旅再音リターンズ　47分の1回　島根県（後編）

皆様ごきげんよう。前回の続きです。今回、初めて読んだ人の為にわかりやすく書くよういつもは心がけておりますが。今日は一応、後編という事なので、【前回のあらすじ】はありません。前篇を見てない方は、出来たらそちらを見てから来てもらえると助かりますのでよろしく。
という事で、前回の続きです。4年ぶりの旅行で大阪から鳥取に旅するのですが、乗り換えの鳥取・米子市で目的地の境港に行く前に一駅先の別の電車で島根県の安来にまず一泊しようと、大阪発の米子行バスに乗り込んだところからでした。4時間あるし今回の目的でもある、鳥取の妖怪検定をこの時間を利用して、たっぷり復習しよう…という目的は、集中力が続かずあっさり断念。窓の景色もあまり見えないし、兵庫・岡山辺りを走行するんですが、そこまでの絶景でもなさそう。途中で一度上月PAで休憩がありました。元々ペーパードライバーなんで高速に自分で運転して入ったことはないですが、ツアー旅行なんかで高速で休憩するとなれば、コロッケを買うものだと自分の心の中では決まっています。幸い、鹿コロッケとホルモンコロッケと言うのだけ売れ残っていたので、これを買い、車の中でさあ食べようと持ってた貴重品の入ったカバンを空けます。　

ナント‼　乗車前に買った「なっちゃん」高速バスの荷物預けるトランクに入れちゃったよ！

水がないと食べモノ食べられないタイプですが、冷えたらまずいんで泣きながら食べました。『なっちゃん』あるといいことあるかな思ってんけどなあ。後、勇気もなくて運転手さんに「空いてる席に代わっていいですか？」も聞けずに4時間かけて米子到着。トランクから自分の預けてる『なっちゃん』の入った大きい方のカバンを取る。そういえばカバンをトランクに入れる時に何も聞かれないので、「自分で入れるんですか？」と聞いちゃったよ。待ってる時に伊丹空港バスターミナル行きの乗車見てたけど、引換チケット渡してたし、大阪やと（ここも大阪だが）引換券渡すよね。客数少ないと言え、一番後ろやし知らん顔で持っていかれたらわからんやん。
持っていかれてなかったけど、出した後で後頭部をぶつけた。何やってんだか。

米子で最初の目的地の安来行きの電車に乗るんだけど、せっかく米子に来たんだし、少しくらい何かしたい、見る限り駅の周りに良さそうなものは見当たらない。来る前調べた時は米子城跡というのがバス5分くらいであるというので、昔、城郭検定の勉強で買った本についてた、100名城スタンプラリーみたいなのがあったので、一応持ってきてた。行ってて、もう二度と行きそうもない城もあるので今更だけど、あるなら押しとくかと思ったけど、迷った末に聞いた、だんだんバスの運転手さんがこのバスじゃないよと言ったので、もういいか。仙台城に前に行ったことあるけど、城がある訳じゃなく、あくまで「跡地」なので。米子を巡ることは断念。じゃあお昼でも食べるかとなるが、デカいカバン二つ抱えてるんで、駅近しか行けないが、駅前にありそうなのは牛タン屋だけかよ。牛タンは好きやけど。いくらちょうど仙台城の事を思い浮かべたとして、鳥取までわざわざ来て、『仙台牛タン定食』と『仙台名物ずんだアイス』食べてどうすんねん！（もちろんおいしかったですが）
相変わらずの私ですね。（ちなみにだんだんバスとは、米子循環バスの事で、「だんだん」は、「ありがとう」の意味らしい。）
　
米子は仙台名物を食べるだけで断念し、目的地の一駅先の島根県の安来へ向かう。JRに乗る。安来節とか言うイメージと違って、結構開けた街だ。ここにきてようやく本題の島根県に到着する。あえて日帰りで鳥取に戻らず、安来にある足立美術館の近くにある旅館に一泊する。これはコロナ前に妖怪検定が中止されず実施されていたら、母と来て足立美術館の近くに泊まって一緒に見たかったという思いもある。コロナと母の病気で断念していたが、ようやく願いがかなう。本人じゃなく遺影ではあるのが寂しさが募るけど。ちょっと高いよとnoteでお世話になっている地元の常連の方がおっしゃっておられたので、じゃあやめようかな…と返してしまったが、高いのは確かやけど、来てよかったかな。母がいたらきっと喜んでくれただろう。
安来から足立美術館まで30分くらい、無料のシャトルバスで行ける。30分やったらウチの家から難波まで行けるで、490円するから、それ無料とか、めっちゃお得やん！自分を慰めつつ、足立美術館へ。下車、荷物重い。死にそう…。いや、それくらいで死なへんから。とにかくチェックイン16時で、着いたのは15時半くらい。荷物だけでも預けて、今日中に行っちゃうか。足立美術館の目の前に目標の旅館はあるはず。
平日の夕方、まず足立美術館の前を通ってみる。めちゃくちゃ混んでる‼バス10台くらい停まってる。平日やのにどこまでヒマやねん！（⇦お前もだよ‼）
とりあえず明日、土曜やけど朝早く行って移動しよう。今日行くのは断念して旅館に入る。チェックインのちょっと時間前、これ、早めに入れてくれるとこと、荷物だけ預かってくれるが入れてくれないとこ、入れてくれないし荷物も自分で持っとけってとことあるけどどうやろ。悩みながら目的地の旅館へ向かう。
入れてくれた！時間前やのに温泉も入っていいという。助かりました。荷物置けて嬉しい。美術館は明日になったが、温泉も入ってのんびり。散歩とか近くにあった安来節演芸館にもいかず、地元ローカルのテレビ番組を見る。これが悪い癖なんだよなあ。せっかく来てるんだからいろんなところ見ないと。
10月やから島根では『神在月』と聞いた事がある。ちょうどいい時に島根来た？と思ったが、良く調べると、10月でももう少し遅い時期で、しかも出雲地方だけって書いてあった。ここが出雲地方に当たるか知らんけど、調べた範囲やと別のとこなんやろうな。せっかく当たりくじ引いたら去年のクジやったみたいな、少し喜んで、後でがっかりする。自分の人生みたいやね。こればっか。まあ、神様いるから何やねん。無神論者だし～。それでもね。
旅館のレストランで夜ご飯。夫婦連れみたいな二人と後から来たオッサン、夕食不要の客がいたかは知らんし、朝ご飯では誰とも会わなかったので、そこまで混んでなかったんかな。ご飯はおいしかったです。夕方、朝とご飯御櫃いっぱいいれておいてあったけど、ご飯残して捨てられるのがもったいないので全部食べた、貧乏性と言うよりも作ってもらったヒトとお米に悪いと思うので、まあ、こういういらない性格してるくせにどこ行っても理由もなく嫌われるけどね。
そういえば家から歩いて出発した時にズボンのベルトゆるゆるで穴が足りない。いつもはいてるズボンやのになんでやねん。コンビニで桐とか売ってないか？ベルトに穴開けないと…とか思ってたのに、そのせいかいつの間にかベルトのゆるゆる忘れるくらいになってしまった、これは喜ぶべきことなんかな？

