スナック忘れな草~極奇妙・2024スプリンターズS②~
トップ画像引用:Flameracing ※加工して使用
■ 縦読み再考
2024年9月26日(木)午後7時
-東京都某区 スナック忘れな草-
本命がウインマーベルに決まってから3日後、対抗馬にサトノレーヴを挙げたのは真一郎だった。ウインマーベルをプレゼンしたときと同様、優駿10月号の特集記事がネタだという。
「例の優駿10月号の特集記事。春のGⅠ勝利馬4頭をピックアップしていましたよね?」
<優駿10月号 特集記事 再びの戴冠へ>
ダノンデサイル
チェルヴィニア
ステレンボッシュ
マッドクール
みんながうんうんと頷いた。
「それぞれの馬についていた、小見出しがこれです」
ダノンデサイル
馬を思い、決める未来
チェルヴィニア
最後の一冠で世代最強を示す
ステレンボッシュ
偉大なる先輩の背中を追う
マッドクール
馬なりに歩んだ飛躍の蹄跡
「次に、この小見出しの頭文字を並べるとこうなります」
ウ
サ
イ
ウ
「ウサイウか・・・なんだかチンプンカンプンだぜ」
タコ社長が素直に感想を述べた。みんなも頷いている。
「これを、GⅠを勝った順番に並べ替えてみます。つまり、下から読むんです」
ウ
イ
サ
ウ
「『ウイ』はわたしたちの本命ウインマーベルの『ウイ』。そして『サウ』は・・・」
真一郎がそこまで言ったところで、店のドアが開いた。
■ サトノレーヴ
入ってきたのはくろたんだった。ノーコスプレ、ダンディくろたんだ。いや、GⅠ仕様ウルトラダンディくろたんだ。
「『サウ』はわたしの新しい本命馬、『サ』から始まり『ヴ』で終わる馬ですよ」
くろたんは『ヴ』のところで、下唇に軽く上の前歯を立てた。そして、優雅にタコ社長の右に腰をおろす。
すでに響のロックを用意していたマスターは、グラスをくろたんの前に滑らせながら言った。
「『サ』から始まり『ヴ』で終わる馬・・・サトノダイヤモンヴ・・ですね?」
「ちゃうわい!!」
「2005年のスプリンターズS勝ち馬、サイレンスウィットネヴだろ?」
今度はタコ社長だった。
「ちゃうちゃう!」
「『一緒に見たい夢がある。』第41代ヒーロー、サクラローレヴ!!」
真一郎がこぶしを握り締めながら叫んだ。
「ぜんぜんちゃうーー!」
「府中で星になった名馬、サイレンヴヴヴカ」
今度はギョニ子だ。
「ソ連の鳥人、セルゲイ・ブブカか! ヴで終わってないし!」
「2009年のフェブラリーステークス、サクセスブロッケンカジノドライヴ!!」
最後は麗子ママだった。
「1.2着馬をつなげるな!! ・・っていうか波状攻撃やめい!! しかもたいして面白くもない!!」
くろたんはそう言うと、琥珀色の液体を喉に流し込んだ。
「当初はトウシンマカオが絶対軸馬だと思っていましたが、サトノレーヴが逆転しました。まずは軽いところから」
島耕作 会長
キンシャサノキセキ (オーストラリア)
※JRA-VAN公式 9/24ポスト
キンシャサノキセキ
サトノレーヴ D.レーン(オーストラリア)
里見治 会長
「次は重賞インフォメーション、タワーオブロンドンから。複雑に考えなければこれでしょう」
タワーオブロンドン
京王杯SC1着 (D.レーン)
キンシャサノキセキ
高松宮記念・連覇・(堀厩舎)
スプリンターズS
サトノレーヴ (D.レーン・堀厩舎)
堀厩舎、スプリンターズS未勝利
みんながうんうんと頷く。
「次におなじみの『ウマのそら。』シリーズ。妊婦が登場するやつでしたが、Dレーンの妻が10月末には出産予定とのことです」
「重賞インフォメーションに戻って、ナレーションからはサトノレーヴとトウシンマカオ」
重賞インフォメーション
スプリンターズS ナレーション
「タワーオブロンドンがG1初制覇
サマースプリント王者によるスプリンターズS制覇は、
史上初の快挙となった」
2024年 サマースプリント優勝
サトノレーヴ(母父サクラバクシンオー)
トウシンマカオ(父父サクラバクシンオー)
みんながなるほどと頷いた。
「さらに、重賞インフォメーションのトップ画像」
「絶妙に切り取った画像ですね。タワーオブロンドン以外にゼッケンがわかる馬がいます。ターフビジョンに映っているゼッケンです」
