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親の責任は何歳まで?自立はいつから?

2022年4月、成年年齢が20歳から18歳へ引き下げに

成年年齢が引き下げられたことにより、
この他、何がどのように変わったのでしょうか。

飲酒や喫煙、公共ギャンブルなどは現行どおり20歳以上からですが、部屋の賃貸、携帯電話やクレジットカードの契約、高額商品のローンを組むことなどが、親の同意がなくても自分の意志でできるようになります。
その他、10年パスポート取得や、公認会計士、司法書士など国家資格の取得も法律上は可能になります。

公職選挙の選挙権年齢は、2015年に20歳以上から18歳以上へ引き下げが公布されていますが、市民生活の基本法でもある民法の成年年齢が引き下げられることにより、若者の社会参加の時期がますます早まり、社会のさまざまな分野で役割を担うことが期待されるでしょう。

その反面、社会経験の少ない若者が、安易に契約を結びトラブルになる恐れなども危惧されています。未成年者取消権は行使できず、責任も自分自身が負わなければなりません。

育児放棄(ネグレクト)の対象は児童(18歳未満)

また厚生労働省は「児童虐待防止法」において、「児童虐待とは、保護者がその監護する児童(18歳に満たない者)について行う、身体的虐待・精神的虐待・心理的虐待・育児放棄の行為をいう」としています。

育児放棄(ネグレクト)は、ほかの3種類の虐待が一般的に「子どもに有害なことをする」ものであるのに対して、「子どもが必要とするものを親が提供しない」ことをいいます。
つまり保護者(親)は18歳までの子どもには、適切な生活環境や食事、衣服の着替えなどを提供しなければならないということです。

このようなことから親の責任は、法律上では子どもが18歳になるまでと考えられるでしょう。
ですが、道義上はどうでしょうか。このことについて、考えてみましょう。

「子どもの責任は親の責任」といわれるのは何歳まで?

幼い子どもが何か問題を起こした時、親は責任を問われます。
例えば小学校で友達にうっかりケガをさせてしまった場合、担任の先生は親に連絡し、子どもと一緒に相手の自宅に謝りに行くということがあるでしょう。
まだ小さい子どもの場合は、子どもが起こしてしまったトラブルや事故は親にも保護者としての監督責任があるといえます。

中学生の子どもが公共の乗り物で騒いでいたら「親の躾がなっていない」と、世間の人は思うでしょう。

いったい、世間ではいつまで道義上「子どもの責任は親の責任」とするのでしょうか。子どもが成年年齢に達したらでしょうか。あるいは、就職し経済的に自立するまででしょうか。

では、いつまでも就職をせず自宅にいる子どもは、いつまでも親が責任を背負う必要があるのでしょうか。

時々「甘やかしてばかりいると、子どもが自立しない」という言葉を聞くことがあります。
では突き放せば自分で責任を取れる自立した子どもになっていくのかというと、実際はそうではありません。
もし突き放すことで自立するのなら、子どもが自立しないと悩む親はいないでしょう。

親の役目は年齢ではなく、子どもを自立させ社会へ送り出すこと

確かに現在は成年年齢を過ぎれば、法律上では大人として扱われます。
何か問題を起こしても、子ども自身が責任を背負わなくてはなりません。
ですが法律上はなくとも、成年まで育てた親に、道義上の責任はあるのではないでしょうか。

子どもは急にその年齢になったのではなく、人格形成に親の日常の姿や関わりが大きく影響しているのはいうまでもないでしょう。

親は子どもが可愛いあまり、転ばぬ先の杖を出し過ぎたり、早く自立させようと突き放したり、子どものためを思い、したことが実は反対に子どもの自立を妨げていた、ということもあるのです。

親子は何歳になっても親子です。親は責任をいつまで取るかではなく、親の責任とは、子ども自身が責任ある言動をするように、自立した大人に育てることではないでしょうか。

まとめ

成年年齢が繰り下げられれば、法律上の子どもへの親の責任もその時点でなくなります。ですが子どもは急にその年齢になるのではありません。

子どもが18歳から成人としての自覚を持つならば、親も子どもを18歳には、社会へ羽ばたき、自立した大人に育てる責任を持たなければならないでしょう。

子どもが親の元を離れていった時、しっかり自立し、たくましく巣立つ子どもの後姿を見送りたいものです。そして社会に恩返しできる子に育てることが、親の責任でもあり、また親の幸せではないでしょうか。

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