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スナック忘れな草~ヒノクニ~
■ 函館SS・エプソムC回顧
2023年6月12日(月)午後8時
-東京都某区 スナック忘れな草-
タコ社長は泣いていた。麗子ママの作った、ふきと油揚げの煮物を食べて泣いていた。
「社長さん、大丈夫?」
心配そうな顔をして声を掛けた麗子ママに、タコ社長はうなずいた。麗子ママからもらったティッシュで鼻をちーんと噛み、涙を拭いてから言った。
「おふくろの味を思い出しちまってさあ、ふきの煮物で。何を作ってもうまい母親だったけどよう、こういう和風の味っていうの?それが一番うまかったんだよなあ」
タコ社長はそう言って顔を上げた。5年前に亡くなった母親のことを思い出しているのだろう。
「おっと、いけねえいけねえ。みんなまでしんみりさせちゃったね。マスター、そろそろ昨日のレース回顧でもやろうか?」
マスターはうなずくと、パソコンの画面をみんなに見せた。
「函館スプリントSで狙ったカイザーメランジェ。残念ながら4着と馬券にはなりませんでした。ですが、この馬には別の役割があったと思います」
6/3(土)鳴尾記念
8-14 ソーヴァリアント 1人気 12着
「え?先週の回顧なのに鳴尾記念ってどういうこと?」
ギョニ子が言うのも無理はなかった。鳴尾記念は先々週の重賞で、安田記念の前日に行われている。
「函館スプリントSとエプソムCを振り返る前に、この馬に触れておく必要があります。いずれもチャレンジカップですが、2戦2勝と得意にしている阪神芝2,000の舞台で、1番人気を大きく裏切る12着。この結果にもっと注目するべきでした」
マスターが次に提示したのは、ソーヴァリアントのデビュー2戦目だった。
2020/11/7(土)
東京4R 2歳未勝利
3-03 ソーヴァリアント 失格(1位入線)
単勝:3番 170円
「ええ?ちょっとこれどういうこと?」
真一郎が声をあげた。
「失格なのに単勝3番で払い戻しがあったってことですか?」
マスターはうなずいた。
「そうなんです。普通失格というと、斜行などで他馬の進路を妨害したときに、レース確定と同時にされる処分です。ところがこのソーヴァリアントのレースは、1着ソーヴァリアントとして払い戻しがなされたあと、後日失格になったものです」
「もしかしたら禁止薬物か?」
タコ社長の質問にマスターはうなずいた。
「さすがですね、社長さん。ソーヴァリアントは競走後検体から禁止薬物のカフェインが検出され、レース後に失格となりました。1着賞金は没収、2位入線以降の馬が繰り上がりとなり賞金が再分配。ですが、レース自体はソーヴァリアント1着で確定しているので、払い戻しはそのままというわけです」
「ソーヴァリアントを切った馬券を買ってたファンは、納得できなかっただろうなぁ」
タコ社長がそう言うと真一郎が首を振りながら言った。
「それはわかりますが、逆にソーヴァリアント絡みの馬券がすべて不的中ということになってたら、ソーヴァリアントから買ってたファンのほうが今度は納得しませんよ。どうしてあとから失格になるような馬を出走させたんだって。JRAの責任だろうって」
「そうなりますね」
マスターが続けた。
「レース終了後、すべての馬の競走後検体をチェックしてから払い戻しを確定するなんてことはまず無理でしょう。そうなると、レース内容に着順を変更するほどの問題がなければ、入線順位通り確定して払い戻しをまず行う。その上で、競走後検体で禁止薬物が検出されれば、払い戻し結果とは別に競走馬を処分する。現状ではこれが妥当ということになります」
「それで、ソーヴァリアントの失格が先週の重賞とどうつながるのかしら?」
麗子ママがマスターに尋ねた。
「ソーヴァリアントの競走後検体から検出されたのはカフェインでしたね」
エプソムC
1着:ジャステ(ィンカフェ)→【カフェイン】
2着:ルージュエヴァイユ(冠名+【覚醒】)
「1着馬ジャスティンカフェにはカフェインがあり、2着馬ルージュエヴァイユは『覚醒』という意味でした。カイザーメランジェとのつながりはこうです」
函館SS
2-04 カイザーメランジェ
(禁止薬物テオブロミン騒動週の2019函館SS覇者)
