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「金融=成熟期、ではない」コモディティ化した分野を初期市場として切り拓くマーケティングチームのこれから

こんにちは。Finatextホールディングス 広報担当、ミヤカワです。
Finatextグループのメンバーを紹介していく社員インタビュー。今回は、グループ全体のマーケティング責任者を務める小林愛典さんにお話をうかがいました!

小林愛典 - 株式会社Finatext マーケティング責任者
ITベンダーでのマーケティングを経て、世界最大のFXブローカーの日本法人で執行役員としてマーケティングを管掌した後、コンサルタントとして独立。2017年からFinatextグループに参画し、証券子会社であるスマートプラスのマーケティング立ち上げ、金融事業者・非金融事業者向けBaaSプロジェクトにおけるサービスコンセプト設計から事業計画策定支援までを担当。併せてグループのBtoC向け金融サービスのマーケティング責任者として戦略と執行を統括。趣味はサーフィンとヨガ。休みになれば海へ繰り出し、夏も冬も関係なく、良い波を追い求めている。

ベンチャーも、大企業も、独立も経験した

- 本日はよろしくお願いします。小林さんはこれまで一貫してマーケティングに携わってこられていますが、具体的にはどのようなキャリアを歩んできたのでしょうか?

20代の頃はIT業界にいまして、PRからプロダクトマーケティングまで幅広い業務に関わっていました。2社目でベンチャー企業に飛び込んだのが、2000年代初頭。その頃はちょうどドットコムバブルと呼ばれる時期で、大手の外資系ITベンダーが次々と台頭し、ベンチャー企業が飲まれて消えていく、という光景を目の当たりにしました。

30代になり、たまたまFXのブローカーと縁があって、マーケティングを軸に金融分野にスライドする形で、この業界に入りました。当時その会社は、業界では世界トップクラスの会社ながら、日本法人だけで見ると30名くらいのベンチャー企業。在籍期間は5年ほどでしたが、最終的に執行役員としてマーケティングを任され、売上を5億円から70億円規模にまで拡大させることができたのです。

自分の中では“やりきった感”があり、徐々に大企業化しつつあった社内風土にもギャップを感じ始めていたため、コンサルタントとして独立する道を選びました。自由に働くのが性に合っていたのか、そこから10年近く、個人事業主として働いていましたね。

「業界が変わる」と確信した、Finatextとの出会い

- 独立していたところから、再び会社に入ろうと思った理由が知りたいです。そして、それがなぜFinatextだったのでしょうか。

きっかけは、前職時代につながりのあった藤江さん(スマートプラス代表取締役)に声をかけられたことです。Finatextのオフィスに足を運び、林さんと色々話をしました。

資本力のある大企業が、規模の経済によりシェアを奪っていくという流れは、これまでもうんざりするほど見てきました。他業種では、その流れを根底から覆すイノベーターが現れ、ゲームチェンジが図られることがありますが、参入障壁の高い金融業界では難しいと思っていたのです。何なら、そんなことをやろうと考える人すらいないだろう、と。

しかし、林さんから「BaaS(Brokerage as a Service)」の構想を聞いたとき、衝撃を受けました。これからの金融の担い手は、より生活に近いブランド企業へとシフトしていく。そのための基盤を作り、提供することで、金融のビジネスモデルを根幹から変革しよう、というものでした。それにより、あらゆる人に多様な金融サービスが提供されるようになる。そんな未来をはっきりと見据えていました。

「これが実現したら、確実に業界は変わる」

そう直感しました。気づけば、前のめりになって話を聞いていました。そして、せっかくなら自分もその変革を起こす側にいたい、と思ったのです。そこから、はじめのうちは業務委託という形で関わらせてもらい、その後正式に正社員としてジョインしました。

金融でも“初期市場”のマーケティングを経験できる

- 現在は具体的にどのような業務に従事されているのでしょうか。

関わり始めた当初は、グループの証券会社である「スマートプラス」の開業準備におけるマーケティングの立ち上げを担当し、コミュニティ型株取引サービスの「STREAM」をリリースしました。

その後、Finatextの所属となり、現在は主に二つの役割を担っています。一つは、金融機関様や非金融事業者様の金融事業への参入支援です。クライアント企業が証券事業を立ち上げる際のサービスコンセプトの設計や事業計画の立案などに関わっています。

もう一つは、実際にリリースされたBtoC向けのプロダクトやサービスの成長をPRやマーケティング領域から支える役割です。全体を統括する立場で、各プロダクトマネージャーやプロダクトマーケティング担当者とともに、戦略の方向性や戦術の策定などに携わっています。

- 業務範囲が多岐にわたっている印象を受けますが、中でも特に面白みを感じる部分はどこですか?

