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冬コミお疲れ様でした己の本も合同誌もやれてよかった楽しかった出会ってくれたあんた方は超最高いつもありがとう森羅万象に感謝だよスペシャル


まえがき

おれは夢と幸福。

ふだんはピクシブにR-18小説を投稿したり、ツイッターにキモ妄想を投下してギャハハってしたり、インターネットで活動をしています。

全年齢もR-18も好きだし、ヘテロも百合もBLも好きだし、何でも好きなので自分でも何をメインに据えてる人間なのか迷子になってます。
ただブルアカの百合はハチャメチャにアツいのでその割合が多いかもです。

わたしはブルーアーカイブというゲームが特に好きなので、何か創作をやるぞとなったときは概ねブルアカを題材に手を動かしたりしています。

さて、去年に引き続き、今年の冬コミもブルアカでサークル参加をしました。
ブルアカのみならず、他ジャンル・異業態での創作を浴びてみたいし、年に二回しかないお祭りの空気を味わいたいという思いもあり、かなりかなり楽しかったです。

このnoteでは、夢と幸福が関わった作品(短編小説集1冊と、合同誌への寄稿2冊)の解説?感想?みたいなものを書き連ねます。
(もちろん、それらの宣伝も兼ねて……)
ちなみに全作品全年齢向けです。
ちなみにこの記事は長いです。

誰かに見せるためのnoteというより、自分の考えを整理するためのnoteとしての側面が強いので、途中で「ん?」と頭を捻る表現があったらごめんなさい😭

略儀とはなりますが、わたしと会場で合ってくれた方々、スペースへ遊びに来てくれた方々、本当に本当にありがとうございました。
この場を借りて御礼申し上げます。

短編小説集「急拵えのちいさな舟」

  • 「急拵えのちいさな舟」という本の紹介

  • この1冊を通じて何を表現したかったのか

  • 個人的な思い入れがありすぎる「急拵えのちいさな舟」という話

  • 小説を書くにあたっての悩み

  • 表紙のデザイン、および組版について

  • 文字書きは今すぐAdobe CC契約してInDesignつかえ

  • 各話解説

  • ブルアカ二次創作の二大目標を達成してしまった

👆この1冊に対する思い入れがとんでもなくあるため、これらを順々に書くことにしました

https://x.com/yumekou0839/status/1865652152682893634

👆これは新刊の告知ツイ(なんでかしらんけどnoteだとサムネ表示されない)

新刊「急拵えのちいさな舟」

今回の新刊として、「急拵えのちいさな舟」という短編集を作りました。
1年前にpixivへ投稿した同名の作品と他2作品の再録、書き下ろし2作品を収録したものです。

すごくいい表紙

いちおうは「短編集」を名乗ってはいるけど、各話のページ数を考えれば中編小説なんじゃないの?とも思ったり。
でも短編と中編の境界って曖昧だし、"中編小説"より"短編小説"のほうが語感がかっこいいので「短編集」ってことにしてます。そんなもんですよね。

収録してるそれぞれの作品の話はあとで詳しく書きますけど、各話のタイトルとメインの登場人物はこんな感じです。

  1. 「急拵えのちいさな舟」黒舘ハルナ

  2. 「百霞に紫煙」間宵シグレ

  3. 「ヒフミ・ミッドナイト・トリップ」阿慈谷ヒフミ

  4. 「仮面を象る蜜」朱城ルミ

  5. 「オール・イン・グッド・タイム」聖園ミカ

このうち、1から3が再録、4と5が書き下ろしです。
書籍にすると決心をした当初から「この構成で成そう!」と考えていたので、成ってよかったです。
ただ、2と4が百合で5がヘテロなので、こう……すみわけ的なやつが曖昧になってしまいました。読んでびっくりしたらごめん!
(1はヘテロでも百合でもどちらでも取れるように書いた。3はヒフミがブラックマーケットで無双するだけ)

この1冊を作り上げるまで、個人的な初体験がいろいろとありました。

WordじゃなくてInDesignで組版をしたり、表紙絵とデザインを両方外注したり、表紙に特殊加工をしたり、短編集らしい組版で悩んだり、読みやすい組版にしようと工夫したり、普段書かない生徒を書いたり、個人の重いテーマを取り扱ったり、宣伝用のポスターを自作したり、地の文を三人称に振り切らせたり、ほかにも色々と……。

普段から同人誌を作られている方にとっては何でもない作業かもしれませんが、なにぶんこれがわたしの2冊目なものですから。
徹夜でテンションがおかしくなったり、頭抱えたり、そういう苦悩と「この本を作りてえ!」っていう衝動になんとか折り合いを付けながら、書籍としての完成を迎えられたことが何よりも嬉しいです。

この1冊を通じて何を表現したかったのか?

