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NISAって何ですか?

 2024年から「新NISA」がスタートします!

 既に受付を開始している証券会社もあり、いよいよといった感じです。

 「新?ということは旧もあるの?

 そう思われた方、正解です!正確には旧ではありませんが来年になったら旧ということになってしまいますね。

 ということで!今回は、新NISAが始まる前にNISAをご説明します!
 完璧に全部覚えておく必要はありません!なんとなーくこんな制度だなーって感じで覚えてください!

NISAって何ですか?

 NISA(ニーサと読みます)は、少額投資非課税制度(しょうがくとうしひかぜいせいど)のことをいいます。う〜ん、いきなり漢字のオンパレード…

 要するに、投資で得た利益や配当金には、税金がかかるのですが、その税金がかからない制度です!

 2014年にスタートした制度で、NISA=Nippon Individual Saving Accountの略です。英語になっているように、もともとは英国の制度を参考に作られました。意外と知られていませんが、ニーサのNは「日本」のNなんですね!

 英国では個人貯蓄口座(Individual Saving Account)という、個人の少額投資を優遇する非課税制度が1999年から始まっていました。

 実際に私が証券会社にいたのは、この制度の開始前でしたが、証券会社各社で制度開始に向けた準備が始まっていました。まだ当時はNISAのような愛称はなかったため、「日本版ISA(アイエスエー)」と言っていたのを覚えています。(結果的にほぼこの形の呼び方になりましたが…)

NISAの種類

 NISAは制度が始まった当初はバリエーションもありませんでしたが、数年かけて複数の種類が登場しました。

一般NISA

 一般的に「NISA」と言われた場合はこれのことを指しています。聞いたことある方もいらっしゃるのではないでしょうか?

 一番の特徴は、なんといっても株式や投資信託の配当金や売買時の利益が非課税となることです。

 通常の一般口座では、株式の売買益や投資信託の配当金には20.315%の税金がかかります。つまり手元にくるお金は8割以下に減ってしまうのですが、それがかからないのです!大きいですよね!

 ②つみたてNISA

 これが登場してからは、一般NISAよりもむしろ耳にするようになったかもしれません!この制度のスタートが投資信託の存在感を一気に高めたといっても過言ではないでしょう。

 その名の通り、定期預金の感覚で定期的に一定金額で投資信託を買っていく(積み立てる)というものです。

 特徴は、この制度で購入できる投資信託は大きな損をしないような低リスクで、そこまで複雑ではない商品のラインナップに限定されている点です。最近では初心者の投資の入り口のようなポジションになってきました。

 「投資信託ってよくわからない!」という人がラインナップの中からどれを選んでも、将来に向けてお金がお金を生むシステムをそれなりに作り出せる形になっています。

 どちらかと言えば「コツコツと長い期間に小さな利益を積み上げていくことで将来へ向けて備える」という性格が強いです。

 もちろん、一般NISA同様にこちらも配当金や売却時の利益は非課税になります。

 ちなみに、①一般NISAと②つみたてNISAは20歳以上に限定されています。(2023年1月より18歳以上に変更)

③ジュニアNISA

 その名の通り、子ども向けに作られたNISAです。一般NISAとつみたてNISAの対象外となってしまう年齢層をカバーしています。

 内容は一般NISAと原則同じです。

NISAが抱えていた問題点

 ここまではNISAの概要についてをつらつらつら〜っと書いてきました。

 ここからはそんなNISAの問題点について触れていきます。(ここからジュニアNISAは置いておいて、一般NISAとつみたてNISAをメインにお伝えしていきますね。)

①非課税の期間や金額上限が決まっている

 まず一つ目は非課税となる保有期間や非課税となる上限金額が決まってしまっているという点です。

一般NISAは5年間つみたてNISAでは20年間とされています。

 また、年単位で非課税上限額が設定されており、一般NISAは120万円つみたてNISAは40万円となっています。(つまり毎年この金額の購入分までしか非課税にならない!)

 ちなみに「一般」および「つみたて」のどちらのNISAも保有期間を経過してしまうと自動的に通常の課税へ移されて課税がされます。(ロールオーバーといいます)

 この数字を見てどう思われましたか?少なく感じる方もいれば多くて十分だと思われる方もいらっしゃるかもしれません。

 人によっては、これがデメリットになる可能性があります。
 とくにつみたてNISAは、将来へ向けてつみたてをしていく性格が強い制度ですが、20年という期間が設けられています。人によっては期間が短すぎるということです。

 また、一般NISAは5年間という期間のため、なるべく利益が出ているものは期間終了までに売却しておきたいところです!(通常口座に移されてしまうと、利益に課税されるので)

 ですが、以前のブログにも書いたように投資は売却が最も難しいところです。それを期間中にしなければいけないため、制度の効果をなるべく活用するためには経験も必要といえます。

 そもそも利益が出ていなければ、非課税の旨味も味わえないのですが…

 また、非課税枠が余っている場合でも、来年へ繰り越すことはできません。使いきれなかった部分は消滅してしまいます。誰でもそこまで資金に余裕があるわけではないですが、使いきれないのはちょっともったいない気もしますね…

②損益通算ができない

 先ほど通常口座に移されると利益に課税されるということや利益が出ていなければ非課税の旨味も味わえないことを書きました。

 そもそも、NISAに限らず投資は儲かった部分しか課税がされません。

 例えば、100万円を元本に投資をして120万円に増えた場合には、利益の20万円の部分が課税されます。

 一方で、元本は同じく100万円でも50万円ずつ別々の銘柄へ投資して、一つは20万円の利益、もう一つは20万円の損になった場合には利益と損が同額となります。
 投資している資産の中に利益が出ているものと損が出ているものがある場合、通常であれば利益と損を足し合わせて、利益が出ていれば課税されます。

 ですので、利益と損が同額で出ている場合にはプラスマイナス0となり、課税はされません。これを損益通算といいます。

 NISA口座は通常口座とは課税のシステムが異なるため、もしどちらかで利益と損が出ていて損益通算したくても、口座の枠を超えての損益通算ができないのです。

 通常口座で行われている投資と一緒にはできないのですね。(もちろん非課税期間終了後に移されたものは可能)

③どちらかしかできない

 一般NISAとつみたてNISAの二つの制度がありますが、この二つは掛け持ち不可能です。

 どちらか一方を選択することになります。これは人によって迷うところですね。

 両方選べれば良かったのですが…さすがにそこまで甘くありませんね。



 以上がざっくりとしたNISAについてでした!

 非課税制度があることはありがたいことですが、やはり多少は改善を希望したいところがありますね。

 これが、来年からはどのように変わるのか?次回は新NISAについて変更点などを書いていきます!

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