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スナック忘れな草~テムズとともに・エリザベス女王杯④完結編~
■ マスターと麗子ママの出会い
2023年11月11日(土)午後11時
-東京都某区 立ち飲み処 UEGOMORI-
マスターが立ち飲みどころUEGOMORIのドアを開けると、マスターの姿に気づいたキャロラインママは一瞬微笑み、そしてすぐに苦い顔になった。
「いらっしゃい、マスター。ひとりで来たところを見ると、麗子ちゃんとケンカしたのね?」
図星だったマスターはこくりと頷いた。ことの発端はこうだった。金曜日に予想した京都ジャンプステークスとデイリー杯2歳ステークスがいずれも外れたこともあり、先ほどまで行われていたタコ社長ら常連たちとのエリザベス女王杯検討会も、歯切れの悪いものとなった。
週の前半に挙げたジェラルディーナを軸に推す者、金曜日の夜に浮上したルージュエヴァイユとハーパーのいる2枠を軸に推す者、両者譲らず軸馬がまず決まらなかった。加えていろいろな視点から伏兵馬の名前も数頭挙がり、収集がつかなくなった。
長期戦になりそうだと覚悟したマスターは、コロナ感染から復帰してまだ間もない麗子ママを先に家に帰そうとした。ところが麗子ママは、数日間店を閉めたことでみんなに迷惑をかけてしまったのだから、そういうわけにはいかないと固辞した。
店内が険悪なムードになってしまい、気を利かせたタコ社長の一声で今日はお開きにしようということになり、結局エリザベス女王杯の買い目は決まらないままになってしまったという。
■ 2年間の留学
「なるほどねえ。麗子ちゃんの体を気遣ったマスター。常連客に対して誠意を示そうとした麗子ちゃん。正義と正義がぶつかってのトラブルってわけね・・・麗子ちゃんはああ見えて頑固なところがあるからね」
キャロラインママが言った。マスターは、キャロラインママが作ってくれたはちみつレモン入りのホットウィスキーを一口舐めてから言った。
「ママのところで修行中だったときからそうだったんでしょうか?」
「うふふ、そうねえ。確かに頑固なところがあったわ。お客さんに対してはそういうところはないんだけれど、一緒に働く従業員に対しては頑固というか律儀というか・・・」
キャロラインママがまだ別の店でチーママだったころ、麗子ママとマスターはそれぞれ機会を別にして、2年ほどその店で働いたことがある。麗子ママが先にホステスとして2年働き、独立するために辞めたあと、3ヶ月ほどしてマスターが雇われたのだ。
ふたりとも、従業員の指導係を担っていたチーママであるキャロラインママから、水商売のイロハを教わったのだった。
キャロラインママがトロットサンダーとメイショウテゾロで決まったマイルチャンピオンシップを1万円的中させた資金で開いたのが、この立ち飲み処UEGOMORIであり、同窓会のようなかたちで仲間が集まった席で、麗子ママとマスターは出会ったのだった。
「どうやら今週はこの本を紹介する運命にあったようね」
キャロラインママはそう言うと、食器棚の引き出しにしまってあった、一冊の本を取り出した。
「この本の著者はね、ある外国の大学に2年間留学していたの。留学が終わってから8年後に、同じ大学に2年間留学していた人と結婚することになる。ふたりの留学時期は交わってはいないんだけれど、同じ大学に留学していたという偶然が、ふたりを結びつけた可能性は高いわね」
マスターはその本を受け取り、巻末の発行情報を見てみた。令和5年4月28日に初版発行となっている。
「その日付だけれど、ネット情報によると、実際に本が店頭に並んでいたのはもうちょっと早いみたい」
キャロラインママからその日付を聞いたマスターは、驚愕のあまり何も言うことができなくなった。
「ね、びっくりでしょ?とても偶然とは思えないわ。このネットニュース動画をみて」
キャロラインママがスマホで見せてくれた、あるテレビ局のネットニュース。この本を紹介している書店員の名にまた驚かされた。マスターの頭は素早く回転を始めた。点と点がつながり線となっていく。
「さあ、あとはまかせたわよ。あたしから聞いたネタだなんて野暮なことは言わなくていいから、しっかりみんなをまとめてね。あ!その前にもうひと仕事あるわね。麗子ちゃんと仲直りしなくちゃ」
そう言って、キャロラインママはマスターの股間をギュッと握った。
「いててて!」
