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競馬小説カフェ・ド・イーグル~15年目の春・2025フェアリーS・初咲賞・淀短距離S~
トップ画像引用:東スポ競馬
■ ポッドドンナー
2025年1月11日(土)午後6時
-岩手県某市早起村 カフェ・ド・イーグル-
土曜競馬は惨敗に終わったカフェドイメンバーだったが、店内に重苦しい雰囲気はなかった。フェアリーステークスで巻き返せるとミスターがいう。
「月曜日のシンザン記念で、隠れ取消が発生しています」
枠順確定前取消
1/13(祝・月)シンザン記念
ポッドドンナー(吉村誠之助)
前走:8番
隠れ取消とはくろたんの命名で、木曜日の出馬投票締め切り後、枠順が確定する前に体調不良等で取り消した馬のことである。
枠順確定後の取り消しとは違い、出馬表を見ただけでは取り消しがわからないことから、隠れ取消というわけだ。
「ポッドドンナーの前走馬番である8番。これが重賞に飛ぶってわけかい?」
イカ社長の質問にミスターが頷く。
「単純思考ですがね。シンザン記念なら人気のアルテヴェローチェ。フェアリーステークスもこれまた前売りが1番人気のレイユールとなります」
ポッドドンナー(前走:8番)
フェアリーS
4-(08)レイユール
シンザン記念
5-(08)アルテヴェローチェ
みんながなるほどと頷いた。ミスターが続ける。
「4枠8番は、くろたんがポストしたネタからもプラス。明日一頭しかいないフェアリー馬名が4枠8番です」
1/12(日)中京6R
(4-08)(フェアリー)ライク
フェアリーS
(4-08)レイユール
今週の出馬表が確定しました
— くろたん (@heizhaogon63368) January 9, 2025
1/12 フェアリーS
1/12 中京6R
フェアリーライク
自身か発信 pic.twitter.com/fhWR80eBxs
■ 27期生
「レイユールが勝てば、嶋田純次騎手はうれしい重賞初勝利ですね」
貫一郎がいった。
「東西金杯の勝利ゼッケンは2番と7番。これが今週の予告も兼ねていたのなら、第27期生の嶋田純次には追い風ですよ」
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みんながおおという声を挙げた。2番と7番で27。これが第27期生を示唆というのは意外と盲点だ。
「現役の27期生で重賞未勝利なのは嶋田純次だけなのね・・・大丈夫かしら?」
不安点を挙げたのは貫一郎の左にいるケチャ子だった。ポテトフライを三本ほどつまみ、小皿のケチャップをたっぷりとつけてかぶりつく。
「ちょっと調べてみましょう」
ミスターがパソコンを操作する。嶋田純次騎手の重賞成績を調べているらしい。数分後、ミスターが目をあげた。
「嶋田純次騎手は、明日のフェアリーステークスが34度目の重賞挑戦になりますね。馬券になったのは2着が二回だけ。最初が2021年、スプリングステークスのアサマノイタズラ。その次が2022年のサウジアラビアロイヤルカップのグラニット。いずれも7番人気でした」
「人気馬には乗ったことあるのかしら?」
質問したのは聖子ママだった。ミスターが答える。
「えーと・・・5番人気以内の馬に騎乗したのはわずかに二回ですね。二回とも、さきほど挙げた馬が出走したラジオNIKKEI賞。アサマノイタズラが5番人気で12着。グラニットが2番人気で6着でした」
「そもそも人気するような馬には乗ってないってことね?」
ケチャ子の質問にミスターが頷く。
「そういうことですね・・・岩田望来騎手の重賞初勝利までの記録も見てみましょう。比較対象として面白いかもしれません」
数分後、岩田望来騎手の重賞初勝利までの経過が明らかになった。
「現在、重賞勝利はGⅠひとつを含む12勝の岩田望来騎手。彼が重賞初勝利までに長い連敗をしたのは有名ですね」