馬名意味:オーストリア王の愛した【コーヒー】
「なるほど、カイザーメランジェは禁止薬物とカフェインを示唆!久しぶりに函館スプリントSに出てきたのはそういう意味だったってわけか?」
タコ社長の質問にマスターがうなずいた。
「エプソムCに対してはそういう役割だったのでしょう。そしてカイザーメランジェですが、函館スプリントSにもサインを送っていたと考えました」
カイザーメランジェ
函館SS 【2019】年以来の出走
2020 出走 4戦
2021 出走 4戦
2022 出走 4戦
2023 出走 5戦目が函館SS
「カイザーメランジェの戦歴を紐解いてみます。函館SSを制した翌年から3年は、『出走4戦』を規則正しく守っていました。ところが、優勝した『2019年』以来の出走だった今回の函館SSは、今年の『5戦目』にあたります。『4』と『5』、そして『2019』。これら3つの数字の意味は・・・」
「2019年」
「4月」まで平成
「5月」から令和
「ズバリこれでしょう。2019年の改元。昭和から平成に改元された年と違い、あらかじめ日にちを決めてなされた改元でした。それを可能にしたのが生前退位、つまりは引退というわけです」
競馬法100周年記念キャンペーン 第2弾
<昭和の名馬 10頭>
4-10 カブラヤオー(1975 皐月賞)
4-04 シンザン (1965 有馬記念)
4-10 シンボリルドルフ(1984 ダービー)
2-02 タケシバオー(1969 英国フェア開催記念)
3-07 テスコガビー(1975 桜花賞)
3-03 テンポイント(1977 有馬記念)
3-05 トウショウボーイ(1976 皐月賞)
4-07 ハイセイコー(1973 皐月賞)
マルゼンスキー(1978 引退式)
※2-02 日本短波賞?
4-09 ミスターシービー(1983 菊花賞)
「先週の考察であげた『昭和の名馬』。英国フェア開催記念のタケシバオーと、引退式の画像だったマルゼンスキーが異彩を放っていましたね。『英国』と『引退』。これは昨年あったエリザベス女王Ⅱ世の崩御と、今年行われたチャールズ国王の戴冠式のことでしょう」
「英国王室に由来のあるエプソムCの週だから、その話題を使ったってわけね?」
ギョニ子が確認するように質問した。マスターはうなずく。
「そうだと思います。そして函館には糸井嘉男という、アカイイトの馬名の一部を持つゲストを仕込んだのです」
2021 エリザベス女王杯
8-16 アカ(イイト)(8枠中)
※エリザベス女王Ⅱ世在位中最後のエリザベス女王杯
2022 エリザベス女王杯
8-18 ジェラルディーナ(8枠左)
※エリザベス女王Ⅱ世逝去後最初のエリザベス女王杯
2023 エプソムC
8-15 ジャスティンカフェ(8枠右)
※エリザベス女王Ⅱ世逝去後最初のエプソムC
8-15 ジャスティンカフェ(8枠右)
8-16 アカイイト (8枠中)
8-18 ジェラルディーナ (8枠左)
おおという感嘆の声があちこちからあがった。
「ご覧のように、エリザベス女王Ⅱ世に絡むこれら3レースの1着馬に、『8枠右』『8枠中』『8枠左』と綺麗にひとつずつ割り振っています。そして・・」
函館スプリントS
(8-15)キミワクイーン(横山武史)
2着:ジュビリーヘッド
(ヴィクトリア女王 在位50周年記念金貨)
エプソムC
(8-15)ジャスティンカフェ(横山和生)
「両重賞を『8枠15番』『横山兄弟』で統一。函館スプリントSの2着には、ヴィクトリア女王関連馬名であるジュビリーヘッドを2年連続で起用。さらに言えば、横山兄弟はふたりともすでに天皇賞ジョッキーであり、英国王室関連を演出するにふさわしい兄弟というわけです」
「こんなシナリオがあったんだなぁ」
真一郎がしみじみとつぶやくと、マスターは苦笑しながら言った。
「すべては結果が出たあとだから言えることであり、レース前に気づけなければ1円にもなりませんがね」
「でもさあ、こういう振り返りの積み重ねが、いつか大きな配当を産んでくれるんじゃない?」
ギョニ子が頬を膨らませてそう言うと、マスターはうなずいた。
「そうであるといいですね。いや、そうなるように今週も予想をがんばりましょう」
ひとまず先週の回顧は終了ということで、雑談タイムとなった。
■ ロンドン橋落ちた
