【競馬の用語ではありません!】配当性向とは何ですか?
株を購入するにあたってその企業の財務状況を分析することも投資家であればよくあるでしょう。投資を始めたばかりという方はこれから企業の財務諸表を見る機会も多くなるでしょう。
前回までのブログでは、財務分析を行う上で多くの方が投資を始めてから初めて見たであろう各種横文字の指標について書いてきました。
どれも初見では「?」となってしまいそうなものばかりですが、意味を理解すれば銘柄を分析する強い武器となります。もちろん、使う使わないは自由ですが、多くの投資家が分析に使用している以上は使わない手はないですね。
ですが・・・
企業の財務分析で役立つ単語は、横文字だけではありません!
配当性向とは?
皆さんは「配当性向」(はいとうせいこう)という言葉を見たことはありますか?投資家の方にはお馴染みの単語ですね。
ですが、やはりこれから投資を始めるもしくは始めたばかりの方には「?」という単語ではないでしょうか。
配当性向は、企業が当期純利益のうちどれだけの部分を配当金の部分に充てたかを示す指標です。別名、「配当支配率」とも言います。
配当性向は配当金に支払った額を当期純利益で割り、100をかけることで計算できます。また、一株当たりの配当金を一株当たりの純利益で割り100をかけても算出可能です。
今回も算数っぽく式にしてみます。
配当性向(%)=配当金支払い総額÷当期純利益×100
配当性向(%)=1株当たり配当金÷1株当たり純利益×100
余剰金を取り崩し、当期純利益よりも多い配当を実施した場合には、100%を上回る配当性向となります。最近では、配当性向の目標値をIR情報として示している企業もありますよ。
配当性向の目安は?
では、配当性向にもこれまでの指標のように目安はあるのでしょうか?
配当性向にも目安はあります。
投資先の支払い余力が高いほど望ましいため、配当性向の目安は50%以下が好ましいです。配当性向50%以下であれば、来期以降も継続して配当金を支払える可能性が高いと言えます。
では、数字が高い場合にはどうでしょう?
1株あたり純利益以上の配当金を出している配当性向100%以上の企業は、かなり無理をして配当金を支払っていると考えられます。来期以降も継続して配当金を支払えない可能性があるため注意が必要です。
また、配当性向は業種ごとに異なります。たとえばITベンチャーなどの新興企業は、利益を将来への投資に回すため、配当金を出さない企業も存在します。そのため、配当性向が低いからといって、その企業は悪いとは言い切れないのです。
一方、電気・通信などの企業は利益を配当金に回すため、配当性向が高くなる傾向があります。
配当性向を見る際は業種ごとの傾向も踏まえて判断しましょう。
配当性向の使い方!
では配当性向の使い方をお伝えしますね!
配当性向は常に一定ではありません。当たり前ですが、企業の業績や市場の影響によって配当金額が変わります。
そのため、決算書から過去の配当性向と来期の予想値を確認しておく必要があります。
配当金の継続性の観点から配当性向は50%以下であることがベストです。先ほどもお伝えしましたが、配当金が1株あたり純利益より大きくなるような配当性向100%以上の企業は、来期以降も継続して配当金を支払える可能性が低いため、投資先の企業を分析する際は確認しておきましょう。
配当利回りもいるの?
指標の中には、配当性向と名前が似ている「配当利回り」というものも存在します。しかも、配当性向と合わせて使うと分析の質を上げることが可能です。
配当利回りとは、現在の株価で株を買った場合に配当金で年間何%の現金収入が得られるかを表した指標です。この指標の数値が高い方が株価は割安と言えます。
1株あたりの配当額を株価で割って100をかけると算出できます。
配当利回り=1株あたりの配当額÷株価×100
こちらもセットで覚えておくと便利になりますね!
ということで、今回は配当性向について書いてきました!ぜひこちらのも活用してみてくださいね!