みんなが頷く。
「彼の重賞初勝利は2022年の京都牝馬ステークス、相棒はロータスランド。実に98度目の重賞騎乗でした」
「100連敗は免れたってわけだ?」
イカ社長がいった。ミスターが軽く頷いて続ける。
「97連敗中の人気の内訳ですが、1番人気2頭、2番人気3頭、3番人気10頭、4番人気8頭、5番人気5頭で計28頭。つまり、単勝5番人気の馬に限っても重賞で28連敗していたことになります」
「ということは・・」
貫一郎がいった。
「重賞騎乗がそもそも約3分の1の33度。うち、5番人気以内の馬がわずか二度という嶋田純次が勝てば、まずまず優秀といっていいですよね?」
「単純な比較はできませんが、そういう考え方もできるでしょうね」
みんながなるほどと頷いた。
「面白いのが・・」
ミスターが続けた。
「嶋田純次騎手騎乗の重賞で馬券になった馬はわずか2頭なのですが、そのうちの一頭であるアサマノイタズラは、彼からの乗り替わりで重賞を勝っているということです」
2022 セントライト記念
2-02 アサマノイタズラ 1着
(田辺裕信・手塚貴久)
※前走まではデビューからの6戦すべて嶋田純次
7-12 ソーヴァリアント 2着
(戸崎圭太・大竹正博)
フェアリーS
4-07 ホウホウガイア(田辺裕信・大竹正博)
4-08 レイユール (嶋田純次・手塚貴久)
6-(12)エリカエクスプレス(戸崎圭太)
みんながおおという声を挙げた。
「おいおい、そうなると4枠がおもしれえことになってるな?」
イカ社長がパンと手を叩いていった。
「アサマノイタズラの嶋田純次、田辺裕信、手塚貴久の同居。ホウオウガイアの大竹正博は2着ソーヴァリアントの厩舎だ!」
聖子ママが続く。
「嶋田純次騎手の所属は手塚貴久厩舎なのよ。セントライト記念のアサマノイタズラは、師匠が弟子を降ろしてもぎ取った重賞といえるわね」
みんながなるほどと頷いた。
2022年のセントライト記念。デビューから直前まで騎乗した馬が、ほかの騎手であっさりと重賞を勝ったのを見届けた嶋田純次騎手の悔しさは、想像するに余りある。
「馬券にドラマを求めるとろくなことはねえんだが、ここは嶋田純次を応援したくなるな?」
イカ社長の言葉にみんなが頷いた。
■ シン・阪神競馬場
10分後、SNSからさらなる推しネタを見つけたのは聖子ママだった。阪神競馬場の公式Xが特設サイトについてポストしているという。
「特設サイトのトップページで、リニューアルオープンまでの日にちが書かれてるんだけど、今日の時点であと49日なのよ。ということは、明日フェアリーステークスが行われる日は、カウントダウンの48日前ってこと。4枠8番のレイユールにはプラスじゃない?」
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みんながなるほど頷いた。
■ マジカルポケット
「レイユールのオーナー、榊原源一郎」
ケチャ子がいった。
「よく知らない馬主なんで調べてみたら、重賞を一度勝ってるわね。2010年の函館2歳ステークス、マジカルポケット」
2010 函館2歳S
5-07 マジカルポケット
(安藤勝己・領家政蔵・榊原源一郎)
※榊原源一郎 重賞初勝利(唯一の勝利)
フェアリーS
4-08 レイユール(榊原源一郎)
「2010年? どこかで出てきませんでしたっけ?」
貫一郎の言葉に、ミスターが苦笑して答える。
「貫ちゃんが昨日言ってたんですよ。初咲賞と初凪賞が同一週に施行されるのは2010年以来だって」
ああそうかと貫一郎は頭を掻いた。土曜の中山で初凪賞が行われ、明日は9Rに初咲賞がある。両レースが同一週に施行されるのは、2010年以来15年ぶりのことだ。貫一郎がいった。
「その2010年に榊原源一郎氏のマジカルポケットが重賞を勝ち、その後同オーナーの重賞勝利はない・・・まあこれは偶然なんでしょうけれど、15年ぶりという偶然に賭けてみたいですね」
