『ホノカアボーイ』(2008年 日本) 監督 真田敦 主演 岡田将生
《あらすじ》
彼女と別れ、大学を休学したレオ。以前虹の月“ムーンボウ”を見に
彼女と訪れたハワイのホノアカという日系人の町をふらりと訪れ
そのままその町の映画館で映写技師として働くことになる。
吉田玲雄さんのエッセイを映画化した作品。
いつの頃からか、実年齢の数字はあっという間に増えて行くのに、
内面的な年齢はどんどんおいてけぼりになっていくこの感じ。
ふと鏡に映る、老けた自分の姿を見て、一瞬、玉手箱を開けた直後
の浦島太郎のような錯覚に陥る瞬間があったり。
ビーも多分そうだったんだろうなぁ。
レオから見れば、ビーは自分よりずっと年上のおばあさんだけど、
ビーから見れば、自分がレオの年齢だったのは、ついこの前の感覚。
でも実際にレオと同世代のマライアを目の当たりにすると、自分が
もうレオに恋をするような年齢ではないことを思い知らされてしまう。
そのどうしようもない現実と内面とのギャップに苦しみながらも、
レオへの恋心をおさえることができず、おしゃれ二目覚めたり、恋敵に
意地悪したり、落ち込んだりするビーがとても可愛くてそして切ない
んです。
それにしても、人懐っこくて優しくて無邪気で鈍感なレオみたいな
男の子って本当に罪深いなぁ。岡田将生くん本当に上手いな。
人の生死をも優しくゆったりと包みこむ、ハワイの悠久な時の流れと
雄大な大自然にいつの間にか心癒される作品。
料理家の高山なおみさん担当の美味しそうな料理や、劇中に流れる
青柳拓次さんの「つきのにじ ~moonbow」というウクレレの歌など
この作品を構成する全てのものが心地よいのです。
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