2019 スプリンターズS
3着 1-2 ダノンスマッシュ
(父ロードカナロア) (安田隆行)
ダノンスコーピオン(父ロードカナロア)
サトノレーヴ(父ロードカナロア)
「さあ、次は優駿の該当ページ。スプリンターズステークスは第58回。そこで58ページをみてみます。札幌競馬場についてです」
「サトノレーヴの前走、キーンランドカップは札幌ですね」
みんなが頷いた。
「もうお腹いっぱいでしょうがまだあります。JRAFacebookの投稿です」
あの名馬のデビュー戦を振り返る
ドゥラメンテ
ドゥラメンテ( 3/22生まれ・堀宣行)
サトノレーヴ( 3/22生まれ・堀宣行)
「サトノレーヴ、秋のフルコース。みんなの夢を添えて・・・いかがでしたでしょうか? みなさんも本命をサトノレーヴに乗り換えたっていいんですよ?」
くろたんは不敵な笑みを浮かべると、夜の街へと消えた。
真一郎が言った。
「小見出しの縦読み『サウ』。今くろたんがプレゼンした、サトノレーヴの頭と尻文字だと思っていました」
マスターが頷いて言った。
「わかりました。今日の時点では、本命ウインマーベル、対抗サトノレーヴとしておきましょう」
みんながうんうんと頷いた。
その後、雑談が中心の時間が流れ、そのままお開きとなった。
■ 決選投票
2024年9月27日(金)午後3時
-東京都某区 スナック忘れな草-
自民党総裁選の決選投票が高市早苗と石破茂に決まったのを確認し、マスターは心の中でよしと小さく叫んだ。サイン発動とみてよいだろう-
~~~
午後6時半。真一郎とギョニ子が指定席に落ち着き、いつもの常連メンバーが揃った。
「石破茂か・・・」
タコ社長が言った。
「ま、決まったことはうちらにはどうしようもねえ。お手並み拝見といこうじゃねえか?」
みんながうんうんと頷いた。
「決選投票で惜しくも敗れたものの・・・」
マスターが満を持して言った。
「これで島耕作の第3話につながってきましたよ」
「使われていた画像は、2015年10月25日、東京10レース。甲斐路ステークスでした」
「あ! このレースね。特定できなかったの!」
ギョニ子が言った。2020年あたりまで、手作業で調べたが特定できなかったという。マスターが言った。
「東京10レース、芝、11頭。3角先頭が11番。これで絞りこみました。1番が芦毛なのと、アスクの馬がみえたことも幸いしました」
みんながマスターに注目する。
「甲斐バンドの甲斐に路で『カイジ』。同音異義語に開示がありますね。なんとなく選挙関連用語っぽいじゃないですか?」
開示
開票
公示・告示
みんながなるほどと頷いた。
「そして、島耕作の第3話では、シンクグローバルがいよいよデビュー戦を迎えます。ゼッケン4番です。そこで、この甲斐路ステークスがあった日の第4レース、メイクデビュー東京をみてみます」
2015/10/25(日)
東京4R メイクデビュー東京
1着:6-11 メイプルキング(高市圭二)
みんながおおという声を挙げた。
「高市圭二か! なるほど高市早苗につながる。JRAは、選挙ネタから島耕作の第3話に仕込みを入れた・・・そういうこったな?」
タコ社長の問いに、マスターが顎を引く。
「その推理が決して強引ではないことは、高市圭二調教師が管理したこの馬からもわかります」
2019 中山大障害
(シング)ンマイケ(ル)高市圭二
島耕作
(シンク)グローバ(ル)
(シンク)グローバル
サクラバ(クシン)オー
「なるほどです! シンクで始まりルで終わる。シングンマイケルが中山大障害を勝った翌年、高市圭二調教師は鬼籍に入った・・・しかも中山大障害は最初で最後のGⅠ勝利・・・そうでしたよね?」
真一郎が言った。マスターが頷く。
「そうです。JRAは同じ高市姓から選挙を題材にすることを考え、この日を選んだ。この日、もうひとつメイクデビュー東京がありました」
2015/10/25(日)
東京3R メイクデビュー東京
1着:3-06(外)ストロングバローズ(堀宣行)
スプリンターズS
6-12 サトノレーヴ(堀宣行)
みんながなるほどと頷いた。
