業が必要なのではないでしょうか。いったいこの摂津の山間になにがあったのでしょうか。ゆかしいことです。
くくのちはイザナギ、イザナミの子ですが、樹木の関係ですとスサノオの子に五十猛命がいます。紀州の伊太祁曽神社に祀られていますが、こちらもいつかお参りしたいものです。
複雑な記紀の神々の関係は当時の政治や権力関係を示すものでしょうか。だとしても、祖霊、自然霊、神霊のあわさった神道のありかたは人間の権力闘争とは無関係にあるように思われるのがいかにも不思議でゆかしく思います。人間でもあり自然でもあり神でもあるというのはこれから先の世にあっても重要なものの考え方であることを感じます。そのためにもいろいろと学びたいものです。
公智神社へは車が便利でしょう。神社と道路をはさんだ場所に5–6台は停められる無料の駐車場があります。