思わず飛び上がって声を発したマスターに、キャロラインママは言った。
「仲直りはエッチが一番よ。秘密の花園もしっかり愛撫してあげてね」
キャロラインママはそう言うと、舌を前に出しいやらしく空中をねぶり回してから、マスターに向かって四度ウィンクをした。
■ 名牝ウィンクス
2023年11月12日(日)午前8時
-東京都某区 スナック忘れな草-
タコ社長がまずやってきて、ほどなく真一郎とギョニ子も店にやって来た。日曜日の午前早くに召集されたにも関わらず、眠そうな顔をしていたり、不平を言ったりする者はひとりもいなかった。マスターと麗子ママはすっかり仲直りしたようだし、自信に満ち溢れたふたりの顔が、これから始まるプレゼンへの期待感を高めてくれた。
「まずはこの場面をみてください」
全員にコーヒーや緑茶が配られたのを確認して、マスターが口を開いた。画像は「ウマのそら」エリザベス女王杯編の前半、バスケットボールの最後の場面だ。
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「社長さんはこの場面を、阪神タイガースの日本一示唆だと解読してくれました」
「そうそう。ゼッケン4は4勝を、チーム名のWINGSは前回阪神が日本一となった年のエリザベス女王杯馬、リワードウイングだと思ったからよう」
マスターはタコ社長のほうを見て頷き、説明を続けた。
「もうひとつの解釈があります。WINGSはオーストラリアの名牝、ウィンクスを示唆しているという解釈です。ゼッケン4は、同馬のコックスプレート4連覇を指しているのでしょう」
WINGS ゼッケン4
ウィンクス コックスプレート4連覇(2015-2018)
「ウィンクスのラストランは、3連覇となるクイーンエリザベスステークス。ゼッケンは7番でした」
2019/4/13 ランドウィック
クリーンエリザベスS
1着:7番 ウィンクス(3連覇)
エリザベス女王杯
4-(07)ジェラルディーナ(勝てば連覇)
「ウィンクスにはほかに、33連勝という空前絶後の大記録があります。今週、美浦の新坂路コースを紹介する動画がアップされましたが、新坂路の高低差が『33m』なのです」
ウィンクス 連勝記録 33連勝
美浦新坂路 高低差 33メートル
※動画公開 11月9日
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「エリザベス女王杯に合わせてきてるわね!」
ギョニ子がスマホを操作しながら言った。美浦の新坂路コースオープンは10月4日だった。もう少し動画公開が早くてもよさそうなものだが、ウィンクスの「33」に合わせてきたのなら納得だという。マスターが頷いて説明を続けた。
「コックスプレート4連覇といえば、『うまうまな日々』という新しい動画コンテンツに、オメガパフュームが登場します。同馬は、東京大賞典4連覇という記録を持っています」
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「ウィンクスのコックスプレート4連覇に、合わせてきていますね」
真一郎が言った。麗子ママが続く。
「4連覇と言えば、このあとで詳しく説明する熊沢重文騎手の引退式なんだけど、動画での出演となった武豊騎手には、エリザベス女王杯4連覇という記録があるわ」
<武豊騎手 エリザベス女王杯 4連覇>
2001 トゥザヴィクトリー
2002 ファインモーション
2003 アドマイヤグルーヴ
2004 アドマイヤグルーヴ(連覇)
「最後の2年がアドマイヤグルーヴっつうのもいいな!ジェラルディーナの連覇を示唆ってわけだ」
タコ社長がそう言うと、麗子ママがにっこりとほほ笑んだ。マスターが説明を再開する。
「名牝ウィンクスを出してきたのは、さきほど言ったようにクイーンエリザベスステークスを3連覇しているのもあるでしょう。しかし、同馬にはもうひとつ役割があります。『100』という数字を示唆するためです」
「100を示唆?どういうわけだい?」
タコ社長が尋ねて、マスターが答えた。
「センテニアル・パーク京都競馬場です。『100周年』を意味するセンテニアルですが、オーストラリアにセンテニアルパークという公園があるのです」
「ああ!前にもそんな話をした覚えがあるわ!」
ギョニ子が言った。
「でも、今年のエリザベス女王杯と『100』がどうつながるのかしら?」
