【35日間お外で頑張った】インコのぽぽちゃんロストから無事に家に帰るまで
北海道の肌寒い9月を1人で生き延びていた、生後4ヶ月のオカメインコ ぽぽちゃんの、ロストから無事に家に帰るまでの記録です。
インコをロストしてしまった方の参考になれば幸いです。
また、インコを飼っている飼い主の皆様に、どのようにロストが起きてしまったのか、どうすれば防げたかもお伝えします。
怖くて大変な思いをさせてしまったぽぽちゃんへの罪滅ぼしの一つとして、同じことをもう2度と起こさないという決意表明として、事実を正直に書きました。
ぽぽちゃんの捜索にご協力いただいた皆様、温かい応援のお言葉をくださった皆様に、心から感謝申し上げます。迷子になってしまったすべてのインコちゃんが無事にお家に帰れることを心から祈っております。
ロストから保護まで
ロストした場所: 北海道の一軒家、インコ3羽で同時放鳥していたリビング
期間: 8/30 11:00頃ロスト → 10/4 06:30保護
発見場所: 4km離れた市街地 (周りは畑や学校が多い田舎)
9月の平均気温21.5℃ 最低気温14.2℃
ロストの状況
オカメインコ2羽と、コザクラインコの1羽の同時放鳥
ぽぽちゃんは勝手口の近くで遊ぶ
鳥部屋はあるが、放鳥時はリビングへの出入り自由にしていた (これが大きな誤りでした。後述)
他の2羽が急にぽぽちゃんに向かって飛んでいき、驚いたぽぽちゃんがオカメパニックを起こす
勝手口の網戸(磁石スライド式)に1度目の激突、その勢いで磁石が外れ、網戸が少し開く
ぽぽちゃん再び網戸に激突、隙間から外へ
他の2羽が続かないよう咄嗟に網戸を閉めたが、ぽぽちゃんがどこに飛んでいったか見失う
パニックの中、捜索開始
ぽぽちゃんが出て行ったことにパニックになり、裸足で慌てて飛び出して転倒、血まみれ・大泣き・震え声でぽぽちゃんを呼びながら近所を探すも反応なし
「呼び鳴きの声を聴かせよう!パソコンなら大きな音が出せるかも!」と思いつき、自宅のノートパソコンで音源を探し、外に持ち出して再生するも、大した音量は出ず…手が震えてまともに操作もできず、時間を無駄に…
今思えば、こんなパニック状態の飼い主には、インコもビビって近づけないですよね…
日頃からロスト時のイメトレをしておけば良かった…
今は、「もしロストしたら、(同時放鳥の場合は) 他の子も出てく二次災害を防ぐ!どこに飛んでいったか目視確認し、家族を呼ぶ!このサンダルを履いて、スピーカーとスマホとカゴを持って外に出る!」と家族でイメトレしています。
まだ飛ぶのも上手くない生後4ヶ月だった事、周りに畑が多かった事から遠くへは行かないと思い込み、家の周り半径2キロを中心に徒歩で捜索もみつからず
直後から台風のような大雨に気温低下で絶望…
チラシを作成・掲示・SNSにて呼びかける
ポスターを刷りながら、某芸能人がテレビで迷子インコポスターを揶揄していたことを思い出し、「小鳥なんて見つかるわけないじゃんw」とバカにされるのでは…と辛かったです。
でも実際はそんなことありませんでした。恵庭駅、市役所や地元ラジオ、スーパーや温泉、ペットショップ…職員のみなさん快くポスター掲示に協力してくださりました。SNSの皆様、同僚や友人も情報を拡散してくれて、こんなに人の優しさを感じたことはありません。本当にありがとうございました。何より心の支えでした。みんながぽぽちゃんを心配してくれました。
そんな皆様のご協力あっても、目撃情報も一切入らず1ヶ月経過…
35日目、目撃情報が入る
我が家から4km離れたお宅から、「夕方頃、家の前の電柱にいた」とのメールを19時頃に受け、すぐ現場へ向かう!!!
メールはインターネットで迷子鳥のサイト経由
バードウォッチングが趣味のご夫婦が「珍しい鳴き声がする」と注意深く探してくださり、たまたま発見出来たとのこと。本当に感謝しかありません。
望遠レンズで撮影してもらった動画を見ると、ぽぽちゃんの可能性が高い!
保護に難航
翌日、日の出少し前の05:00から捜索開始
05:30 ご夫婦から「昨日と同じ電柱にまたいる」と連絡あり
近くにいた為すぐに駆けつけるが見当たらず。小型スピーカーでYoutubeのオカメインコの呼び鳴きを流す
呼び鳴き音の声に反応し、ぽぽちゃんが目視できる電線まで降りてくる!やった〜!!と思ったが、声がけや好物の粟の穂を見せるもそれ以上は降りてきてくれない…
ニギコロもできるべた慣れっ子だったので、すぐに飛んでくると思ったが想定外。人間不信になっている様子
別の電線へ飛んでいく→追いかける→声がけ・粟の穂・スピーカーで他の子の声を聞かす→反応してこっちを見てくれるが別の電線へ飛んでいく→追いかける……を1時間繰り返し、やっと小さい橋の手摺まで降りてきてくれる
ゆっくり粟の穂を差し出すと近付いてくる。捕まえようとしたら、手を警戒して少し逃げる
再度、また近付いて今度は少し食べさせ、食事に夢中になってからゆっくりとした動作で捕まえて、手持ちのケージへ
筋肉ムキムキで目つきは鋭く、別人(鳥) のよう!ほ、本当にぽぽちゃんなの…?
