そうだん
「ネクストマリトッツオ党について話せと?
前にも言ったように私のファミリーは関わらない」
ドン・フォカッチャは机越しに葉巻箱をフィナンシェヤクザに勧めた。
「ドンの見解を聞きたい」
手で断りながら、声を潜める。
バブル最高潮の時代、ティラミスがブームとなり、ドルチェが浸透した。マリトッツォに続くはスフォリアテッラ、カンノーリ、ボンボローニ、コロンバ、カッサータ、様々な憶測が街に飛び交っている。
「私からすればどれもまだ波とは言えんな。押しつけに買わせても長続きせんよ、お前の組の虎を放つのはまだ先がよかろう」
「ドンはなんでもお見通した」
箱から取り出したビスコッティを甘いワインに浸して、老人は不敵に齧った。
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