マスターが口元に笑みを浮かべて言った。
「昨年のエリザベス女王杯は、エリザベス女王の訃報がなければ、副題が付与される予定でしたね?」
「あっ!えーーと、エリザベス女王即位70周年記念ね?」
ギョニ子がそう言うと、真一郎が補足した。
「同じ副題のエプソムカップはそのまま施行されましたが、エリザベス女王杯のほうは取りやめになったんでしたね」
マスターが頷いて言う。
「その通りです。昨年のエリザベス女王杯には『70』という数字があった。そして今年、エリザベス女王杯のひとつ前のGⅠ、天皇賞秋は天覧競馬となりましたね?」
2023 天皇賞(秋)
天皇皇后両陛下 行幸
「慶祝競走とはなりませんでしたが、天皇皇后両陛下は今年、御成婚から30周年を迎えられています。天皇賞秋とエリザベス女王杯をセットで考えるなら、今年のエリザベス女王杯は『30』という数字を持っていると言えます」
2022 エリザベス女王杯
隠れ副題「エリザベス女王即位70周年記念」
2023 エリザベス女王杯
隠れ副題「天皇皇后両陛下 御成婚30周年記念」
70+30=100
ウィンクス=オーストラリア=センテニアルパーク
センテニアル=100
■ テムズとともに
「さて、御成婚30周年を迎えられた天皇皇后両陛下ですが、おふたりには英国のオックスフォード大学に2年間留学していたという共通点があります」
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「ぴったり2年間ではないでしょうが、ご略歴の和暦年号から、おふたりの留学期間は2年間と言えます。先ほど出てきたウィンクスの4連覇。こじつけにはなりますが、オックスフォード留学を示唆している可能性もあります」
コックスプレート 4連覇
オックスフォード 2年間×2
おおという声が店内に響いた。マスターがカウンターの下から本を取り出し、みんなに言った。
「ここに一冊の本があります。新装復刊された本ですが、最初は天皇陛下が皇太子時代の1993年に上梓されました」
『テムズとともに―英国の二年間-』
徳仁親王(著)
天皇陛下、青春時代の清新な
英国留学記 新装復刊
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「しばらく絶版となっていましたが、今年の春に復刊されました。帯の説明文にある『青春』と『清新』。青の4枠を示唆と言っていいでしょう」
「英国の二年間か・・・」
タコ社長が腕を組みながら言った。
「昨年と今年のエリザベス女王杯は、2年セットと言っているようだぜ」
マスターが頷いて言った。
「今年のエリザベス女王杯は、新京都競馬場で施行される初めての競走です。実はこの『テムズとともに』なのですが、巻末の情報では今年の4月28日発行となっています。ところがAmazonなどの書籍情報によると、4月22日には店頭に並んでいたようなのです」
『テムズとともに―英国の二年間-』
徳仁親王(著)
発売日:令和5年4月22日
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センテニアル・パーク京都競馬場
グランドオープン:令和5年4月22日
「すごい偶然ですね!」
真一郎が興奮して言った。マスターは冷静に答える。
「おそらく偶然ではないでしょう。誰か仕掛け人がいたはずです。その仕掛け人はJRAに近しい人間だと思われます。この書籍を紹介しているテレ東BIZの動画を見てください」
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「有馬!?なんなのこれ!」
ギョニ子が叫び声といってよいほどの大声を挙げた。マスターが頷いて言った。
「有馬と言えば有馬記念。JRAには人名がつけられたGⅠが4つありますが、そのうちのひとつですね」
<JRA 人名GⅠ>
高松宮記念
安田記念
エリザベス女王杯
有馬記念
「これら4つのレースのうちのふたつ、安田記念とエリザベス女王杯の関係はこうなります」
●安田記念
2022 安田伊左衛門 生誕150周年記念
ソングライン
2023 競馬法100周年記念
ソングライン(連覇)
●エリザベス女王杯
2022 エリザベス女王即位70年記念(取りやめ)
ジェラルディーナ
2023 隠れ副題「天皇皇后両陛下 御成婚30周年記念」
ジェラルディーナ(連覇)?
