市場価値を高められるエンジニア研修を提供したい。FiNC CTOの研修にかける想い
FiNC Technologies(以下、FiNC)にてCTOを務めている篠塚です。
本記事ではFiNCがどういった背景と意図でエンジニア研修を行っているのかについて書きます。
採用と教育はセット
ここ数年はソフトウェアエンジニアの需給バランスが崩れ採用競争が過熱化しています。
そのような状況の中でFiNCでは「採用と教育はセット」という考えのもと、採用後の研修に力を入れることで獲得可能なパイを広げようとしています。
もちろん新卒採用を継続的に行っている企業では研修に力を入れることはなんら特別なことではないでしょうが、我々のようなベンチャー企業ですと研修プログラムの作成に割く時間がないことや、講師不足などの理由で研修を行うことが困難なところも少なくありません。
研修を作成してきた歴史
FiNCがなぜ研修を前提にした採用活動を行なえているのか?
それは私がFiNCに入社した2014年に始めた採用施策に端を発します。
未経験者を対象にしたエンジニアインターンシップがきっかけ
当時のFiNCは、中途市場での採用に苦戦していました。FiNC自体の知名度もさることながら、ベンチャー企業自体が今ほどブームではありませんでした。
また、学生向けのエンジニアインターンシップはいくつかあるものの、プログラミング未経験を対象にしたものは多くありませんでした。
そこで、エンジニア未経験の学生に研修をし、修了後に現場の開発に参加してもらうインターンシッププログラムを始めました。学生からすると、プログラミングを教えてもらえる上に実務の経験も積めてお金ももらえる、とメリットが多かったからか多くの応募をいただきました。そして集まった学生が非常に優秀だったおかげで取り組みはうまくいき、その後のFiNCの開発を支えてもらいました。
ちなみに、インターンシップの参加者は終了後に起業をし、経営者として活躍している人も多くいます。これもFiNCのインターンシップの特徴と言えるかもしれません。
研修の改良と講師ノウハウの蓄積
研修を終えた人がプログラムを改善し、次のインターン生に講師として研修を提供する、ということを繰り返し行ってきたことによって、プログラムの改良はもとより講師としてのノウハウが蓄積されてきました。
元々は学生のインターンシッププログラムのために用意した研修制度でしたが、研修プログラムと教育体制を元に、エンジニア未経験の第二新卒採用、中途採用にも範囲を広げて利用するようになり、結果として研修を前提とした採用活動に繋がっています。
FiNC以外でも活躍できる人材が目標
次にどのような考えで研修を行い、エンジニアの成長と向き合っているかについてお話します。
入社時に経験が豊富でないエンジニアの受け入れを行っていると聞くと、採用コストを抑えて、安価な人材を囲い込むための施策といった印象を持たれる方もいるかもしれません。
実際には、FiNC以外でも通用する知識と技術とマインドとが身について、数年後に転職市場でも価値がある人材になることを念頭に育成を行っているので、そんなことはありません(そうじゃないと採用もエンゲージメント向上も困難です)。具体的には、入社後にメンターをつけて本人の成長ロードマップを一緒に作成し、実際の業務などを通して達成していくこと、ならびにFiNCで採用する技術もスタンダードに沿ったものにすること、などが挙げられます。もちろん転職されたら悲しいので残って欲しいのが本音ではありますが……
FiNCに残って引き続き活躍してもらえるためにも、魅力的な環境を作ること、成長できる仕事を作ること、成長を促して給与を上げること、その原資を作るために事業を成功に導くことも私のようなマネジメントの仕事と考えています。
「未経験からフリーランスで1000万円」ではないですが、エンジニアとしてFiNCに入社したら成長できて給与が上がる、ということを今までも実現してきましたし、今後もそういった環境を提供できる会社でありたいと思っています。
今後取り組んでいきたい研修の改善
まだまだできていないことは多くありますが、「現場配属後の研修の作成」と「開発コミュニティへの貢献」が今後も主に取り組んでいきたいことです。
現場配属後の研修の作成
現状では現場配属後の学習はOJTが中心です。座学よりも実践的であるため学習の効率は良いのですが、体系的にはなっておらず、メンターの負担増や網羅的に学習することの妨げにつながっています。
このような課題に対して、初級者から中級者になるための必要な技術の整理と研修資料の作成を今後行っていきたいと思っています。
開発コミュニティへの貢献
冒頭にも書いた通り、現在の採用難の根本の原因にはソフトウェアエンジニアの不足があります。そして、今後も需給ギャップは大きくなる見通しが経済産業省からも発表されています。この大元の問題の解決につながることに微力ながら貢献することも今後行っていきたいことの1つです。
エンジニア研修を公開されている企業も最近では増えてきました。とても素晴らしい取り組みだと思っています。このような企業を見習い、研修内容の公開や既存の研修のスケール化によって受け入れ可能人数を増やすことなどを行なっていきたいと考えています。
We're hiring
絶賛採用強化中ですので、FiNCでの開発や研修の改善に興味を持ってくださった方はぜひご連絡ください。
エンジニアポジション以外の募集もあります。