世界一速い令和6年度 健康経営度調査票素案の変更点&対策
早いもので、毎年恒例のこの時期がやってまいりました。
今年の健康経営顕彰制度の方向性について、2024年7月23日(火)に
健康投資ワーキンググループが開催され、今年もYouTubeにてライブ配信されました。
健康経営コンサルティング自己宣言を行っているFiNC Technologiesが、
今年度の調査票(大規模法人部門)における改訂ポイントや、スケジュール等の解説と対策についてまとめます。
この記事を通して、
令和6年度 健康経営優良法人の認定に向けた健康経営度調査票の改訂ポイントへのご理解と対策に役立てていただけますと幸いです。
スケジュール
今年も大きな変更はなく、
大規模法人は、2024年10月11日(金)17時
が締め切りとなります。
今年から申請をされる企業は、IDを取得する必要があります。こちらのページへ2025年の申請サイトが公開されるので、こちらより事前に申請のうえIDを取得してください。
認定申請料
こちらも今年も変わらない金額のようです。
80,000円(税込88,000円)/件
グループ会社との合算で申請する場合、申請主体となる法人80,000円(税込88,000円)に加え、同時認定の対象となる合算1法人あたり15,000円(税込16,500円)を加算。
健康経営度調査への回答のみを行う場合、
認定審査は行われないため、認定申請料不要。フィードバックシートはいただけるので、まずは立ち位置を確認したい等の企業様は、費用をかけずに一旦提出をしたうえで、それをもって経営層との会話や対策に当てるのもよいでしょう。
健康経営優良法人(大規模法人部門)認定基準(案)
後ほど詳細を解説いたしますが、赤字になっている「健康経営推進に関する経営レベルの会議での議題・頻度 」が健康経営銘柄やホワイト500の認定要件に入ってきそうです。
健康経営度調査票改訂ポイント
健康・医療新産業協議会 第12回健康投資WG 事務局説明資料
から見ていきます。
改訂ポイント
1.健康経営の可視化と質の向上
・PHRの活用促進
PHR活⽤に向けた環境整備状況全般について新たに問われる予定。
※PHRとは、個人の健康や身体の情報を記録した医療データを意味します。 PHRを活用することで、生涯に渡って個人の健康・医療等に関するデータを管理し、本人の意思のもと活用する仕組み(引用:一般社団法人PHR普及推進協議会)
新設案としては、
対象となるPHRを健診結果・ライフログとし、整備状況を問われています。
SQについては現状把握として、評価はされない見通しです。
PHR活用の全体像としてはこのような絵が出されています。
・質の向上に向けた意識の醸成
これはけっこう大きな変更になります。
持続的に効果を生むため、取組の意義や質の向上への意識を常に持ち続けることが重要。とし、配点バランスの修正と、ホワイト500認定要件の追加になりそうです。
3月のワーキンググループの資料にて方針が出ていたように、効果検証を意識した配点になる見込みです。
①経営レベルの会議での議題・頻度
経営層の関与を評価し、「経営会議等」で健康経営を議題として取り上げていることを、ホワイト500の認定要件に入れる見込みになります。
ホワイト500の認定要件としては・・・
a.取締役会、b.取締役会以外の経営レベルの会議(経営会議等)のいずれかで議題にしていること
昨年までの経営層の関与に関する設問はこちら
経営レベルの会議(取締役会や経営会議等)での議題。としていましたが、
取締役会と経営会議等で取り上げる議題の違いがあることを踏まえ、項目の分割と、議題として取り上げる内容の具体化が進んでいます。
②アウトプット指標のみへの配点案
調査票設問を施策としてやっている、
ではなく、実施の結果どんな数値・成果になっているかが詳細に問われるように変わってきています。
2024年3月のワーキンググループ資料の方針にもあったように、効果に対する検証・アウトプットに比重がかかりそうです。
健康・医療新産業協議会 第11回健康投資WG
https://www.meti.go.jp/shingikai/mono_info_service/kenko_iryo/kenko_toshi/011.html
アウトプット指標のみへの配点とする設問一覧を細かく見ていきます
Q38 受診勧奨
定期健康診断や任意健診・検診の結果により医療機関への受診が必要と判定された者に対しては、精密検査・二次健診の受診勧奨するだけでなく、要医療機関受診者の受診率も求められています。
Q39 ストレスチェック
Q41 健康保持・増進に関する教育
昨年同様、
ストレスチェックは受験率
健康保持・増進に関する教育は
対象者の比率
参加者の比率
がアウトプット指標として記載を求められています。
Q48 コミュニケーション促進
Q53 ⾷⽣活改善
Q54 運動習慣の定着
昨年までは実施している具体的な施策それぞれにチェックをつけましたが、
今年度からは、
a.従業員参加型
b.環境整備
それぞれで重点的な取り組みを1つだけ選び、その取り組みへの対象者比率・参加者の比率を回答するといったアウトプット指標が求められています。
数多くの施策を講ずることから、成果が出る施策を評価する仕様に変わってきています。
各設問ごとの選択肢については、調査票素案をご確認ください。
https://www.meti.go.jp/shingikai/mono_info_service/kenko_iryo/kenko_toshi/pdf/012_s02_00.pdf
・柔軟な働き方の促進
育児や介護、私病といった何らかの事由とは関係なく、従業員が柔軟な働き方が実現できるかが問われています。
2.新たなマーケットの創出
今年も、実態把握として評価はしないものの、海外法人での方針や従業員の対象範囲が求められています。
3.健康経営の社会への浸透・定着
・育児・介護と就業の両立支援
昨年から新設された設問です。介護と就業の両立支援が進んでいないという調査結果を踏まえ、大規模法人部門では、介護と育児それぞれに分離して問われる形となります。
また、研修への参加率を評価に加えられる見込みです。
介護発生前後で、仕事のパフォーマンスは3割ほど低下するといったデータもあります。
・常時使用しない非正社員等を対象に含めた企業の評価
3月のワーキンググループの資料にもありましたが、
派遣社員や、自社で雇用する非正社員も健康経営活動の対象範囲に含めて取り組んでいる企業は、調査票回答企業の26%にとどまっています。
そのため、令和6年の健康経営度調査票においては、非正規社員等を対象に含めた企業を評価することになりそうです。
まとめ
今年の大きな変更点は、「健康経営の可視化と質の向上」、
経営層の関与や
アウトプット指標に対して評価をする
といった配点バランスの修正といえるでしょう。
多くの施策を講じていることを評価することから、
多くの従業員を対象とし、しっかりと成果が出る取り組みを行っているかがより評価されるようになります。
健康関心層のみの参加や、使われない形骸化された施策やサービス・制度でなく従業員に求められ使われる施策やサービスがより必要になってきます。
今回のワーキンググループ資料冒頭には、
成果と連動した報酬支払いを行う事業組成・伴走支援を検討とあります。
多様性が叫ばれるなか、多くの従業員が興味関心を持ち参加ができ、成果が出るような取り組みが今後、より大事になります。
FiNCでは、PHRサービスとして、健診結果の管理・閲覧から
ライフログを使った健康増進支援、
イベントの実施、
より高い参加がいただけるようなアプリ・イベント設計、といった
伴走支援を行っております。
健康経営優良法人の申請・調査票対応
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運営:健康経営優良法人認定事務局(日本経済新聞社)
※経済産業省「令和6年度健康経営制度運営事業」により日本経済新聞社が運営しています。
https://kenko-keiei.jp/3637/