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to your eternity

完結したのかどうか知らない
(完結したように見えるが…)

Second seasonを鑑賞し終えて

書き留めておきたくなっただけ

ネタバレとかあまり気にしないで

どうぞお気楽に





生命とは何か
人間とは何か
命とは…
平和とは…
愛とは…


とても重いテーマではあるものの
特徴的なキャラクターたちに魅せられ
つい寝不足覚悟で観てしまうほど
素敵な作品である

原作を知らない私には
どこをどう端折っているのかも知らず
この不思議な物語を動く絵でのみ
語らせていただく事をお許しください

のっけからとってもスピリチュアルなので
とっつきにくい部分も確かにあるが
どんどんとその世界へ引き込まれていった

時代背景は…
かなりアナログな世界だ
人類は空を飛んでいないし
移動は馬だ
火薬はあるようだが…
リアルな人類の歴史に照らし合わせても
仕方ないのでそこはあまり気にしない

不死身の肉体を持つ主人公「フシ」の
冒険譚ではあるが不老不死の恐ろしさや
その絶望的な悲しみに触れる事になる

少年の形をしているものの
中身は何も知らない子供
関係していく人間たちへの影響を受け
少しづつ成長していくフシ

序盤は幾分サバイバル要素に満ちているが
人間を知り己を知ろうと観察するフシと
そのフシを観察する観察者
その観察者をとり巻く何か…
人間から遠ざかるにつれ
得体の知れない壁にぶつかる

ノッカーという寄生するモノとの戦いが
話の牽引を担っている

フシには特殊な能力が備わっていて
触れたものを具現化できる能力だ
そして深く関わった生物と死別すると
その姿になれるという能力
フシの目的は地球にある全てのものを
記録するというもの
それも本人の意思ではなく
観察者からの依頼のような感じ



と、まぁ概要は伝えても観ない事には
なんとも言えないのだが…

ファンタジーなのは確かだけれど
それが全てって訳じゃない
やろうと思えばバトルモノにも出来そうだが
あくまでも心のお話だからグッとくる







鑑賞を終え
私は感慨に耽る
己の人間としての完成度の低さを
改めて知る事となった

いや、不完全である事が問題なんじゃない

その不完全さを居直る感覚は問題だと思う
「だってしょうがないじゃないか!」は
幸楽のエナリの歳で卒業しなきゃならん

人間はどうにも
与えられたり
してもらった事よりも
与えたり他の者のためにした行いについて
よく覚えている性分なのだ

そこで思ったのは一つだった

種の保存は本能だけではなく
完全たる人間としての成長へと導くための
プロセスなのではないか、と。

我が子に対し無償の愛を注ぎ続け
或いは与え、或いは支え、また或いは諭す…
そうやって育っていく子を見守り
やがては死をもって全てを切り捨てる
その繰り返しの命の連続こそ
より完成された人間を育む土壌たり得る

熟成された人間の感性は
他者の痛みや苦しみを理解し
喜びや慈しみを感じ取れる
自分に対して
与えてくれたり
何かをしてもらった事を
忘れずにいられる者こそ
完成度の高い人間へと進化していくのでは?と
思いの外深く考えた

とはいえ、ここから
更に思考の根を広げようと試みる

完成された人間とは言ってみたものの
人間という現象の完成形とは如何なるものか
実のところハッキリとしないのではないか
理想的な人間性に満ちた者を完成というには
些か無理があるように思える

人を人たらしめんとするものとは
生命維持の活動及び遺伝情報の伝達以外
安全性の確保や後世へと引き継がれる
知的財産等が挙げられるが
本質的な事柄から逸れているのかも知れない

人が自らを本人であると特定するものはない
あくまでも他者の存在ありきであって
そこにあるのはただ「自分らしきもの」が
ぼんやりとあるだけなのだ
元より知恵の樹の実を貪り食った者の末裔たる
我々は違ったベクトルの感覚意識の方を
発達させてきたのだから
本能的な事や原理的な事は
幾重にも重なる時代の連続によって
失われていったのだろう

自己意識の拡張の末に獲得した
存在意義や存在事由がもたらしたのは
一体何だったのだろう
人間社会の中での日々の生活において
いつしか目の前に横たわる巨大な謎に対し
目を伏せて社会生活を営むようになると
極限の厳しい大自然の元で生きている
動植物と変わりのない現実をも
見てみないフリをして受け入れられず
沢山の命が失われて初めて思い出すのだ
「我々の安全を保証するものなどない」

そしてその上で多くの謎の先にある
何かを見たいと足掻く事こそ
人類が築いてきた箱庭だけの世界に
しがみつく事もなく
より広い世界へと意識を拡げられるのだ
そんな希望のような感覚を
人は「好奇心」と呼び
一つの可能性ではないかと信じられる




大樹となって世界中に根を伸ばし
全てを感知出来るようになったフシ…
そういった意味では
「攻殻機動隊」における"草薙素子"と
同じ運命のようだと思えた
アナログとデジタルの差はあるが…

あらゆる全ての生き物が共存するこの世界の
均衡を極めて公正なる者が保つ事は
神になるより難しいのかも知れない
そんなふうに思えてしまうほどの影響力は
この作品には十分にあるだろう

いずれにせよ毛色の違う別々の作品が
同じ結論に辿り着くというのは
何とも興味深い

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