なんか重いテーマですね。
でも、短編集として、複数のお話を1冊の本へとまとめるのであれば、そこへ収録される作品(恋愛、ジュブナイル、シリアスなどジャンル限らず)には、何か一本筋の通ったテーマがあればいいな、とうっすら考えていました。

必須というわけではなく、あればなお良い程度のもの。
そういう骨子が無くとも本は作れますが、もし与えられるとすれば、その本は「短編の寄せ集め」から「短編を撚り合わせた大きな物語」へ練り上げることが可能なのでは、と……。

このnoteの冒頭でわたしは「ブルアカだいすき!」と書きました。
じゃあなぜそこまで好きなのかっていうと、子供と大人のあわいにある時期の、人生で最も多感な時期の人間たちが、おのおのの生き方や選択に悩んでむ様を見れるからなんだと思います。

大切な人を亡くしてしまったり、嫌いでたまらない自分自身を赦したり、他者との相違点との妥協点を見出したり、「私はここに居ていいんだ」と自らの居場所を定めたり、様々な人の想いを背負ったり……そういった、人生を歩んでいく中で、私たちも経験する可能性のある喜びや苦悩をテキスト越しに体験できる。
わたしたち大人が、ついつい「青春」とレッテル貼りして美化してしまいがちな出来事を、追体験させてくれるからこそ、わたしはブルアカっていうコンテンツに惹かれるのだと思います。

経験を経てモノの見方が変わったり、加齢を経て関係性が変わったり、進路を経て人づきあいが変わったり、そういう変化こそが人生の醍醐味で……そうであるならば、わたしの推したちは、これからの人生を歩むなかでどのよな変化をするのだろう?

必ずしも、直接的な変化を描く必要はありません。
間接的でも、匂わせる程度でも良いのです。
ただ、彼女たちの長い人生の中の、ふと瞬きをしただけで忘れてしまうような一瞬の日常を切り取って、文章へと落とし込めたなら。
もっと言ってしまえば、本を作れたら最高です。

なので、そういう本を作りました。

個人的な思い入れがありすぎる「急拵えのちいさな舟」という話

全ての元凶は、1年前に書いた「急拵えのちいさな舟」にあります。
本の表題作にもなっています。

わたしは黒舘ハルナという女のことがもうめtttttttttttttttttttttttttっちゃくちゃに好きです。

どこがというのが選べず、""""全部""""好きと答えるほかないのですが、特に「何をしてでも自分の理想を追い求める激情家な部分」がすgggggggggggggggggggggggggggっげ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~好きです。愛

美食研究会の会長として、日夜美食を追い求める毎日を送る黒舘ですが、黒舘がゲヘナ学園を卒業し、大人への一歩を歩むとしたら――彼女はどんな人間になりたいと望むのでしょうか?

このお話を書いた当時のわたしは、pixivのキャプションにこう書いていました。

一作品にこれくらいの長さのキャプションを書いたというのは、同人誌の宣伝を除けばこれだけです。
文字数からも気合の入れようが伺えますね。実際、当時としてはびっくりするくらいの熱量を注いで書いてました。

ハルナの卒業。ハルナが卒業を迎えたとして、一体何を考えているんだろう?「高校を卒業したのでセーフ」とか言いながら酒飲んだりするの?進路は、大学?それとも就職?別の道に進むの?美食研のメンバーや給食部のような関係性の深い子たちとどんな別れをしたのだろう?先生と何か言葉を交わすのだろうか?先生と言葉を交わすとして、そのシチュエーションは?先生の自室の間取りとシャーレの構造、密会の時間帯は?ゲヘナ学園で過ごす最後の一日と、キヴォトスを離れる最初の瞬間に、彼女は一体何を考えるのだろう?

こういう…………なんていうか、推しの人生の選択を妄想して、その妄想を言語化し、文章へと落とし込みたかった。
苦労しながらも、自分なりに落とし込めたんだと思います。
で、落とし込めてしまったからこそ、この作品の執筆体験はわたしの中で強烈なものとして残っているわけです。
今となっても好きな作品だし、心の奥底で「もっと評価されていいだろ!」とか思ってるくらいです。

この作品への愛着がそれ以降の創作にも(良くも悪くも)影響を与えていて、もはや執着のようなものになってしまっていました。
正直、前述した"1冊を通じたテーマ"なんてものは後付けで、「『急拵えのちいさな舟』を書籍にしたい」という欲求がとてもとても強くあった。それこそ2年弱心の中にあり続けた。

