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Celsius Holdings、2024年第3四半期決算を発表:売上減少も成長戦略を強化
エネルギードリンクメーカーのCelsius Holdings(NASDAQ: CELH)は、2024年第3四半期の決算を発表しました。同社は、小売販売において前年同期比7.1%の成長を示したものの、総売上高は前年の3億8,500万ドルから2億6,570万ドルへと減少しました。この主な要因は、最大の流通業者による在庫最適化によるもので、約1億2,400万ドルの売上減少に影響しました。
主要財務ハイライト
総売上高:前年同期比31%減の2億6,570万ドル
北米売上高:同33%減の2億4,700万ドル
国際売上高:同37%増の1,860万ドル
売上総利益:同37%減の1億2,200万ドル、売上総利益率は46%(前年は50.4%)
純利益:同92%減の640万ドル(前年は8,390万ドル)
調整後EBITDA:同96%減の440万ドル(前年は1億360万ドル)
現金残高:9億ドル以上を維持
業績への影響要因
Celsius Holdingsの売上減少の主な原因は、最大の流通業者による在庫最適化です。この在庫調整により、同社の売上は約1億2,400万ドル減少しました。また、販売促進費用や、流通業者との新たなインセンティブプログラムの完全実施により、利益率にも圧力がかかりました。一方で、出荷運賃の削減や原材料調達コストの削減が、これらの影響を一部相殺しました。
CEOのコメントと成長戦略
CEOのジョン・フィールドリー氏は、同社が引き続きエネルギー飲料カテゴリーの主要な成長ドライバーであることを強調しました。フィールドリー氏は、今後の成長を支える3つの主要な戦略として以下を挙げました。
新規消費者の獲得:新しいフレーバーや健康志向の製品を通じて、エネルギー飲料カテゴリーに新たな消費者を引き込む。
製品の入手可能性の拡大:小売店での棚スペース拡大や、食品サービスチャネルへの進出を通じて、製品の入手しやすさを向上させる。
消費頻度の増加:新しい消費シーンの創出やマーケティング活動を通じて、消費者の利用頻度を高める。
同社はまた、製品ラインナップを強化するために新しいフレーバーを導入し、アマゾンやコストコなどの主要チャネルでの販売を拡大しています。特に、アマゾンでの売上は前年同期比21%増の2,700万ドルに達しました。
重要な取り組みと組織強化
ビッグ・ビバレッジの買収:同社は長年の協力関係にある共同包装業者ビッグ・ビバレッジを買収し、サプライチェーンの制御と新製品開発能力を強化しました。
アイルランドにおけるセンター・オブ・エクセレンスの設立:グローバルな調達、サプライチェーン、マーケティングを推進するための新拠点を設立。
AI技術の導入:フィールドセールスチームがAIを活用した販売ツールや効率的なルート最適化モバイル技術を採用。
取締役会の強化:スターバックスやジョンソン・エンド・ジョンソン、ペプシコでのリーダーシップ経験を持つハンス・メロット氏とイスラエル・コントロフスキー氏が取締役会に新たに参加。
将来の展望と市場への対応
CFOのジャロッド・ランガンズ氏は、第4四半期について、在庫調整の影響が引き続き残る可能性を示唆しました。しかし、同社は最大の流通業者との関係強化や、販売データの詳細な分析を通じて、売上と在庫のバランスを最適化する取り組みを進めています。
市場シェアについては、一部のチャネルでのシェア低下が見られるものの、新製品の投入やマーケティング活動を通じて、シェアの回復と拡大を目指しています。また、国際展開にも注力しており、10月にはオーストラリアとニュージーランドでの発売を開始しました。
価格戦略に関しては、競合他社の動向を注視しつつ、慎重なアプローチを取るとしています。
アナリストとの質疑応答の要点
在庫調整の進捗:在庫レベルの最適化が第4四半期末までに完了する見込みであり、売上への影響は最大で1,500万ドル程度と予想。
市場シェアの動向:消費者の購買パターンや競合他社の新製品投入によりシェアに影響が出ているが、新たなマーケティング施策で回復を図る。
国際展開の戦略:既存の大きな米国市場での成長機会を活かしつつ、国際市場への進出も加速させる。
価格設定:競合他社の価格戦略を考慮しながら、自社の価格戦略を調整する予定。
結論
Celsius Holdingsは、2024年第3四半期において売上の減少を経験しましたが、それは主に最大の流通業者による在庫最適化による一時的な影響としています。同社は、新製品の投入、国際展開、組織の強化など、長期的な成長戦略に投資を続けています。市場環境の変化や競争激化の中で、同社は引き続きブランド力の強化と消費者基盤の拡大に注力し、エネルギードリンク市場でのリーダーシップを目指しています。