「人名タイトルGⅠであり、ともに節目の年に行われた安田記念とエリザベス女王杯。ジェラルディーナが勝てば、両レースはいずれも昨年からの連覇となります」
タコ社長、真一郎、ギョニ子。みんな唸るばかりで声が出ないようだった。
「もうお腹いっぱいかもしれませんが、まだあります。先ほど出てきた『安田伊左衛門 生誕150周年記念』。徳仁親王の『テムズとともに』もまた、学習院大学の創立150周年記念事業のひとつとして新装復刊されたものなのです」
2022 安田記念
安田伊左衛門 生誕150周年記念
2023/4/22 発売
『テムズとともに―英国の二年間-』徳仁親王(著)
学習院大学 創立150周年記念事業
■ 熊沢重文騎手の引退式
情報量が多すぎて頭がパンパンだというタコ社長の言葉を受けて、10分間の休憩を挟んだのち、プレゼンが再開された。今度は麗子ママの番だった。
「昨日の熊沢重文騎手の引退式。アップされた動画を見てみたの。勝負服はダイユウサクのものだったわ」
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「動画で熊沢重文騎手への労いの言葉を述べた武豊騎手も、思い出の一つとしてダイユウサクが勝った有馬記念をあげていたわ」
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1991 有馬記念
1着:5-08 ダイユウサク
2着:1-01 メジロマックイーン
8+1=9
「8番と1番で合計9よね?7番のジェラルディーナが軸馬なら、相手は2番のルージュエヴァイユがふさわしいわ」
2023 エリザベス女王杯
1着:4-07 ジェラルディーナ(連覇)
2着:2-02 ルージュエヴァイユ
7+2=9
「ダイユウサクの有馬記念と同じで、1.2着馬の合計馬番が『9』となるわ」
「合計の数字が一致することに、何か意味があるんでしょうか?」
真一郎が訊いた。もっともな質問だと、タコ社長とギョニ子も頷いた。麗子ママが説明する。
「金曜日に紹介したUMAJOとDa-iCEのコラボ動画を覚えているかしら?」
みんなが頷いた。
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「Da-iCEというグループ名は、ダンスとダイス、つまりサイコロを合体させた造語なの。サイコロってほら、上下の数字を足すと必ず『7』になるでしょ?」
1+6=7
2+5=7
3+4=7
7+7+7=21
2-02 ルージュエヴ(ァイ)ユ
(=愛子内親王 21歳)
4-(07)ジェラルディーナ
「上下を足せば『7』。これがジェラルディーナのゼッケン。全部の目を足した『21』は愛子様の現在の年齢を示している。そして、この2頭で決まれば、7+2で『9』となり、ダイユウサクとメジロマックイーンの年と一致するの」
1991 有馬記念
ダイユウサク+メジロマックイーン=9
2023 エリザベス女王杯
ジェラルディーナ+ルージュエヴァイユ=9
「ママすごいわ!よく考えられてる」
ギョニ子がそう言うと、麗子ママはにっこりと笑って続けた。
「Da-iCEを登場させた理由はもうひとつあると思うの。ダイワスカーレット。エリザベス女王杯を7番で勝っている名牝だけれど、名前にダイスが入っているわ」
2007 エリザベス女王杯
5-(07)(ダイ)ワ(ス)カーレット(ダイス)
2023 エリザベス女王杯
4-(07)ジェラルディーナ
■ ジュニヤーダイオー
「熊沢重文騎手の引退式で、違和感を覚えたのが最も印象に残っているレースを尋ねられたとき。ダイユウサクの勝負服を着ていたから、てっきりダイユウサクの有馬記念のことを言うと思ったら、デビュー初騎乗のジュニヤーダイオーの名を挙げたの」
1986/3/2 阪神7R
5着:2-02 ジュニヤーダイオー(熊沢重文)
※デビュー初騎乗