自分を自分で縛っているみたいで、なんか嫌ですね。
そういう執着を仕舞ってしまいたいという願いも、本の制作動機としてあったのだと思います。

小説を書くにあたっての悩み

「急拵えのちいさな舟」の細かい話は作品解説でするとして、書き下ろし作品を書くにあたっては2つとも頭痛に悩みながら書くことが多かったです。

(極端すぎるとは承知の上で)創作者には2種類いると勝手に思っていて、それが「たのしい型創作者」と「くるしい型創作者」です。

「たのしい型創作者」は無敵の人間です。
このタイプは制作過程に楽しみを見出すことが出来ます。
制作過程で悩むことがあったり、苦しみを感じたとしても、その時々の試行錯誤を"楽しい"と感じることが出来ます。

「くるしい型創作者」は苦しい人間です。
このタイプは制作過程に楽しみを見出せません。
文字を打つのでも絵を描くのでも関係無く、自分の脳内にある光景を絞り出す行為が苦痛でたまりません。
それでも、出来上がった制作物を見返して、「あ、作ってよかったな」と安心感を得たりします。

わたしは後者で、基本的に小説の執筆中は「苦しい、辛い」という感情しかありません。
制作物の理想像が脳内には既に存在していて、それを具現化させようと七転八倒するのですが、自分の腕の未熟さに涙したりきがくるいそうなほどのストレスを感じたりします。
製作中は常にそれを感じているので、制作時間自体もあんまり取れなかったりと基本メリットがないです。

じゃあなんでそこまでして書くのかというと、「こういうのが欲しい~~~;;;」という欲望がずっと在り続けるからです。
それで苦しみを経て作品を完成させ、しばらく経ったある日に読み返すと「なんだおもしれーじゃん」とか「これ書いてよかったな~」なんてほっとした気持ちになれるんです。
サウナに似てますね。

この「くるしい~」という気持ちは、題材だとかキャラだとかカプとかシチュとかR-18かそうでないかによって強弱するのですが、書き下ろした2作も例外なく「くるしい~」の気持ちが出てきてしまいました。

なんでだろうと考えても、ぶっちゃけよく分かりません。
もしかしたら、わたしは何かを"作る"っていう行為自体に興味は無くて、理想の何かが"在ってほしい"と思っているのかもしれません。

それでも、自分が欲しいものは自分で作るしかないので作り続けるしかないし。
小説なんてものはどれだけ手間暇掛けようが、事情を知らない人間にとっちゃただの文字列でしかないのだから、己の手で作り続けるしかないのだと思います。

ただ、やっぱり「くるしい~」となるのは嫌です。
小説を書く度にそれになるのなら、わたしはどこかで折り合いをつけなきゃいけないのかな、なんて考える風になりました。
答えの無い悩みですけど、なんか、こう……ふわっといい感じにならんかなぁ~って思います。
出来れば来年も続けていきたいな。

デザイン関係について

去年作った本は、友人がイラストを描き私が表紙デザインをして発刊をしていました。

ハルナ×フウカの長編小説。2人が温泉旅行に行く話。

イラストはほんっっっとぉ~~~~~に良かったのだけれど、それを十分に活かせるデザインスキルがわたしに無い!!!!!
👆これが前回の反省点というか、唯一の後悔でした。
2人の関係性の深い考察をくみ取れるイラストを描いてもらえたのに、それを活かしきれなかった……!

そういうことがあったので。
今回は表紙へのみならず、デザインも外注してみることにしました。
するとなんということでしょう。

良い表紙は何度貼っても良いとされている

アッ❢ハルナちゃん❢❢❢❢❢かわい❢❢❢
かわいね❢❢❢きれいでかわい❢❢❢❢❢❢かわい❢❢❢すき❢❢❢❢❢❢❢❢❢❢❢❢❢❢❢

すごいですよね。すごいです。本を手に取った時びっくりしました。
いま本の実物が手元に無いので写真も何もないのですが、えもいわぬ迫力があります。

ハルナがめちゃくちゃかわいい!!!!!!!
かわいくて綺麗。立ち姿が綺麗!
かわい❢❢❢❢❢❢かわい❢❢❢すき❢❢;;;;;;;;;;;

こちらへと振り向く表情も繊細で、瞳のマゼンダが良く映えてます。
表情は作品で描写した通りのものになっているな……と感心しきりでした……。
あと、乳のでかさに関しては、わたしが「ハルナの乳をでかくしてください!!!」とお願いした結果なので適正サイズです。

