スナック忘れな草~第18期生・2024皐月賞追加馬券・中山12R春雷S(L)~
トップ画像引用:【ジョッキーカメラ】イロゴトシ騎乗の黒岩悠騎手ジョッキーカメラ映像
■ 黒岩悠騎手
2024年4月13日(土)午後6時
-東京都某区 スナック忘れな草-
「うーん、そういうことだったのか・・・」
左手に持っていたスマホをカウンターの上に置き、タコ社長は腕を組みながら唸るように言った。
「どうされましたか?」
そのあとが続かないタコ社長に、グラスを磨く手を止めてマスターが訊いた。
「黒岩悠騎手の勝利インタビューと、ジョッキーカメラの動画を見てたんだよ」
タコ社長は、頭の中を整理するようにゆっくりと話し出した。タコ社長の説明はこうだった。
イロゴトシで中山グランドジャンプ連覇を達成した黒岩悠騎手は勝利インタビューの中で、亡くなった藤岡康太騎手についてこう語ったという。
騎手はみな競馬関係者とともに命がけで競馬を盛り上げようとしている。これから彼は、空の上で応援してくれることだろう。どうかみなさん、彼にお疲れさまでしたとひとこと声を掛けてください。
同時に公開されたジョッキーカメラでは、ゴールするときに「康太、勝ったぞ!」と絶叫する場面が映し出されていた―
「康太という呼びかたから、黒岩悠騎手のほうが先輩であることはわかる。てっきり年代が近くて、一緒に学んだ期間があるかと思ったんだ・・・ところが、黒岩悠騎手は競馬学校の18期生で、藤岡康太騎手は23期生だ。学校で一緒に学んでいた期間はねえ」
タコ社長はそこで眞露の水割りを一口飲み、唇を舐めた。
「競馬学校の卒業名簿をあらためて見てみたら、黒岩悠騎手の同期に竹本貴志騎手がいたんだよ・・・」
マスターがあっと声を挙げ、一瞬にして表情を硬くした。竹本貴志騎手とは、デビューからわずか4週間でその生涯に幕を閉じた騎手だ。20歳だった。
黒岩悠騎手とは同期の2002年卒であるが、競馬騎手免許試験は不合格や負傷による欠席があり、2004年に合格した。そのため騎手デビューしたのは、奇しくも藤岡康太騎手の兄、藤岡佑介らがいる2004年卒の20期生と一緒だった。
遅れを取り戻そうという焦りがあったのだろうか。2004年にデビューした騎手の中では最も早い初勝利を挙げたあと、騎乗機会を増やそうと障害レースにも乗ることを決心する。
彼の最後の騎乗となったのは、障害レース騎乗2戦目、平地を合わせた通算では15戦目のことであった―
「黒岩悠騎手は、藤岡康太騎手の事故で、3年間一緒に学んだ竹本貴志騎手を思い出したのね・・・」
ギョニ子がささやくように言った。そのような背景があった中山グランドジャンプは、優勝した黒岩悠騎手のみならず、やはり竹本貴志騎手と同期だった五十嵐雄祐騎手がニシノデイジーで3着に入っていた。
中山グランドジャンプ
1着:6-08 イロゴトシ
(黒岩悠・18期生)
2着:1-01 ジューンベロシティ
3着:7-10 ニシノデイジー
(五十嵐雄祐・18期生)
「藤岡佑介騎手がこんなことを言っていましたね」
真一郎がしんみりと言った。
「弟とは、騎手という危険な仕事はそういうこともあると、よく話していたと・・・。同じ年にデビューした竹本貴志騎手のことがあったから、そういう話をしていたのかもしれませんね」
みんなが黙ってうなずいた。藤岡佑介騎手は報道陣に対し、そういう話をしてきたからこそ、他の家族よりも早く気持ちの整理をし始めることができたのかもしれません。そのようなことも話していた。
■ Kōki,
気持ちを切り替えようと10分ほどの休憩を取ったあとだった。麗子ママが言った。
「みんな見たかしら?土曜日のJRAニュースで、昨年はなかったイベントが告知されてたの」
麗子ママが言っているのは、東京競馬場にあるローズガーデンのことだった。競馬開催がない平日にも、特別に開放するという。
「それでね、気になったのは『香気』というワード。香るに気分、気持ちの気で『こうき』と読むらしいんだけど、普通に香りでいいと思わない?」
バラの香気をお裾分け。ローズガーデンを特別に平日も開放します!