エリザベス女王杯
(2-02)ルージュエヴァイユ
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「これには司会進行のアナウンサーも驚いたようで、大レースをいくつも勝っていますが、最も印象に残っているのはデビュー戦なのですね?と確認していたわ」
■ 黒岩
5分ほど休憩を取っている間、マスターはみんなの飲み物を作り直した。みんながあらかた飲み物を飲んだのを見計らって、麗子ママが説明を再開した。
「熊沢重文騎手の引退式だけれど、2番ルージュエヴァイユ示唆の面白い仕掛けがあったわ」
麗子ママによると、引退式当日のジャンプ重賞も込みで、騎手情報ページを示唆しているという。
「みんな騎手情報で熊沢重文騎手のところを見てみて」
みんなはそれぞれ自分のスマホで騎手情報を確認した。
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「熊沢重文騎手の左にいるのが、昨日京都ジャンプステークスをエコロデュエルで勝った草野太郎騎手。真上にいる北沢伸也騎手は、障害騎手を代表して花束贈呈をしたわ」
2023/11/11(土)
京都ジャンプステークス
8-11 エコロデュエル(草野太郎)
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「次は真下の国分優作騎手。彼は言うまでもなくダイユウサクのことよね」
「上下左右の4名の騎手のうち、残るは右の黒岩悠騎手。今日は騎乗なしというところをみると、同じ姓の黒岩陽一調教師のことだと思うの」
エリザベス女王杯
2-02 ルージュエヴァイユ(黒岩陽一)
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「なるほどなあ。ルージュエヴァイユが来れば、熊沢重文を取り囲む上下4名の騎手が勢揃いってわけだ!」
タコ社長が言った。麗子ママだけではなく、みんながうんうんと頷いた。
■ コスモドリーム
「さあ、いよいよ最後のネタよ。熊沢重文引退セレモニー。11月11日。『11』の強調よね?昨日、UMACAスマートという新しいサービスが開始されたけれど、JRAが展開するスマホ関連のコンテンツに、JRA公式アプリがあるわね。そのアプリを紹介する画像に、ゼッケン11の馬が使われていたのを、覚えているかしら?」
マスター以外のみんなが首をひねる中、真一郎が閃いたように言った。
「えーと、確かベルグヤワタじゃなかったでしょうか?」
麗子ママがにっこりと笑って頷いた。
2006/3/4
中山5R 3歳未勝利
1着:1-02 ゴールデンミシエロ
2着:1-01 トーセンクルーズ
10着:6-(11)ベルグヤワタ
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「その通りよ、しんちゃん。中央、地方通じて未勝利の馬がなぜ選ばれたのか。UMACAスマート開始の日であり、熊沢重文騎手引退式の日でもある『11月11日』を示唆する『11』番ゼッケン。これがひとつの理由だろうけど、他のレースにも仕込みがあったの。ベルグヤワタのデビュー3戦目よ」
2005/11/26
東京3R 2歳未勝利
1着:7-15(コスモ)ワイズマン
2着:2-03 エムケイ(ドリーム)
7着:3-05 ベルグヤワタ
「おお!コスモドリームか!熊ちゃんのGⅠ初勝利じゃねえか!」
タコ社長が興奮して言った。
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「そうなの。1着馬と2着馬から、『コスモドリーム』を除いて、あまった文字を並べ替えてみるわね」
エムズ
ケイワイ
マン