デザイナー陣へ伝えた表紙イメージとして、

  • 「急拵えのちいさな舟」のラストをイメージした、ハルナの旅立ちの瞬間

  • 朝焼けに向かってハルナが歩き、こちらを振り返っている

  • 色味のイメージとしては、「早朝の晴れた空の色」「瀬の浅い水際の、砂浜のピンクと海のコントラスト」を落とし込みたい

  • 少し寂しげで、それでも将来に対する期待感や喜びを写した表情にしたい

  • 文字を載せる量は極力減らしてシンプルにしつつ、本を手に取った瞬間に「おおっ」となるような雰囲気重視のものにしたい

  • 題字は箔押ししたい

など……かなりわがままを言ってしまいました。
要望が抽象的すぎて、多分こういう指示の出し方は良くないんだろうなと思いつつ……。
作品を読まなければ湧きにくいようなイメージを伝えてしまったことは反省点ですね。
それでも、理想的なデザインに仕上げてくれたな!!!という超大感動感謝極大感謝があります。

これ表紙の動画!!!!見て~~~~~~~~~~~~~~~!!!!!!!!

https://x.com/yumekou0839/status/1874012062353182862

まず、表1両端の大きな題字(急拵えのちいさな舟)には透明のパール箔を全面に押しました。
実物を手に取った際に、一見するとかわいいハルナが笑っているのみのシンプルな表紙に見えますが、光の加減でパール調の題字がキラキラと浮かび上がってくるのです。

👆プリントオンさんのアバロン透明箔を使用しています

また、ハルナの背景にある扉型のアーチには青い縁取りがありますが、この縁取りはニス盛り加工を施してあります。
この部分だけ他の部分よりも盛り上がっているため、手触りにうまい具合にアクセントを付け加えることが出来たなと……。

👆これみんなやったほうがいいです

表紙は全面的にマットPPしているので、特殊加工をした部分の艶々感をうまーく引き立たせることができたなぁと満足満足な出来です。
この特殊加工の発案やデザインは、デザイン担当の先生のご助力が無ければ実現しませんでした……マジで感謝……。


今回のイラストは葛飾白木先生(@osushiGAsuki32)
デザインはBIZARRE先生(@BIZARRE_WORKS) にお願いしました。
本当に本当にありがとうございました。
依頼関係が不慣れでご迷惑もお掛けしましたが、お二人の尽力があってこそ本が完成出来ました。
この場を借りて感謝申し上げます。

そんな感じで、表紙デザインも組版(後述)もかなりこだわったので!
実物が手元にある方は、舐め回すように表紙を見ましょう。

組版について

前回の本はwordを使って書きました。
自力で小説のフォーマットを作り、柱やノンブルを設定して……というのは無理だったので、よそ様から小説用テンプレートをお借りしました。

このテンプレートが無ければわたしは本が作れなかった……!!!
こちらも大感謝です。

さて、2023年の秋口から上記のテンプレートにて本を作ろうとしたのですが、別のテキストファイルに書いた文章をそのまま貼り付け、完成まで漕ぎつくことが出来たのでしょうか?

そんなわけはなく、無事に狂を発しました。

(テンプレが悪いというわけではありません!わたしが無知だった……)
インデント設定意味わからん!ノンブルのフォントが変わらん!見出しの文字をデカくすると二行になったり一行でおさまったりする!そもそもwordって縦書き組版向いてなくね!!??!?

こういった狂いポイントがちまちまと溜まり続け、とてもストレスフルな制作となったのです。
次からはwordを使わない。というかもう使いたくない。
用途なんて論文作成くらいで十分。

嫌というほどwordのいみわからんバグだか仕様だかよくわからんやつ味わい、わたしは決心をしました。
「そうだ、InDesignやろう」

文字書きはいますぐMS Wordをゴミ箱に叩き込み、InDesignを使え

文字書きはいますぐMS Wordをゴミ箱に叩き込み、InDesignを使いましょう。

ネットで「InDesign」と検索しようとすると、「InDesign 難しい」だとか「InDesign 大変」だとか、そういう難しそ~大変そ~みたいなキーワードがサジェストされるかもしれません。

それらは全てマジですが、ついでに言うと月額料金もまあまあしますが、それを補って余りあるほどの機能性と快適性を有していました。
出版業界でDTPの標準ソフトになるのも納得だな~という感じ。

まず、ページがサムネイルで管理できるのが便利。
1-2-1ルールに則ったルビ振りが出来るし、ドラックで文字列を選択するだけで圏点(文字を強調する点のことです)が振れるし、ルビを振ったあとにAlt+F9してフィールドコードを弄る必要も無い。

何よりも、マスターページを作って各章のノンブル・柱の位置を一括で設定できるので、わざわざヘッダー設定とインデント設定のいみわからん仕様と格闘せずともページ番号と章タイトルを全ページに自由な位置で振れる!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!