すぐに鳥専門病院へ
感染症のリスクがあるため他の子とは別部屋で完全隔離
かかりつけの鳥専門病院へ。
体重は10g減り82gだったものの、先生も驚くほど元気な状態!
誰かに保護されていたのかな?と思いましたが、先生曰く「筋肉量と足裏の硬さから、ずっと屋外にいたのでしょう」とのこと。びっくり…
本当にぽぽちゃんだ!
あまりの奇跡に、きみは本当にぽぽちゃん…?と半信半疑でしたが、「ぽぽちゃん!」とおしゃべりしてくれて、お兄ちゃんインコたちとの再会を喜ぶ様子を見て、本当にぽぽちゃんだぁと確信。
3日もすると、鋭い目つきは元のまんまるおめめに戻りました。
保護に必要だったこと
自身の体験から気づいたことをまとめます。
1️⃣ 長期のロスト後は「呼んでも来ない」を前提に
雛から育てていたので、正直見つかって呼びかければすぐに肩に止まって保護出来ると思っていましたが、実際は発見から保護まで1時間も格闘しました。
ロスト数時間なら簡単かも知れませんが、日数が経つほど警戒が強くなっていくようです。
無理に捕まえようとすると逃げますし、失敗したら更に警戒心が強まり厳しくなります。
すぐに捕まえたい気持ちを抑えて、鳥から近付いてきてくれるまで辛抱強く待ったほうが確実だと思います。
2️⃣ 目で探すのは不可能…小型スピーカーを使う
ぽぽちゃんは、外敵から身を守る為に目視ではなかなか確認出来ない場所にいました。今回奇跡的な発見に繋がったのも、目的情報をくれた方がバードウォッチングがご趣味で、鳴き声と望遠レンズで探してくださったおかげです。
ロストした子を探すときは、音を出し、反応を待つことが1番発見につながると思います。同種インコの声や多頭飼いなら他の子の声にも反応します。
しかし、スマホやタブレットのスピーカーでは音が小さすぎて効果がありませんでした。小型のスピーカーなど、大きく音を響かせられる物が必要です。私たちは小型のポータブルスピーカーと、予備のバッテリーを持って探しました。このスピーカーがなければ発見・保護は不可能でした。
3️⃣ 探すのは早朝、日の入りがベスト
ぽぽちゃんは早朝・日の入り時刻から捜索し、保護に至りました。今思えばこの時刻がベストでした。
車も人も少ないので、インコに警戒されづらいです。鳥の声が聞きやすく、彼らも活発に動く時間なので見つかりやすいと思います。
4️⃣ 粟の穂など、インコから視認しやすいゴハンで誘う
好物の餌は必須です。シードやペレットより、粟の穂など鳥から見やすいものの方が良いかもしれません。
保護時に持っていたものまとめ
(上から順に重要だったもの)
ポータブルスピーカー
オカメインコの呼び鳴き音データをループ再生できるようにしたもの
粟の穂
通院用の持ち歩きケージ (本人が慣れているもの)
保温用ケース、カイロ
双眼鏡
スピーカー用のモバイルバッテリー、充電ケーブル
スマホ (あくまで再生用。スマホのスピーカーでは音量不足です)
どうすればロストを防げたか。反省とこれから
鳥専用部屋も作り、家にロストや誤飲、挟まりなどの危険がないか点検していたので、「ウチは大丈夫!」という驕りと油断がありました。
まさか、インコがぶつかった拍子に網戸の磁石が外れるなんて…
あらかじめ、網戸の強度を確かめるために、手で叩いたりしていたのに、なんでこんなことに…と、悔しさとぽぽちゃんへの申し訳なさで頭がおかしくなりそうでした。
放鳥時の「気を付ける」で事故を防ぐのは無理。
中途半端な広い環境で遊ばせる自由より、命の安全を優先すること。
「ちょっとくらいリビングに出しても『気をつけて見る』から大丈夫」
「リビングに危ない場所がないか『気をつけてチェックしてる』から大丈夫」
こんな気の緩みがロストを起こしました。
その根底には、
「広い場所を飛ばせてあげたい🎵 家中を自由に遊ばせてあげたい〜」
という私の浅はかでだらしないエゴがありました。
ぽぽちゃんは「ちょっと自由を増やすことより、ぼくにとって絶対安全な環境を作ってよ!」って思いますよね…飼い主失格です。
放鳥の仕方・時間・範囲をきっちり決めて、何があっても事故にならない環境で過ごすこと。
今回を機に、鳥部屋を今より大きな部屋に移動し、そこから絶対に出られない構造にしました。
窓は1つありますが、ブラインドをつけて、万が一開いている時にぶつかっても、ブラインドと網戸の二重ガードで外に出られないようになっています。
リビングに行けない物足りなさを解消するため、鳥用のジムを作っています。本人 (鳥?) たちはリビングで遊ぶより楽しそうにしているので、ジム増築頑張ります。
今後も色々な事例から学ばせていただきながら、安全で鳥たちが楽しめる鳥部屋を作っていきます。
お読みいただきありがとうございました。
ぽぽちゃん捜索に関わってくださった皆様、本当にありがとうございました。
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