#18 なぜ黙祷をするのかについて
ラテン語で''memento mori(メメントモリ)"という言葉がある。
意味は「死を想え」。
転じて、死を意識することで、今を大切に生きることができるという意味で使われることが多い。
私自身も日常でたまにmemento moriを意識することがある。
世界のどこかで災害が起きた時。
痛ましい事件や事故が起きた時。
確率は低くても、明日我が身に降りかかってくる可能性は常にゼロでは無い。
医療や自動車の安全性は日々進歩しているが、
''死''は日常の様々なところに潜んでいるのだと思う。
さて、人はなぜ黙祷をするのだろうか?
人それぞれの想いがあって良いと思う。
身近な人、お世話になった人を失ってしまった場合は、その人のことを思い、哀しみ、感謝する時間なのかなと思う。
そうで無い場合、私は黙祷はまさにmemento moriなのではないかと考えている。
災害や事件、事故で犠牲になってしまった人への哀悼を通して、我が身にも降りかかってくるかもしれない恐怖と、生き存えることが出来ていることへの感謝。
そして、生かされている身として、いつ自分の身に何が起きても後悔しないようにするためには、いま何ができるのだろうかと考える。
自分との対話なのかなと考えている。
そういう考えのもと、黙祷の時間はやはり大切にすべきだなと、感じている。