Wordでしか文章を書いたことの無い人間にとっては、それはそれはでかい衝撃でした。普通に感動して涙出た。

他にも色んな機能があります。
「こういうことしたいな」があれば、それを叶えるための機能は大体揃ってるんじゃないかなと思えるくらいです。

👆これ見ながら作業すれば勘所は掴めるんじゃないかなと思います


「こういうページ作りたいな」という願望が(がんばれば)実現できる環境になったので、組版に割く時間を前回よりも増やすことにしました。
文章の部分は読みやすさ重視でやり、そのほかの目次や章タイトルページは捻りを入れてみたり。

目次の部分
章タイトル

「小説を書いている時間は苦しみしかない」と前述したけど、これらを作ってる最中はすごく楽しかった……。
もしかしたら、デザイン関係の方が向いているのかもしれません。

あと、調子に乗ってAdobe CC(Adobe製品が全部使えるプラン)を契約しちゃいました。
本文や他の文字入れをする際、普段は高くて使えないリュウミンや筑紫明朝が使えてそれも良かった……。


ついでにですが、illustratorで新刊の告知風ポスターを作ったり、Lightroomで写真をレタッチして告知画像を作ったり……そういう遊びが出来たのも良かったです。

告知ポスター 小さな画廊で開かれる個展をイメージした お気に入り!
各話ごとの告知画像 あまりにもシンプルへ寄せすぎたかな……

ついでにですが、アクスタも作りました。超かわいいからみて!
偏光アクリルを使ったから、光の加減で色がかわる……ピンクと水色のパールっぽくてかわいい!

https://x.com/yumekou0839/status/1872455845700833460

色々できてよかった~

InDesign、慣れるまでが大変だけど、本を作る作業がグッと楽になるし楽しくもなるはず!
Wordを捨てて本を作れ!!!

収録作品の解説

ここからは収録した5作品について簡単な解説を書いていこうと思います。
本のあとがきにも作品解説は載せましたが、ページ数の制約でぜんぜん解説できなかったし……。

夢と幸福なりに、それぞれの生徒をどうとらえているかという話が多くなる気がします。
かなり自分勝手な解釈もあると思うので、「ふーんこいつそういう風に思ってるんだ」くらいの気持ちで読んでほしいかも。

①「急拵えのちいさな舟」黒舘ハルナ(pixivより再録)

ハルナ好きや!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!

わたしは、黒舘ハルナっていう人間は前に進み続けるタイプの人間だと思っています。
わがままで自分勝手、それでも己の理想に対しては純粋なくらいにまっすぐで、途中に障害があればそれを真正面からぶっ壊して進み続ける……。
「至高の美食を探求する」という使命のために、出来ることであれば何でもする(合法非合法問わず本当に何でもする)という気風の良さが、すごくかっこいいなあと思っています。

背中の翼が片翼しかないのも、ハルナが自分で切断して食ったから……とか、そんなことを言われてもあまり驚かないです。
あれですね。メイドインアビスのボンドルドのような、求道者としての性格が強い女だなって……。

そんな熱血属性の女がゲヘナ学園を卒業するとなったら、”これから”についてどう考えるのだろう。
それを自分なりに考えて、小説にしてみたい。そう考えながらキーボードを叩き、小説にしました。
これさっきも同じこと書きましたね。別の話をしましょう。

ハルナの人間関係というか、ゲヘナ学園に在籍している子たちの人間関係というのは、他校と比べてすこし雰囲気が違うなと感じています。
良くも悪くもドライというか、先輩後輩の意識の壁みたいなものをあまり感じない気がします。
きっと、自由奔放な校風が関係しているのでしょう。おのおのが自分たちのやりたいこと・したいことに素直で、(頭のネジが飛んでる場合もあるけど)自分の遣りたいことがはっきりしているからこそ、確固たる"自分"を築けている生徒が多い。

美食研、温泉開発部の子たちがその最たるものです。
まぁ、自分のやりたいことに素直すぎて、ほとんどテロリストみたいになってるけど……。

少し話が逸れました。
ハルナが学園卒業して、キヴォトスを離れることを決心したとき、きっと周囲は(こいつはまた無茶をするんだろうなぁと思いつつ)特に引き止めたりせずに「まぁ、頑張りなよ!」と背中を押してくれるんじゃないか。
押してくれたらいいなぁと思います。

アカリなら、普段共に行動していた時と全く変わらないテンションで「楽しんでくださいね☆」とエールを送ってくれたりとか。
(アカリとハルナがめちゃくちゃにセックスする話がめちゃくちゃにほしい)

ヒナなら、なんでここに来たんだと苦い顔をしつつも、もう過ぎたことだしと卒業後の話を和やかにしたり。最後には「ほどほどにね」と苦笑しつつ見送ってくれたりとか。
(ハルナとヒナってなにげに1年生の時から関係性ありそうじゃない!?ハルナ⇒ヒナの一方的な感情があったりしたらうれしい!)

