スナック忘れな草~007は二度死ぬ・2023サウジロイヤルカップ~
トップ画像引用:テレビ東京スポーツ
■ パンサラッサの7番
2023年10月6日(金)午後8時
-東京都某区 スナック忘れな草-
いつもの指定席、カウンターの左角に座り渋い顔をしていたのはタコ社長だった。目の前には競馬新聞が広げられている。
「7番はレーヴジーニアルかよ」
タコ社長が浮かない顔をしている理由はこうだ。
昨日、今年のサウジカップを日本のパンサラッサが逃げ切り勝ちしたのを思い出し、そのときのゼッケン7番に勝ち馬が入ると予想したのだ。
「おそらく7番にはボンドガール、シュトラウス、ゴンバデカーブース。このどれかが入るだろう。その単勝で勝負だぜ!」
そう怪気炎をあげたものだから、別の馬が入り面食らってしまったのだ。
「逆7番のボンドガールじゃだめなの?」
ギョニ子がタコ社長に尋ねた。
「うーん、ダメじゃねえが正7番よりは弱いよなあ・・・」
タコ社長は腕を組んで言った。マスターが訊く。
「ボンドガールに挟まれた2番はどうでしょう?」
「ボンドガールに挟まれている?どういう意味だい?」
マスターによると、別のレースにも「ボンドガール」がいるという。
■ 二人目のボンドガール
「社長さん、日本人でボンドガールと言えば誰がいましたっけ」
マスターの問いにタコ社長は即答した。
「そりゃあマスター、浜美枝だろう。えーともう一人は・・・若林・・・えいこじゃなくて映画の映に子で・・・」
「あきこ、ですね」
「そうそう!一緒に若林映子も出てたんだっけ。ボンド役は当時ショーン・コネリーだったぜ」
「浜美枝が京都にいます」
マスターが提示したのは土曜日の京都3レースだった。
10/7(土)
京都3レース 6頭立て
4-04 モスゴビウム(正10)
(浜田多美雄・宮田美恵子)
「浜田の浜に美恵子。なるほど浜美枝だ!」
「6頭立てなので4番はぐるっと回って正10番目。これをサウジアラビアRCに当てはめると・・・」
「1番ですね!」
マスターが言い終わる前に真一郎が叫んだ。
サウジアラビアRC 9頭立て
1-01 シュトラウス(正10)※浜美枝=ボンドガール
2-02 ゴンバデカーブース ★
3-03 ボンドガール
「1番の浜美枝と3番のボンドガール。2番は二人のボンドガールにサンドされていますね!」
真一郎の説明にマスターが頷いた。
「ゴンバデカーブース の推し材料はまだあります」
■ ホームラン王 大谷翔平
マスターが次に展開したのは、大谷翔平のホームラン王に関するサインだった。
「日本人初のメジャーでのホームラン王。使うなら3日間開催の初日である明日だと思っていました」
大谷翔平
背番号 17
本塁打 44
「17と44。この数字が重なる頭数は9頭立て。明日、東京と京都の計24レースで、9頭立てはこのサウジアラビアRCだけなのです」
2-02 ゴンバデカーブース (逆17・逆44)
「えーと、マスター、それってホントに合ってるかい?」
疑い深いタコ社長が訊いた。
「18と45が9の倍数なのはわかりますね?くに じゅうはち(9×2=18)、くご しじゅうご(9×5=45)。17と44はいずれもそれらから1を引いた数ですので、9頭立ての場合、端から2番目の正逆2番が、17番目と44番目ということになります」
「なるほど、そりゃわかりやすいぜ!つまり2番のゴンバデカーブース は、ボンドガールにサンドされた馬であり、大谷翔平のホームラン王にふさわしいゲートにも入ったってわけかい?」
マスターは深く頷いた。麗子ママが続ける。
「ゴンバデカーブース の2番は9頭立ての正11番。11は日本ハム時代の背番号よ」
サウジアラビアRC 9頭立て
1-01 シュトラウス ※浜美枝=ボンドガール
2-02 ゴンバデカーブース (逆17・逆44・正11)
3-03 ボンドガール
大谷翔平
背番号 11(日本ハム)→17(エンゼルス)
本塁打 44
「よっしゃ!これはゴンバデカーブース だろう!」
タコ社長がそう言い、ギョニ子が続いた。
「デアリングタクト引退のニュースがあったわ。ゴンバデカーブース の鞍上は、デアリングタクトの主戦騎手だった松山弘平。勝ち切ってくれるんじゃないかしら?」