「ホントこのふきの煮物おいしいわ。ママ、あとでレシピ教えてね。こういう料理を作れる女にならなくっちゃ。ね、しんちゃん?」
「お、おう・・・そうだね」
真一郎がどもりながらそう言うと、タコ社長が冷やかした。
「おお?おめえらなんだか怪しいんじゃねえのか?ヒューヒュー!」
「怪しいんじゃなくて、もうそういう関係なの!」
ギョニ子は隠すことなくそう言った。
「あんたはねえ、家に帰って古女房を抱くか、エッチな動画でもみてなさいよ!」
「なんだとコ・・・ま、古女房には違いねえか・・」
タコ社長があっさりと認めたので、ギョニ子は振り上げたこぶしを仕方なく降ろした。
「ふきといえばねえ、お弁当の歌を思い出すわねー。これっくらいのおべんと箱に♪・・・」
ギョニ子が手遊び付きで歌い出したものだから、店内のみんなもつられて踊った。
「にんじんさん、さくらんぼさん、しいたけさん、ごぼうさん♪、あなーのあいたレンコンさん、すじーのとおったふーき♪」
「今日子ちゃん、お上手ですね。看護師という職業上、お子さんとうまく関わるために覚えたりするのでしょうか?」
マスターの質問にギョニ子は少し首をかしげながら答えた。
「そうねえ。小児科とか子供と関わる機会が多い看護師ならそうかも。あたしの場合、自分自身が子供のころに好きだったっていうのが理由ね。子供のころに亡くなった母親が、よく歌ってくれたんだよね」
ギョニ子はそう言うと、遠くを見るような目をした。
ギョニ子の母親は、ギョニ子が4歳のときに乳がんで亡くなっていた。いよいよ今夜がヤマという日、父と一緒に病室を訪れたギョニ子に、母は歌を歌ってくれたのだ。意識がもうろうとしている中で、自然と口をついたのだろう。
頭、肩、膝ポン、膝ポン、膝ポン♪
頭、肩、膝ポン、目、耳、鼻、口♪
もともとは「ロンドン橋」という歌なのだが、子供用に替え歌としてアレンジされたものだ。体の部位をいうところでは、それぞれその部位を触わったり指さしたりして遊ぶ。次第にテンポが速くなるため、大人の見本についていけなくなる子供は、遅れたり別の部位を触わったりする。うまくできないことで子供は笑い、そしてもっとうまくなろうとする。
お母さんと一緒に「頭、肩、膝ポン」と歌っていたギョニ子だったが、歌のテンポは速くなるのではなく、少しずつ遅くなっていった。3周目のところで、オルゴールのゼンマイが切れるように歌は次第にゆっくりとなり、「膝ポン」でとまった。お母さんが亡くなったのだ。
人が死ぬということがまだ理解できていなかったギョニ子は、自分の指でお母さんの目や耳を指さしながら、「めー、みみー、はなくちー」と歌った。ギョニ子の父はギョニ子を抱き寄せ、おいおいと声を出して泣いた。
「看護師になってからわかったんだけど、最後に歌を歌ってくれた意味は、母として死のうとしたからなんだって思ったの。看取られる弱い人間ではなく、強い母として。だからあたしが一番好きだった手遊び歌を、力を振り絞って歌ってくれたんだわ」
「ママ、ティッシュちょうだい」
タコ社長はメガネを外して麗子ママに手を伸ばしていた。両目から涙があふれている。
「社長さん今日は泣き虫ね。ふきがおいしいと言っては泣き、今日子ちゃんの思い出を聞いては泣いて・・・」
麗子ママはわざわざカウンター内から出て来て、タコ社長の涙をティッシュで拭いてあげた。
タコ社長が落ち着いたところで、マスターが言った。
「今日子ちゃん、今の手遊び歌の元歌である『ロンドン橋』。『ロンドン橋』を血統に持つ馬がマーメイドSにいますね」
マーメイドS
ビッグリボン(母母ロンドンブリッジ)
「ロンドンブリッジ計画。エリザベス女王Ⅱ世が死去したあとに、英国で執り行われる各種行事などの計画のことをそう言います。先ほど考察したように、先週の函館スプリントSとエプソムCでは、エリザベス女王Ⅱ世に絡むシナリオがあったと言えます。ビッグリボンの役割が気になりますね」
「リボンと言えば」
真一郎が続けた。
「来週には宝塚記念があり、そのあとの阪神12Rはリボン賞でしたよね。ビッグリボンとリボン賞の関係も気になります」
エプソムC(英国関連)
マーメイドS
ビッグリボン
(母母ロンドンブリッジ→英国関連)
宝塚記念
12R(リボン)賞
「ビッグリボンを介することで、エプソムCとリボン賞がつながりますね。興味深いところです」