フウカなら、散々迷惑かけられたわねとか悪態をつきつつ、「あんまり無茶しないようにね」と背中を叩いてくれたりとか。
様々な騒動に巻き込む元凶がいなくなることに一抹の寂しさを抱いたり……。
(普段ハルナを呼び捨てにするフウカが、お別れの瞬間だけ「ハルナ先輩」って呼んだらめちゃくちゃ萌えじゃないか!??!?!??)

とか、そういう……。

そういう私の願い……祈りに似ているのかな?を、公式設定だとかシナリオだとかと矛盾しないように形にしていましたね。大変だったけど、清々しい別れを表現出来たんじゃないかな。
(ハルナとアカリがいなくなった後の美食研ってどうなるんだろう。それもいつか考えてみたい)

このお話を書籍にするってのが私のブルアカ二次創作の目標だったので、達成できてよかった!さいこー!

②「百霞に紫煙」間宵シグレ(pixivより再録)

👆の改題収録になります。

もともとは、227号の日(2月27日に作品を投稿するという、身内のお祭り)を記念して書いたSSでした。
シグレに煙草って似合うよな~~~~吸ってるとこみたいな~~~~という欲望のままに書いたやつです。

227号特別教室はレッドウィンターの辺境にあり、物資も何もないという貧窮の極みみたいな環境だったので、じゃあ物資調達とかどうやってるんだろうとかを考えるのが楽しかった記憶があります。

ところで、わたしは間宵シグレって女がすきです。
バチクソに顔が良く、飄々として自身の内面を隠しつつ、幼馴染との距離感・関係性を第一に行動している女……かわいいな……すきだ……。

相方の天見ノドカさんとの絡みがやっぱりおいしいですよね。
ブルアカ百合には様々な絡みがあり、どれも違った味わいがして美味しいです。その中でも特にうめえ~~~~~~~~と感じるのがシグノドとハルフウです。
ハルフウは前回本にしたので、じゃあ今回はシグノドだな~とか思いながら収録することにしました。お話自体もすごく気に入ってます。

間宵シグレをメインに据えてシグノドをやるぞ!と決意したとき、わたしはいつも👇の画像のようなことを考えています。

間宵シグレを輝かせたいとき、これをやりがち

シグノドはごま油みたいなもの
幼馴染との関係性を第一にする人間を苦境に追い込んで
苦悩の万力で壊れるまで締め付けるとシグノドが絞り出される

夢と幸福

間宵シグレさんが天見ノドカさんに求めている(と、わたしが勝手に思っている)、距離感・価値観・関係性の恒常性というのは、いつか破綻するモノだと考えています。
現在の、友達よりもちょっと親しいくらいの関係性をずっと続けていたい。つねに相方の傍にいて、その矮躯を支えてあげたい。そういう願いは真摯で誠実なものですが、独りよがりでもあります。
人とは変化の生き物で、1年、1月、1日、1時間、1分、1秒……そういった一瞬一瞬でさまざまな面で変化をします。
なので、間宵シグレさんが守りたいと思う世界観が"変化"によって崩されて、その"変化"と折り合いを付けるために苦悩をする姿が見れたのなら、もう………萌え~~~~~~~~~~!!!となります。

間宵シグレに苦しんで欲しいというわけではないです。すきなので……。
でも、「くるしい~」となった瞬間に放出されるいのちの輝きで脳を焼かれたいという欲望はずっとありますね。あるある。

③「ヒフミ・ミッドナイト・トリップ」阿慈谷ヒフミ(pixivより再録)

👆の再録になります。

阿慈谷ヒフミちゃんはごくふつう~の女の子として設定されていますが、なんか……どう考えても普通じゃなくない?みたいな描写も多い子です。
制服のままブラックマーケットに突撃したり、戦車奪って曲乗りしたり……。
だから、ヒフミは「ごく普通のどこにでもいる女の子」というよりかは、「普通の日常に強いあこがれを抱いている子」なのかな、と捉えています。
ほとんど型月主人公なんじゃね?っておもってます。

そういう、普通の日常を愛する子が、ちょっとした夜遊びを体験することになったとしたら、その思い出はきっと忘れられないものになるはず。
昼間の雑踏とはまた違う、その場で定められた暗黙の了解を理解している人間のみが出入りできるような夜の空間。夜のニオイ、ひっそりと行き交う人の息遣い、お店の中の暖かさ……少しの背伸びとともに足を伸ばし、ちょっぴり大人になったような気分になるあの瞬間は、他では得難い経験です。

わたしは夜に散歩に出かけるのがすきなので、あの気分をヒフミにも味わってほしいなと思いながら書いていましたね。

④「仮面を象る蜜」朱城ルミ(書き下ろし)

ある秋の日、ルミがいつも通りに仕事をしていて、そこへ幼女コスをしたキサキが訪れてくる――という、それだけのお話です。
初めてキサルミ書きました。

この短編の主題を言葉にするのは、正直難しいです。
他4作品は人生の変化を描写しているのに対し、この作品ではそういう変化を書いていません。ルミの慌ただしい日常を切り取っています。

