株と企業買収
皆さんは、「企業買収」と聞くとどんなイメージがありますか?
実は企業の買収と株は深い関係があるんです!
ということで、今回は「企業買収と株」について触れていきます!
株を持つと得られる権利
株を保有すると、優待券でサービスを受けられたり配当を受け取ることができますよね?
私たちに身近なところではそれらが「株を持つとできること」として認識されています。
しかし、株は全体の何%保有しているかでさらに得られる権利があるのです!
1%・・・株主総会で議案を提出することが可能となる
3%以上+半年以上・・・株主総会を招集し、取締役の解任請求が可能
34%以上・・・株主総会で提案される議題に拒否権を行使できる
51%以上・・・会社の経営権を得ることができる
67%以上・・・ほかの人に拒否権がなくなり、会社を自由にコントロールできるようになる
このように、保有する株の量によって、その会社の経営により深くかかわることができるようになり、最終的にはその会社をコントロールできるようにまでなります。
そのため、企業が他の企業を買収する場合には、株式を取得する方法がとられるのです!
TOB
みなさんはTOBという言葉を聞いたことはありますか?
日本語にすると株式公開買付のことです。
企業が他の企業の経営権を取得するときに、不特定多数の株主からその企業の株を入手する必要があるわけですが、大量の株を手に入れようとすれば公平性を欠いてしまう恐れがでてきますよね?
そこで情報を公にして公平性を保ちながら株主から株式を取引所外で買い付けするのです。
情報には、期間や目標の株数、価格があり、より確実に株式を取得するために市場よりも2〜3割ほど価格が高く設定されます。
企業買収と聞くと一般の投資家には関係ないと思われがちです。
しかし、公開買付になって、もしも保有している企業の株が買付の対象になっていた場合には、売却などの選択を強いられます。
買収も楽じゃない…
また、先ほども書いたようにTOBの買付価格は市場価格より高めに設定されています。
そのため、株を持っていない投資家がTOBの恩恵にあやかろうと市場で株を購入し、需要が一気に高まるので株価が上昇しがちなのです。
すると、当初の買い付け価格よりも市場価格が高くなってしまい、そのままでは株主から株を売ってもらえなくなるような事態も起こります。
市場で普通に売却した方が得になりますからね…
それは困るため、TOBを行う企業は公開買付価格を引き上げる必要が出てくるのです!
当初よりも買付価格が高くなってしまい、予定よりも多くの出費を強いられることも少なくありません。
ドラマなどでは、悪役の企業が主人公たちの会社を買収するといった展開になることがありますが、実はドラマのように楽なことではないのです。