「『エムズ』『ケイワイ』『マン』。3つの単語になるわ。『エムズ』はルージュエヴァイユの同枠、ハーパーの馬主。『ケイワイ』はルージュエヴァイユの厩舎と、ハーパーの騎手のイニシャルよ」
2-02 ルージュエヴァイユ
(黒岩陽一=【K】UROIWA 【Y】OICHI)
2-03 ハーパー(【エムズ】レーシング)
(川田将雅=【K】AWADA 【Y】UGA)
「都合のいいように2枠両頭を選んだのではなくて、騎手、調教師でイニシャルが『ケイワイ』なのはこのふたりだけなの」
「そ、そうすると残る『マン』はどうなるのでしょうか?」
真一郎が声を上ずらせて言った。麗子ママが言った。
「JRAのホームページから、エリザベス女王杯の出馬表を開いて、ページ内検索で『マン』を検索してみて。一頭だけ該当するわ」
真一郎とギョニ子はさっそくスマホを操作した。スマホに慣れていないタコ社長には、マスターが操作を教えてあげた。ほぼ同時に三人が声を挙げた。すげー、ブラボーという声が店内に響いた。
4-07 ジェラルディーナ
3走前:クイーンエリザベスⅡ世カップ
1着:1番 ロ(マン)チックウォリアー
6着:7番 ジェラルディーナ
満場一致でスナック忘れな草の勝負馬券が決まった。
スナック忘れな草
エリザベス女王杯 勝負馬券
◎7番 ジェラルディーナ
〇2番 ルージュエヴァイユ
▲3番 ハーパー
単勝:7番
3連複:2-3-7
3連単:7→(2.3)→(2.3)
■ 編集後記
『テムズとともに』と(エムズ)レーシング。
これも偶然とは思えません。
そして、JRAの2023無料カレンダー。
「共に走った。共につかんだ」
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騎手と競走馬の名コンビを扱ったものです。
「共に」というワードを使ったのも、
『テムズとともに』を意識したのものでしょう。
<JRA無料カレンダー>
2021「喝采は受け継がれる。」
2022「歴史をつなぐ日本の種牡馬たち。」
2023「共に走った。共につかんだ。」


親子。
そして血のつながりはない騎手と馬の名コンビ。
前者は天皇皇后両陛下と愛子内親王の関係を、
後者は天皇皇后両陛下の関係を示唆しているのでしょう。
2019 2番 ラッキーライラック(京都)
2020 18番 ラッキーライラック(阪神・連覇)
2021 17番 アカイイト (逆2・阪神)
2022 18番 ジェラルディーナ(阪神)
2023 7番 ジェラルディーナ(京都・連覇)
(2番ルージュエヴァイユ)
アカイイトを中心とした綺麗な対称構造。
ラッキーライラックの連覇年は、
2着馬、3着馬が前年と同じ配置でした。
2019 エリザベス女王杯(京都)
1着:1-02 ラッキーライラック
2着:3-06 クロコスミア(正6)
3着:6-11 ラヴズオンリーユー
2020 エリザベス女王杯(阪神代替)
1着:8-18 ラッキーライラック
2着:7-13 サラキア(逆6)
3着:(6-11 ラヴズオンリーユー)
ジェラルディーナが連覇するなら、
昨年同様2着馬と3着馬はゾロ目ではないか?
●ウィンクスのコックスプレート4連覇
コックスプレートが最後にJRAで発売されたのは、
リスグラシューが勝った2019年でした。
リスグラシューは今週FacebookとYouTubeに
登場した馬であり、春秋のグランプリを連覇した馬です。
連覇というキーワードから、
やはりジェラルディーナが浮上します。
ジェラルディーナから、
2枠両頭への馬券となれば枠の4-2-2
これは『テムズとともに―英国の二年間-』の、
発売日「4月22日」と一致します。
さて、『テムズとともに―英国の二年間-』の
残りを読みながら、お酒でも飲んで
エリザベス女王杯の発走を待ちたいと思います^^
P.S.
騎手情報の「か行」
今日の8時ごろまでは
熊沢重文騎手の名前があったのですが、
現在は引退騎手のページへ移動しています。

