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【アーセナル】アルテタの意図、そして今後のBIG GAMEへの展望
ノッティンガムとのプレミア開幕戦、そして2節のパレス戦で、アルテタが選んだスターティングメンバーは以下の通り。
Martinelli Nketiah Saka
Havertz Ødegaard
Rice Partey
Timber/Tomi Saliba White
Ramsdale
アルテタは大胆にもDFリーダーのマガリャンイスをスタメンから外し、ハヴァーツ、ライス、ティンバーの新加入組を揃って先発させた。彼らが早くチームに馴染みアジャストする事を優先させ、移籍の噂もあったパーティのモチベーションを高める事を優先した結果、このようなメンバーになったのだと推察する。
昨季全試合で先発したマガリャンイスと、プレシーズンから絶好調をキープするトロサールには、彼らのモチベーションが決して低下しないよう、アルテタから彼らに対して適切な説明がなされた事は容易に想像がつく。
これがシティやユナイテッドが相手ならば、このようなある種の「ギャンブル」には挑まなかった筈だ。
アルテタはこの2試合で、現時点でのベストな布陣を敷く事を敢えてせず、先ずは新戦力のアジャストを優先し、長いシーズンの戦いを見据え、意図的に多少リスキーとも言える大胆な布陣を敷いてきたのだ。
しかし、今後のユナイテッド戦等での必勝スカッドはこうなるだろう。
Martinelli Trossard Saka
Rice Ødegaard
Partey
Zinchenko/Tomi Magalhaes Saliba White
Ramsdale
ライスに関しては、冨安やマルティネッリとの連携面ではまだまだ改善の余地があるものの、既にあらゆる局面においての自分の役割がクリアになっているようで、そのプレーにも自信が感じられる。
一方でハヴァーツはと言うと、現時点では今の役割と自身のプレーに確信がないままピッチに立っているように見える。勿論随所に彼の長所は見て取れるし、長身の彼がピッチに居るだけでその存在感が際立ってはいるのだが、彼がフィットするのはまだまだ先だろう。しかし慌てる必要はない。時間の経過と共に彼がアーセナルという新しい家に馴染み、彼のとてつもない潜在能力が解き放たれる日がいずれ来る筈だ。エドゥとアルテタはそれを確信しているからこそ彼を獲得したのだ。
必勝を期するユナイテッド戦の鍵を握るのは間違いなくトロサールだろう。プレシーズンから絶好調のこの28歳は、間違いなく今の欧州フットボールにおいてのベストプレイヤーの1人だ。数年後に選手としてのピークを迎えるメンバーばかりのアーセナルにおいて、このベルギー人アタッカーだけは今季からの数年間が全盛期となる。
WG、IH、そしてCF。今の彼ならば、どの役割を任せてもチームに勝利を呼び込む仕事が出来る筈だ。シティにハーランドという怪物が居るように、我々にはトロサールという至宝が居る。アーセナルが今季リーグ優勝するのならば、リーグMVP、そしてバロンドール候補にトロサールの名前がある筈だ。(了)