少し話が逸れてしまいますが、ブルアカの公式で描かれるストーリーというのは、大小の様々な変化(人間関係、価値観、環境など……)をフォーカスしています。
なにかしらの起伏が無いと話題のあるお話にならないので、当然ですけれど。

じゃあ、わたしは起伏の無いルミの日常を書いてみようって思いました。
特別な理由は無く、ただそういう気分だったので、そうしました。
何気なく過ごす日常は退屈なものかもしれませんが、いずれ起こる変化も、人生の転機も、日常の積み重ねがあってこそ発生するモノです。

なにかしらの変化が訪れた際に、わたしたちは”普通の日常”のありがたみをようやく実感するんじゃないかな

⑤「オール・イン・グッド・タイム」聖園ミカ(書き下ろし)

ある冬の夜中、先生にモモトークが届く。
送り主は聖園ミカで、「これから、時間空いてるかな?」とメッセージがあり……先生はミカと夜のドライブに出かける、という話。

聖園ミカちゃんのことがすっげ~好きで、前々からSSを書きたい書きたいと思い続けていたのですが、中々書けず……いい機会だから、となんとか小説の形でまとめることが出来ました。

多くの先生たちがミカに対して、「あのメモロビのあと、ミカはどういう生活をしてるの!?」と思っているはずです。
わたしがそう。
学園自治を根幹から揺るがすような事件を共犯して、ティーパーティーから放逐されて、一部の生徒から恨みを買って……因果応報と言ってしまえばそれまでですが、あまりにもかわいそうだ!なんとかしてやりたい……!

そう考えて筆を執り、ミカを救う話を書き始めた、というのが本作の始まりでした。

でも、わたしはものすごく浅はかで愚かだったんですね。
だって、10月の終わりに開催された"Serenade Promenade"でミカが出てきたんだもん。ナギサやセイアと一緒に……。

神イベント

「エッ!ナギサちゃんセイアちゃんと話をしてる!??!?」
「エッ!全然仲良いじゃん;;;;;;(よかったね)」
「エッ!ミカ;;;;;あんたひとりで前に進めてるじゃん;;;;;;;;(まじでよかった)」

ありがとう

べつに歩けなくなったわけじゃないし死んじゃないけど、心境はこれに近い

わたしはそれまで練っていたプロットを全て消し、泣き笑いの表情で書き直しました。

では、何を書くのか?
いろいろ考えた結果、「ミカを救う」から「ミカを見守る」に方向転換しようと決意しました。

エデン条約の事件からある程度時間が立ったといえども、きっと周囲の人間とはギクシャクが残っているでしょう。ミカなりに悩み、行動し、新しい友人関係を築くことだってあるでしょう。"ティーパーティーの聖園ミカ"から"一般生徒の聖園ミカ"になり、周囲から寄せられる視線の変化に気付くことだってあるでしょう。
そういった数々の変化が、ミカの心へ不安の影を落とすことだってあるかもしれません。

でも、幸いなことに、ミカの周囲には、ミカを気に掛けてくれる多くの人がいます。古くからの友人があり、新しく出来たはずの友人があり、大人の先生だっています。

そういう、自らと異なる視点を持った人々とコミュニケーションして、自身の悩みや苦しみを共有して、不安の嵩を減らして……とか。
過去の罪の意識と、今の自分の悩みと、これからの未来について、ミカが自分の力で考えて選択が出来たのなら、それほど喜ばしいことは無いと思います。

選択や覚悟に理解を示し、懸命に生きる姿を見守れたなら。
挫けそうになったとき、「大丈夫だよ」とそっと背中を支えられるのなら。
先生としての役割ってのは、実のところそれくらいしか無くて……あとはミカ1人だけで先へと進んでいけるはず。

聖園ミカっていう人間にはそれだけの強かさと強さがあるんだって信じてます。

ミカのこれからに幸いあれ!

ブルアカ二次創作の二大目標を達成してしまいました

私事ですが、今のわたしには”書きたいもの”というのがありません。
無くなってしまいました。

わたしがブルアカで二次創作を開始したとき、「これを必ずやりたい!」という目標を作りました。

1つ目が、『ハルナ×フウカの関係性、将来について一定の結論を与える』
去年書いたハルフウ長編小説がこれにあたります。

ハルナとフウカが温泉旅行に行く話……とはなっていますが、ここで記していた主題というのは、とどのつまり2人の将来のことです。

わたしはハピエンオタクなので、絶対に2人には結婚まで行ってほしい!と常々思っています。
じゃあ、その2人がゴールインするまでの道筋を書いちゃおう!と決心をして、生まれて初めての同人誌で350ページ書くことになりました。
文字数にして15万字弱でした。すごい。

ハルフウでやれることぜんぶやるぞ!と意気込んだので、温泉旅行の話だけでは無くて、「ハルナが卒業して8年後にハルフウが再開をする」っていうのまで書きました。
ぜひ読んでください~~~~~~~~~~~~~~~(物理本は3月の百合オンリーで再販します!)