貫一郎の言葉にみんながなるほどと頷いた。
相手はどうするというイカ社長の言葉に、ミスターが答えた。
「まずはレイユールの単複をたっぷり買うとして、相手は12番エリカエクスプレスでどうでしょう? アサマノイタズラが勝ったセントライト記念の2着馬ソーヴァリアントが、エリカエクスプレスと同じ12番戸崎圭太でした」
2022 セントライト記念
2-02 アサマノイタズラ 1着
(田辺裕信・手塚貴久)
※前走まではデビューからの6戦すべて嶋田純次
7-12 ソーヴァリアント 2着
(戸崎圭太・大竹正博)
フェアリーS
4-07 ホウホウガイア(田辺裕信・大竹正博)
4-08 レイユール (嶋田純次・手塚貴久)
6-(12)エリカエクスプレス(戸崎圭太)
「よし! レイユールの単複にエリカエクスプレスとの馬連ワイド。これで今週の勝ちを確定させようぜ!」
イカ社長の言葉にみんなが同意し、カフェ・ド・イーグルの勝負馬券が決まった。
カフェ・ド・イーグル
フェアリーS 勝負馬券
◎8番 レイユール
〇12番 エリカエクスプレス
単複:8番
馬連・ワイド:8-12
■ 編集後記
編集後記という名の特別戦予想2鞍です。
・初咲賞
昨日の編集後記に書いた、初凪賞との連動説。
2010/1/16(土)
中山9R 初凪賞 16頭
枠6-8-8・馬11-16-15
2010/1/17(日)
中山9R 初咲賞 13頭
枠6-7-7・馬9-10-11
同じ週の施行で、「1着6枠」、「2.3着ゾロ目」という共通点。
本編でも書いたように、この2つのレースが同一週で施行されるのは2010年以来15年ぶり。
1/11(土)
初凪賞
枠1-8-3・馬2-15-6
初咲賞
1-01 プリーミー
2-02 フロムナウオン
3-03 ドゥレイクパセージ
3-04 レディベル
8-13 ハイラント
8-14 ショウナンガチ
1番プリーミー、2番フロムナウオンはいずれも人気薄。
1枠と2枠から3枠と8枠へ。プラス、枠3-8の5点。
初咲賞
枠連:(1.2)-(3.8)4点
枠連:3-8
・淀短距離S
昨日のすばるSは、誕生日だったMデムーロのフリームファクシがV。
今日は友引ではないですが、ここはシンプルに、今日が49歳の誕生日の幸英明ドロップオブライトから。今年の淀短距離Sは、勝ったCBC賞と同じ舞台。
前売りで10倍以上つく5番人気ならおいしい。単勝と、調教抜群の2番ソンシとの2頭軸で3連複8点勝負。
淀短距離S
◎16番 ドロップオブライト
〇2番 (外)ソンシ
単勝:16番
3連複:(2.16)-(1.4.5.6.13.14.15.17)8点
■ シンザン記念
今日は仕事のため、簡易予想で失礼しますm(__)m
本命は、Xでポストした12番ラージギャラリー。
2018 シンザン記念(成人の日)
アーモンドアイ(牝馬)
(戸崎圭太・前走ルメール1着)
※ルメール不在
2025 シンザン記念(成人の日)
(外)ラージギャラリー(牝馬)
(岩田望来・前走ルメール1着)
※ルメール不在
2018 シンザン記念(成人の日)
— ファイナライズ (@finalizekeiba) January 9, 2025
アーモンドアイ(牝馬)
(戸崎圭太・前走ルメール1着)
※ルメール不在
2025 シンザン記念(成人の日)
(外)ラージギャラリー(牝馬)
(岩田望来・前走ルメール1着)
※ルメール不在
成人式には「大勢の観客(馬名意味)」もいるでしょう(笑)
ほかには特にサインはないのですが、
不調の時は下手な考え休むに似たり。このままいきます。
対抗は人気ですが8番アルテヴェローチェ。
昨日のフェアリーS、8番レイユール不発ならここか。
シンザン記念
◎12番(外)ラージギャラリー
〇8番 アルテヴェローチェ