マスターが言った。時間もちょうどいいということで、その日はお開きとなった。
■ 逆セントウル
2023年6月16日(金)午後8時
-東京都某区 スナック忘れな草-
スナック忘れな草には、いつものメンバーが揃っていた。麗子ママ特製のラーメンサラダに舌鼓を打ちながら、それぞれスマホを見たりお酒を飲んだりしていた。
「この前のふきの煮物もいいけど、このサラダもいいねえ。野菜もとれるし、ラーメンが乗ってるから腹にもたまる。レモンの効いたドレッシングが、梅雨のジメジメを吹き飛ばしてくれるよ」
タコ社長はそう言い、ラーメンをずずっとすすった。何度か咀嚼しすぐに眞露の水割りで流し込む。
「社長さんはいつもお料理をほめてくれるわね。作り甲斐があるってものよ」
そう言って麗子ママはウインクした。
「ハハハ。別に下心はないからね。おいしいものをただおいしいと言ってるだけ」
「でもさあ、手料理をほめてくれるってやっぱり女性としてはうれしいわよ。ね、しんちゃん。もっとあたしの手料理をほめていいんだからね?」
「しんちゃんは口べただからなぁ。でもよう、いつもおいしそうになんでも食べてるじゃねえか?何も言わねえときはおいしんだって理解してあげなよ」
タコ社長が真一郎に代わって弁解してあげた。
「いや、僕だって最初はおいしいって言ってたんですよ。それなのに今日・・いやギョニ子が嘘くさいとか、ホントはまずいんでしょとか何度も聞いてくるから・・・」
真一郎がそう言うと、何か言いたそうなギョニ子を制して麗子ママが言った。
「あらあら、それなら今日子ちゃんが悪いわよ。しんちゃんがおいしいって言ってくれたんなら、素直にありがとうって言わなきゃ」
「そっかー。あたしがもっと素直にならなきゃだね」
そう言ってギョニ子は舌をぺろりと出した。
それから5分ほど、みんながラーメンサラダを食べ終わるまで雑談タイムが続いた。さらに5分ほどの休憩タイムを挟み、今週の競馬を考察する時間となった。
「気になる画像があるの」
そう切り出したのは麗子ママだった。
「JRAサイトのトップ画像、昨年のユニコーンSね」
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「馬の頭部に厩務員さんの頭部がすっぽり隠れちゃってるの。意図的にこのアングルの写真を使用したと思うわ」
マーメイド
ユニコーン
セントウル
「いずれも共通点は実際には存在しない『架空の生き物』ね」
「マーメイドとユニコーンは今週の重賞だけれどよう、セントウルはないわなあ」
タコ社長のことばに麗子ママはうなずいた。
「そうなの。そのセントウルだけど、上半身が人でその下が馬でしょ?トップページの画像はその逆で、頭部が馬、そこから下が人間。つまり『セントウルの逆』ってことを言いたいのだと思うの」
2022 セントウルS 13着
13着:3-03 ジャスパープリンス
(松山弘平)※シンガリ
ユニコーンS
7-12 ヘンリー(松山弘平)
「『セントウルの逆』がセントウルSの逆1番、つまりシンガリ負けのことを示唆なら、シンガリ負け騎手の松山弘平。ユニコーンSでヘンリーに乗るわね」
「セントウルSで乗っていたのが『プリンス』で、ユニコーンSはヘンリーという『王子』の名前。面白いかもしれませんね」
マスターが言った。
「ヘンリー王子の兄はウィリアム皇太子。今年、ユニコーンSと同じダート重賞で、ウィリアムが馬券になっています」
2023/3/26 マーチS
1着:6-12 ハヤブサナンデクン
2着:4-08(ウィリアム)バローズ 牡5
https://db.netkeiba.com/race/202306030211/
「今ググってみたら、ウィリアム皇太子とヘンリー王子は2歳差ですね。ウィリアムバローズとヘンリーも5歳と3歳で2歳差。あるんじゃないですか?」
真一郎がスマホの画面をみんなに見せながら言った。
「明日もっと詰めるとして、今日のところはユニコーンSの注目馬をヘンリーとしておきましょう」
マスターがそうまとめたところで、話は土曜日のレース検討へと移った。画像や動画からの考察が得意な麗子ママが、気になるレースがあるという。
■ ヒノクニ
「いやなニュースと結びつけるネタだから、ちょっと気後れしちゃうんだけど・・・」