ギョニ子の言葉にみんなが頷き、スナック忘れな草の勝負馬券が決まった。
サウジアラビアRC
スナック忘れな草 勝負馬券
3連単:2→1.3→1.3
■ ふたりのシュリ
スナック忘れな草の店内は雑談タイムとなった。ネットのニュースをザッピングしていたタコ社長が、感嘆の声を挙げた。
「130連勝かい!この女子レスリングの藤波って選手は末恐ろしいなあ」
タコ社長が言ったのは、アジア大会レスリング女子53キロ級の決勝で、130連勝を達成し金メダルに輝いた藤波朱理(あかり)選手のことだった。
「藤波朱理選手はシュリじゃなくてあかりですが、シュリとも読めますね。今年の秋、どこかでシュリが出てきたら要注意ですね。朝ドラの主演もシュリですよ」
NHK「連続テレビ小説」
2023年度後期 第109作目
『ブギウギ』 2023年10月2日~
主演:趣里
「ホントだわ!字は違うけど同じシュリね。えーとシュリの現在はと・・・」
ギョニ子はそう言いながらスマホを操作していた。
「あら残念。現在は放牧中になってるわ・・・直近の勝利は・・・2021年の谷川岳ステークスね!」
2021 谷川岳ステークス
https://db.netkeiba.com/race/202104020111/
「谷川?」
反応したのはギョニ子の右隣にいた真一郎だった。
■ 永世名人
「えーと、谷川って永世名人にいましたよね?」
「しんちゃん、おめえよく知ってたな!」
反対側から声を掛けたのはタコ社長だった。
「谷川、森内、羽生。みんな永世名人の資格取得者だ。その前ってえと、中原、大山、木村だな。実力制の初代名人木村義雄は、十四世名人にあたる」
「うちの病院で将棋好きの患者さんが何人かいて、リハビリがない時間によくホールで将棋を指しているんです」
真一郎の説明はこうだった。将棋をよく指す患者のひとりに、かっぷくがよく丸眼鏡をかけている方がいる。その方の風貌が大山康晴十五世名人に似ていることから、大山先生と呼ばれている。
その患者と実力が同程度でよく相手をする患者が、「じゃあ俺は十四世名人の木村だな」と言い出した。それが見物する患者たちにも広がり、両者の戦いが始まると「木村先生と大山先生の対局が始まるよ」と、みなホールに集まってくるという。
こんなことがあったから、真一郎はwikipediaで歴代の永世名人について調べていて、谷川という名前を憶えていたのだ。
■ 大山ヒルズ
「ガンバレルーヤの意味がわかったかもしれないわ」
真一郎の説明を聞いて、口を開いたのは麗子ママだった。
「ガンバレルーヤのガンバルケーバが始まったでしょう?プロフィールを見たら今年の1月から、まひるちゃんの地元である鳥取県大山町の観光大使に就任したって書いてあったの」
「だいせんとおおやま。読みは違いますが同じ漢字(大山)ですね」
マスターが言った。
「将棋と言えば、昨年の『ウマのそら』に将棋篇がありましたよね。棋士役で出ていた役者のひとりが、少しだけ大山康晴十五世名人に似ていました」
「晩年の大山先生の髪は、この役者よりは俺のほうが似ているが、顔は似てなくもないなあ」
タコ社長が薄い頭をぺしゃぺしゃと叩きながら言った。
「当時、ジオグリフが勝ったときに、将棋だからジオグリ歩だったというネタがありました。今思い返してみると、実力制初代名人の木村馬券でもあったのですね」
2022 皐月賞
1着:7-14 ジオグリフ (木村哲也)
2着:8-18 イクイノックス(木村哲也)
3着:6-12 ドウデュース (友道康夫)
「なるほどなあ。1着が14番で、木村木村の木村義雄十四世名人馬券。3着の友道康夫は、一文字だけだが大山康晴十五世名人だったわけか!」
タコ社長が頭をぺしゃりと叩いて天井を見上げた。ギョニ子が続く。
「このときの2着馬と3着馬が、秋天でふたたび相まみえるわけね」
麗子ママが言った。
「大山ヒルズを示唆するガンバレルーヤの登場。イクイノックスとドウデュースで固いのかもしれないわね」
みんながうんうんと頷いた。
天皇賞(秋)
イクイノックスとドウデュースの一騎討ち?