そして夜。温泉は前にある看板を「どうぞ」と「入ってます」を裏返せば貸し切り状態になる。人間は嫌いやけど温泉は好きなので、仕事してた頃は無理して貸切風呂のある部屋に身分不相応に泊ってたけど、これならいいね。
もちろん他人の入った後は気持ち悪いとか思うけど。どう使ってるかわからないし。貸し切りなんで夕方までに２回入って、夜に行ったら誰か入ってたんで、2回入ったし、誰かの後入るのも気持ち悪いからもういいかなあ。そう思って帰ったけど、24時間入っていい言うてたし、12時前に思い切って入ってみる。露天風呂の貸し切り。内風呂と外にある露天風呂のセット。
もともと露天の方は夕方時点でも少しぬるかったんでちょっと入るだけでいいわ。夜やしね。そう思って露天風呂に入る。空を見たら星空。満天ではない。大阪よりも地方なので空気は綺麗やろけど。星目的じゃないので新月とか気にしてなかったし、もともと予報は雨で、こちらも雨上がりやったらしいので、曇り空で満天なのかは微妙。それでも、24Ｈらしいから、0時過ぎたらもう一回母を連れてきてみよう。

10月5日　星空のキセキ

0時過ぎて最後の1回。母の遺影とスマホを持って貸切露天風呂に入ってみる。雨のはずやったのに星は一杯。満天の星という訳じゃないけど、大阪よりは星は綺麗に見えたはず。
「満天ちゃうけどごめんな」
星空に遺影をかざしながら言ってみる。
今日の天気予報が悪い一日しか泊まらないのに、神在月の星空の奇跡かも。
星空に遺影を向けてスマホで写真を撮る。
「絶対写ってないよな」
多分絶対に写っていないだろう。写真の中の母の笑顔。写ってないけど、それでもいいよ。心の中にずっと残ってるよ。きっとね。
今、この時に流れ星が流れたら、
「帰っておいで」
と、勝手な願いをしただろうけど、それは星のように届かない思い。
それでいいよ。ここに来てよかったよ。

翌朝、チェックアウトし足立美術館へ、入館者割引とかで旅館で少し引いた料金で入れた。やっぱり混んでる。しかもカバン2つ抱えて人ごみを見学する。無茶迷惑だが仕方ない。いろんな作品があって、それほど芸術に詳しい訳じゃないが、無知なりにも心が洗われる気はする。何やかやと節約するいいながらお土産を買ってしまう。貰う相手もいないのにね。道に迷って同じところをグルグル回り始めたのであきらめて退場する。安来演芸館も近くにあったが諦めて鳥取に向かう。足立美術館で貰った引換券で帰りのバスも無料だ。安来駅のお土産屋でまたお土産を買う。
渡す相手もいないのに完全に癖になってるな。まあいいか。次は真の目的地の鳥取へ、思いがけずいいこともあった島根。バイバイ。47都道府県巡りのリスタート。1歩目はおしまい。だけど、今始まったばかりだよね。