「そうだよなあ。意味はなんとなくわかるが、『こうけ』だか『こうき』だか迷うところだ。それがサインだってのかい?」
タコ社長が尋ねると、麗子ママは深く頷いた。
「『こうき』って音でピンと来たのが、木村拓哉と工藤静香の次女『Koki,』よ」
※Koki,の「o」は上に伸ばし棒あり(以下同様)
「キムタクと工藤静香の娘か!」
「そう。工藤静香の誕生日がなんと、明日4月14日なの」
みんながおおという歓声を挙げた。
「ということはよ。キムタク同様、略してキムテツと呼ばれることもあるレガレイラってわけ」
皐月賞
5-10 レガレイラ(木村哲也)
キムラ タク ヤ
キムラ テツ ヤ
麗子ママの説明に、みんながうんうんと頷いた。麗子ママが続ける。
「それだけじゃないの。『Koki,』の本名は木村光希(こうき)。読みは『こうき』ではなく『みつき』だけど、同じ漢字を書く金子光希騎手がいるわね」
4/14(日)福島5R
(5)-05 ウインチェレステ(金子光希)
「明日は・・・というより今週はこの1鞍なの。5番ならお兄ちゃんが乗るミスタージーティー。5枠ならレガレイラのいる枠ね」
4/14(日)福島5R
(5)-05 ウインチェレステ(金子光希)
皐月賞
3-(05)ミスタージーティー(藤岡佑介)
(5)-09 アーバンシック
(5)-10 レガレイラ
「木村拓哉につながるんですね・・・」
マスターが腕を組みながら言った。眉間には皺が寄っている。
「またまた藤岡康太騎手につながる話になってしまいますが、この際だから話してしまいましょう。木村拓哉と言えば、漢字は違うものの、同じ『キムラタクヤ』がいますね」
今度はタコ社長があっと声を発する番だった。
「広島から巨人にいった、プロ野球の木村拓也だな?・・・ええと、あれは広島戦だったかい?」
マスターが大きく頷いた。木村拓也選手は内外野のみならず、ときには捕手まで務めることがあった非常に重宝された選手だ。稀代のユーティリティープレイヤーと言っていいだろう。
現役引退後は巨人のコーチを務めていたのだが、2010年4月7日、対広島戦の試合前に病が彼を襲った。くも膜下出血だった。
「藤岡康太騎手が35歳。木村拓也選手は37歳でした。藤岡康太騎手の落馬が先週の4月6日で、木村拓也選手が亡くなったのは4月7日のことでした・・・」
店内を冷たい沈黙が包んだ。JRAはそこまで知っていて、木村拓也につながるタレントの『Koki,』を示唆するワードを使ったのだろうか―
■ 176号
「私たちの本命は12番のコスモキュランダでしたが、もしレガレイラが頭まであるとなると、牝馬では76年ぶりということになりますね?」
真一郎が言った。みんながうんうんと頷く。
「明日達成されるかはわかりませんが、大谷翔平選手にあと一本出れば、松井秀喜の175号を抜いて、日本人メジャーリーガーの通算本塁打記録で単独トップに立ちます」
大谷翔平 176号(あと1本)
※日本人メジャー 通算本塁打単独トップ
レガレイラは優勝なら、
牝馬による皐月賞制覇は「76年」振り
「なるほど176号に76年ぶり・・・レガレイラの単勝オッズは3倍台か・・・」
タコ社長がスマホを見ながら言った。
「牝馬の一番人気・・・ウオッカのダービーは確か、10倍はついたよなあ?」
マスターがすぐにパソコンを操作して答えた。
「10.5倍の3番人気でしたね・・・それからするとレガレイラは、妙味という点ではいまひとつです・・・ですが、ローズガーデンのサインを信じるなら、レガレイラ1着の馬券も買ってみたいですね」
みんながうんうんと頷いた。
「馬単流しはどうかしら?3倍台の単勝に掛けるより夢があると思うの!」
ギョニ子が目を輝かせて言った。
「んとねえ、ちょっと気になるのが7番のルカランフィースト!単勝W万馬券に近い超人気薄だけどね・・」