焦点は第3の馬探しか
■ 11冠ベイビー
「しかしあれだなぁ、趣里ってえのは両親がいずれも役者。親の十四光りと呼ばれてるわけだ」
タコ社長が言った。趣里の両親は俳優の水谷豊と伊藤蘭。親が芸能人だと二世芸能人は「親の七光り」と呼ばれることがあるが、両親とも芸能人なので7足す7で14光りだという。
「私たちの世代だと、伊藤蘭さんは女優というよりキャンディーズですがね」
「そうそう!ラン、スー、ミキ。俺は断然スーちゃん派だったぜ!あのむっちりした感じがたまんなくてよう。もうちっと長生きしてほしかったなぁ・・」
タコ社長がしんみりと言うと、マスターが頷いた。
「私は多数派のランちゃんでしたね」
「ああ!わかるかも!麗子ママって伊藤蘭にちょっと似ているもの!」
ギョニ子の言葉に、マスターと麗子ママは顔を見合わせて照れていた。話をすり替えるように、マスターが言う。
「ええと、数字は14ではなく11ですが、先週からいたるところに見たような気がします」
マスターが言うには、先週から競馬のレースなどに「11」という数字がよく出されているという。
10/1(日)阪神12R
【11歳馬】マイネルプロンプトの平地競走勝利
10/5(木)大井11R JpnⅡ
レディースプレリュード
1着 アーテルアストレア
単勝:【1,100円】
UMACAスマート
開始日:【11月11日】
「そして社長さん。11と言えば、来週の11日は歴史的な一日になる可能性がありますね?」
マスターの問いかけに、タコ社長はニヤリと笑って頷いた。
「藤井聡太八冠の誕生だな!王座戦第4局。もちろん永瀬拓矢王座が意地を見せて、最後の第5局までもつれる可能性はあるが、今日の竜王戦を見てても、藤井聡太は好調を維持してる感じだ。11日に決めちゃうんじゃないかなあ」
タコ社長が言うには、今日行われた竜王戦第1局の初日、YouTubeにあがっている将棋動画を見ると、AIの評価では後手の藤井聡太竜王有利に若干傾いているという。
「11の強調はどういう意味なんでしょうね?」
真一郎が疑問を呈した。マスターが答える。
「私の推理はこうです」
藤井聡太竜王・名人 八冠
リバティアイランド 三冠
8+3=11
「藤井聡太竜王・名人が、11日に史上初の八冠独占を達成。その4日後、秋華賞をリバティアイランドが勝ち、牝馬三冠を達成。8と3で11というわけです。さらにこの『11』はダブルミーニングになっていて・・・」
アーモンドアイの2022(父エピファネイア)
2024 デビュー
アーモンドアイ 9冠(海外1勝含む)
エピファネイア 2冠
「来年デビュー予定のアーモンドアイの初仔。父エピファネイアと合わせて、11冠ベイビーとなるわけです」
「なるほどなあ。アーモンドアイといえばシルクで騎手はルメール。イクイノックスとまったく同じだな。イクイノックスは秋天とジャパンカップで引退という噂がある。これってアーモンドアイのラスト2戦と同じだよなあ」
「現在GⅠを4連勝中。GⅠを6連勝し、引退するのかもしれませんね」
マスターがそう言い、みんながうんうんと頷いた。
■ くろたん流 出馬表読み
どうも。今日は本編には出番がなかったくろたんです。キャンディーズなら断然ミキちゃん!そう言えば毎日王冠にもミキちゃんの馬が出ますね。
毎日王冠
6-08 ジャスティンカフェ(三木正浩)
伊藤蘭の娘が話題なら、ミキちゃんの馬が走るかもしれません。
●くろたん流 出馬表解読
メイクデビュー列伝
シンボリクリスエス 1/21生まれ
京都5R メイクデビュー
8枠 父キズナ 3頭
京都5R
8ー16 父キズナ
8ー17 父キズナ
8ー18 父キズナ
東京5R メイクデビュー
6ー06 ダノンロッキー (1/21生まれ)・(父キズナ)
6ー07 カラーオブジアース (父キズナ)・母父(シンボリクリスエス)
ダノンロッキー B評価
寄せ集めなのでB評価まで。
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微笑みがえし(キャンディーズ)
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