「この日、京都メインは菊花賞でした」
京都11R
第76回 菊花賞
1着:2-04 キタサンブラック
(母父サクラバクシンオー)
スプリンターズS
6-12 サトノレーヴ
(母父サクラバクシンオー)
「サトノレーヴ・・・サインが集中している感じね」
ギョニ子が言った。麗子ママが続く。
「同日の東京メインはブラジルカップだわ。そうなるとモレイラのビクターザウィナーね」
2015/10/25(日)
東京11R ブラジルC
スプリンターズS
7-14 [外]ビクターザウィナー
(Jモレイラ=ブラジル出身)
「ビクターザウィナーはシャム調教師だよな?」
タコ社長が言った。
「くろたんさんのポストに、シリウスステークスの出走馬情報ネタがあったぜ。ビヨンドザファザーの画像が直近勝利じゃないってな。使われてたのは桃山ステークスだが、直近勝利はアハルテケステークス。安田記念の前日だ」
シリウスS 出走馬情報
ビヨンドザファザー(桃山S)
ビヨンドザファザー 直近勝利
2024/6/1(土)
東京11R アハルテケS
※ 安田記念前日
第74回 安田記念
4-07 [外]ロマンチックウォリアー(Cシャム)
スプリンターズS
7-14 [外]ビクターザウィナー(Cシャム)
(ビ)ヨンド(ザ)ファザ(ー)
(ビ)クター(ザ)ウィナ(ー)
みんながおおという声を挙げた。タコ社長が続ける。
「しかもだ。ヘッドラインに『記録』って文言があっただろ? 記録はレコード・・・ビクターはお似合いってわけさ」
スプリンターズS
GⅠヘッドライン
「瞬きを許さない6ハロン、記録も記憶も塗り替えろ。」
記録 = レコード
[外](ビクター)ザウィナー
※(ビクター)エンタテインメント
「ちょっと整理しましょう」
マスターが言った。
「本命ウインマーベルに、サトノレーヴ、そしてビクターザウィナー。ここまではいいですね?」
みんながうんうんと頷いた。
「さて、今出てきたロマンチックウォリアーの安田記念勝利ゲート4枠7番。さきほど出てきたシングンマイケルの中山大障害も、同じゲートでした」
2019/12/21(土)
第142回 中山大障害
(4-07)シングンマイケル(高市圭二)
第74回 安田記念
(4-07)[外]ロマンチックウォリアー
スプリンターズS
(4-07)(外)マッドクール
「ここへ来てマッドクールが浮上。4頭になったわね」
ギョニ子が言った。マスターが続ける。
「さて、今年は平地GⅠ当日にウルトラプレミアムカップが組まれています。スプリンターズステークスを7番で勝った、最後の馬をみてください」
2010/10/3
第44回 スプリンターズS
(4-07)[外](ウルトラ)ファンタジー
スプリンターズS
(4-07)(外)マッドクール
みんながおおという声を挙げた。
「ウルトラプレミアムカップがある秋最初のGⅠ。ウルトラファンタジーのゲートを使ってきてもなんら不思議ではありません。7番マッドクールはマル外。7番のマル・・・JRA70周年にふさわしいともいえます」
4-【07 マル】外マッドクール
07マル → 70
「しかも、ウルトラファンタジーが勝ったのは第44回。くろたんのポストにあった、重賞インフォメーション、タワーオブロンドンのスプリンターズステークス。4-4のゾロ目は第44回を示唆ということも考えられます」
「対抗はマッドクールでいいんじゃないでしょうか?」
真一郎が言った。昨日、サトノレーヴを対抗に挙げた真一郎自身がそう言うのであれば、誰も異存はない。
その時、ギョニ子があっという声を挙げた。
「もし、ウインマーベルとマッドクールで決まったら、頭文字は『ウ』と『マ』・・・CMで見上愛が『ウマ』って繰り返すでしょ? 一発目のGⅠでウルトラ大サービスがないかしら?」
【ウ】インマーベル
【マ】ッドクール
みんながおおという声を挙げて、スナック忘れな草の本命、対抗が決まった。
スナック忘れな草
スプリンターズS 最終結論
◎3番 ウインマーベル
〇7番(外)マッドクール
▲12番 サトノレーヴ
△14番 [外]ビクターザウィナー
くろたん
◎12番 サトノレーヴ