大学サボって東京タワー
7月26日
大学をサボって東京タワーに来た。しばらく展望台をうろうろしながら東京の街を見下ろしていた。はるかにそびえる麻布台ヒルズ。東京湾の水面に照らされるレインボーブリッジ。解体が進行中のビル。そしてうごめく東京の人々。ふしぎと心が落ち着く感じがした。
小学生のころ、放課後に朝礼台から校庭をのんびり眺めていた。知っている人たちや知らない人たちが遊んでいた。誰の仲間にもならず、ぼくはただひたすら彼らを眺めていた。
今、ぼくは東京の街を見下ろして、人々を眺めている。ぼくたちは、空から見下ろせばあまりに小さな生き物だ。遥かなる空、大地から見れば米粒にも満たない。あのころのぼくは無意識にそれを感じようとしていたのかもしれない。
地上150mの空の上で、かつてぼくが空と、大地とつながっていたことを少しだけ思い出した。大学をサボってよかった。