そう前置きしてから、麗子ママは説明を始めた。JRAのホームページにあるピックアップのリンクに、騎手課程生徒募集があるという。
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「このリンク画像なのだけれど、優駿6月号にも載っているの」
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そう言って麗子ママは、優駿6月号をみんなに見せた。2ページに、「令和6年度騎手課程生徒募集」とある。
「GⅠレースに混ざって、1勝クラスのレースがあるわ。今村聖奈ちゃんの画像よ」
2023/1/15 小倉12R
1着:7-13(ヒノ)クニ(今村聖奈)
2着:4-08 バトルシャインニング
3着:1-02 ダレモトメラレナイ
「このレースがどうしたっていうんだい?」
タコ社長の問いかけに、麗子ママが答えた。
「例の自衛隊の射殺事件。場所が日野基本射撃場なのよ。1着したヒノクニに『日野』があるわ」
あっと声をあげたのはギョニ子と真一郎だった。ギョニ子が言った。
「2着バトルシャイニングにはバトルが、3着がダレモトメラレナイっていうのも事件につながる感じ」
「それでね、今日子ちゃん。『日野』がつくレース、日野特別を調べてみたの」
2022/6/25
東京10R(日野)特別
1着:2−04 ロードシュトローム(正4)
2着:3−06 アイリッシュセンス
3着:1−02 カセノダンサー
https://db.sp.netkeiba.com/race/202205030710/
「馬券になったのは4番、6番、2番。そして、さきほど出てきた今村聖奈ちゃん。土曜の阪神12Rがぴったりなのよ」
6/17(土)阪神12R
(1−02)タガノチョコラータ
(河原田菜々)★
2−03 サクハル(長岡禎仁)
(2−04)モズジャックポット(正4)
(今村聖奈)★
3−05 ザウリ
(3−06)サンデーファンデー
(永島まなみ)★
★騎乗停止明け
「先ほど出てきたヒノクニは現在2勝馬。今村聖奈ちゃんが乗って勝ったレースが2勝目で、初勝利は長岡禎仁。2枠はこの騎手の同居枠になってるの」
「面白くなってきたじゃねえか。しかも日野特別の馬番に入ったのは、すべて騎乗停止明けの減量騎手ってわけだ」
タコ社長が身を乗り出して言った。
■ 候補生
「騎乗停止の原因となったのはスマホの不正利用だったわね。自衛隊の事件は自衛官候補生によるもの。自衛官候補生も、スマホ使用は厳しく管理されているみたいね」
自衛官(候補生)
騎 手(候補生)
「自衛隊員も騎手も、そうなる前は『候補生』と呼ばれるわ。厳しく管理された中での寮生活も同じよね。日野基本射撃場を示唆するヒノクニ。勝利騎手2名が2枠で同居。そして、日野特別で馬券になった馬番には騎乗停止明けの騎手」
麗子ママの説明にマスターが補足した。
「自衛官候補生のニュースでは、何度も叱責されたという表現が出てきますね。今週から騎乗停止期間が終わり騎乗再開となった6名も、叱責という言葉が適切かはさておき、所属厩舎の調教師や関係者から厳しく指導されたことでしょう。日野特別の1.2着馬のゲートには今村聖奈と永島まなみ。今村聖奈は父が元騎手、永島まなみは父が兵庫競馬の調教師。意図的な配置と思われます」
「ひょっとしたら、日野特別の出目をそのまま使う、枠の2-3だったりして」
ギョニ子が興奮気味に言った。マスターがうなずく。
2022/6/25
東京10R(日野)特別
1着:2−04 ロードシュトローム
2着:3−06 アイリッシュセンス
3着:1−02 カセノダンサー
6/17(土)阪神12R
(2−04)モズジャックポット
(今村聖奈・騎乗停止明け)
(3−06)サンデーファンデー
(永島まなみ・騎乗停止明け)
「自衛官候補生のニュースは非常に残念な悲しいニュースではありますが、タイミング的にあるかもしれません。明日の勝負レースは阪神12Rでいいでしょうか?」
みんな異論はないと、うなずいたり拍手をしたりした。スナック忘れな草の勝負馬券が決まった。
スナック忘れな草 土曜競馬勝負馬券
阪神12R
本 線:枠連2-3
押さえ:枠連2-1.4
スナック忘れな草~ヒノクニ~
―完―