まさにその多岐にわたっているところが非常に面白いところだなと思います。

一般的に、金融サービスはライフサイクルで言う成熟期に達していると言えます。実質的なサービスレベルはどの会社も変わらず、ブランディングでファネルの上部を捉えたら、あとはいかにデジタルマーケティングで効率的に顧客を獲得するかという勝負になることがほとんどです。

ですが、Finatextは違います。たとえば、先ほどお話しした「STREAM」というアプリは、コミュニティ型株取引サービスというのがコンセプトにあります。“株取引をやっていく上で、相談者がいない”という課題をペインとして定義したのです。実際、このコンセプトに共感してくださるユーザーは多く、企画は間違っていなかったと改めて感じています。

このように、同じ金融マーケットであっても、市場を異なる角度で見れば、まだまだ初期市場が存在すると言えます。プロダクトの数だけ価値提案も異なりますので、結果としてマーケティングのアプローチも多種多様になっていく。マーケターとしての腕の見せ所ですし、成長するにはうってつけの環境だなと感じています。

顧客のペインを答え合わせできた瞬間

- 初期市場のマーケティング、確かに面白そうです。その中でも、実際に手ごたえを感じるのはどういうときでしょうか?

コロナ禍になった今は実施できていないのですが、「STREAM」では実際のユーザーをお招きする交流イベントを行っています。コミュニティサービスという性質柄か、私たち運営者側とも近い距離感で接してくださるのですが、そこでお話しいただいたことが印象に残っています。

地方から参加されたユーザーが口を揃えて言うには、株の話って誰ともできないのだそうです。東京や大阪よりも株取引経験者の数が少ないため、株取引=ギャンブルと勘違いされがちで、株の話題で同僚と話すことなんてできなかった、と。「STREAM」を始めてから株友達ができて良かったと言ってもらえたときは、本当に嬉しかったですね。

サービスのどんなところに価値を感じているのかをリアルに知ることができるのは、何より貴重な経験です。そこで得た気づきや学びを、また施策に活かすことで、ユーザーに価値提供していく。そんな好循環をこれからも作っていきたいと思っています。

始動したばかりのチーム、今がいちばん面白い

- チームとして今後どのようなチャレンジをしていきたいですか?最後にメッセージをお願いします。

実は、マーケティングチームが現状の形で正式に発足したのは2021年の9月なんです。チームは、まさに今立ち上げている真っ最中といったところです。

マーケティングチームは、日常からかけ離れた現状の金融を最前線で浸透させていくチームです。将来的にはプロダクトごとにマーケティング担当者を付け、各々の裁量の下で戦略立案から戦術まで、展開していただきたいと考えていますし、これから入られる方にも、むしろチーム組成から関わってほしいと思っています。未整備なところが多い分、やりたいことがあるならどんどん実現できるはずです。その意味では、いちばん面白いフェーズかもしれません。

Finatextが生む金融サービスの価値提供は全く新しいものですから、これまでの勝ちパターンに依らない新しいマーケティング手法が生み出せると思っています。そのためにチームに必要なのは、「自由と責任」、「楽しさ」、「熱意」だと思っています。十分に議論を尽くした上で戦略に合意できているならば、間違いや失敗を恐れず、自由に挑戦していく。既存の金融機関には想像できないエッジのたったマーケティングを遂行していくチームにしていければと考えています。

私のようにこれまでに金融業界に身を置いていて、業界を変革するというミッションに共感いただけた方も、金融業界を成熟かつ硬直化した分野だと感じていらっしゃる異業種のマーケターの方も、ぜひ興味を持っていただけたら幸いです。一緒に、面白い仕事ができる日を楽しみにしています。

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