ギョニ子が語る狙いの意味はこうだった。ローズガーデンからキムタクの娘『Koki,』が出てくる。現在のプロモーションキャラクターが掲げるキャッチコピーは、『HERO IS COMING.』だ。キムタクにも『HERO』という人気ドラマがあるじゃないか。
「木村拓哉が演じる検察官が久利生公平(くりう こうへい)なのよ。そして、ドラマの第1期で検察事務官の雨宮舞子を演じるのが松たか子なの!」
4-07 ルカランフィースト
(松山弘平)
4-08 ジャンタルマンタル
「なるほどなあ!そのドラマのことはよく知らねえが、松山弘平は怪しいな!」
「同枠のジャンタルマンタルかもね。4枠両頭には流しましょう」
タコ社長のあとに麗子ママがそう言うと、みんながうんうんと頷いた。
「雨宮舞子・・皐月賞にはお似合いかもしれませんね」
マスターが言った。
「皐月はもちろん『五月』と書く『さつき』もありますよね?そして雨宮の『雨』・・・明日、福島10Rに奥の細道特別があります」
「おお!松尾芭蕉だな!」
タコ社長が指をパチンと鳴らして言った。
「五月雨を集めて早し最上川・・だな?」
マスターがその通りですと言って、みんながうんうんと頷いた。その他、昨日までに挙がっていた馬たちなどへ、レガレイラからの馬単を追加しようということになった。
スナック忘れな草
皐月賞 勝負馬券
◎12番コスモキュランダ
〇10番レガレイラ
▲1番サンライズジパング(メイショウタバル)
穴7番ルカランフィースト
単勝:1番、2番、12番
枠連:1-5-6 ボックス3点
以下、追加馬券
馬単:10→(1.2.5.7.8.12.13.14.17)
ワイド:7-(2.10.12.13.17)
■ 編集後記
ここでは中山最終の春雷S(L)を取り上げます。
最終レースにリステッドが組まれるのは、
見落としがなければ、非GⅠ開催日を含めても史上初となります。
前例がないので、
「GⅠのあとの同日芝1200OP戦」と広く解釈すると、
直近は昨年のジャパンカップ当日、京阪杯となります。
2023/11/26(日)
東京12R ジャパンカップ 15:40発走
イクイノックス(ルメール・木村哲也)
京都12R 京阪杯 GⅢ 16:15発走
※GⅠ後の最終レース・芝1200OP戦
1着:8-17 トウシンマカオ(菅原明良)
2着:5-10 ルガル
3着:3-06 エイシンスポッター
レガレイラは「ルメール・木村哲也」の予定でしたから、
春雷Sが最終レースに組まれたことからも、
レガレイラはプラスかもしれません。
昨年1年間を調べてみましたが、
GⅠ直後の同場最終レースは、
全て2勝クラスか3勝クラスで、
OP以上のレースが組まれたことはありませんでした。
中山12R
春雷S(L)16頭
1-01 シナモンスティック(正17・父ジョーカプチーノ)
8-16 ショウナンハクラク(逆17)
京阪杯トウシンマカオの「正17」使用なら、
正逆17にあたる上記2頭。
そして、ポストした以下のネタ、
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福島10R 奥の細道特別
3-05(シリ)ンガバルガリス
3-06 メイショウウネビ
4-07(シリ)アルノヴェル
「尻」と「尻」で「6番」をサンド
明日の「尻」の「尻」、
中山12R春雷Sの大外は前走「6」着の
ショウナンハクラク
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これも加味して16番ショウナンハクラク本命。
黒岩悠騎手同様、竹本貴志騎手と同じ釜の飯を食った、
田辺裕信騎手が乗るヨシノイースターがいる5枠へが本線。
中山12R 春雷S(L)
枠連:5-8 本線
枠連:5-(3.4.7)押さえ