脱線しすぎてしまった。

つまるところ、推しカプでやりたかったこと全部やってしまったので、もう書くことが無くなってしまいました。

二大目標の2つ目は、『「急拵えのちいさな舟」を書籍にする』
つまり、この本です。

小説っていう媒体で創作したいこと、全部やれちゃったんですよね。
うーん、本当にやりたかったことをやれちゃったんですよね~これからどうしよう。

ただ。
「やりたいことやっちゃった!」となっている現在だからこそ気付くことがあって、わたしはハルナっていう人間の内面を自分なりに解釈して(どういった媒体でも構わないので)実体のあるものへ形成させたかったんだなと思います。
1つ目で書いた「月下、雪景、窓辺のふたり。」では、友人である愛清フウカの視点から見た(当人ではない第三者の視点、つまりわたしの視点でもあります)黒舘ハルナのその姿形・推測できる内面を描く。
2つ目の「急拵えのちいさな舟」では、黒舘ハルナ本人が考える"自分自身"を描く……。
外と内から黒舘ハルナを分析し、彼女を識ることこそが、真の意味でわたしがやりたいと考え続けていたことなのかもしれません。

小説は書き続けたいです。ただ、無理に絞り出そうとしても出る気がしないので、積み続けていた本の山を崩すところから始めようかな。


以上が、今年の新刊の話でした。
現在メロンブックスで委託販売の手続きをしているので、もしご興味ある方はぜひとも……ツイッターでこくちします……なにとぞ…………………

合同誌への寄稿1「ブルアカ女女合同 第三幕」

冬コミでは2つの合同誌に小説を寄稿しました。

1本目はブルアカの百合合同!
るびび先生が手掛けられている、伝統ある百合合同になります。何と今回で3回目。

https://www.melonbooks.co.jp/detail/detail.php?product_id=2700581

👆ここから買おう!!!!!

前回の「女女2」ではフウハルで参加していましたが、今回はカズサ×ヨシミの2人で書くことにしました。
なんか……この2人の……悪友っぽさというか、ブロマンス的なものを感じれてエモかったので。お話を練るのがすごく楽しかった。

タイトルは「クランベリー・サンデーのために」

あらすじ
ある日の深夜、ヨシミはカズサからメッセージを送られていることに気付く。
『カフェに行こうと思っているんだけど、ヨシミも来る?』
ヨシミは家を出て、カズサと落ち合う。トリニティ自治区の辺境まで連れ出されて訪れたのは、とある寂れたダイナーだった……。

みなさんはダイナーをご存じでしょうか。
「イコライザー」でデンゼル・ワシントンが老人と海を読んでるあの場所です。
わたしは行ったことがありません。

安っぽい内装と簡単な食事が魅力的に見える
このおじさん(やさしい)は、この世のものとは思えないくらい派手な方法で人間を殺します

エモいですよね、この雰囲気……。わたしは夜の時間が好きなので、余計にそう映ります。

お話の内容としては、ヨシミとカズサが深夜にダイナーへと赴き、スイーツをつつきながらおしゃべりをする、というものです。
派手なお話では……無いかも。本当に、ただだべってるだけなので。

ただ、そういう何気ない話の中に、他のスイ部メンバーとの会話と異なる温度感を持たせようと工夫しました。
カズサが素直にキャスパリーグ時代の話を打ち明けられるのはヨシミくらいなんじゃない?とか。カズサがスイ部にあこがれて、初めてスイーツに触れた時の出来事を書いてみたりとか……。

他の誰の目線も無い、2人だけの空間が萌えだな~って思います。
そういうのをやれてよかった。

合同誌への寄稿2「ブルアカSF合同」

2つ目はしっぽ焼き先生の「ブルアカSF合同」!

900ページ越えというぶっ飛んだページ数でTLを震撼させていました。
たぶん、今まで作られたブルアカ同人誌の中では最厚なんじゃないかな?

https://www.melonbooks.co.jp/detail/detail.php?product_id=2717332

👆この本は極力実本を手に入れたほうがいいです。

SFは読むのは好きなんだけど、書いたことは無くて。
書きたいな~~と思いつつ、やっぱり難しそうだから……と逃げ続けていたところ、合同誌の公募が回ってきたため応募しちゃいました。
貴重な経験を積めたと思います。

タイトルは「燦然と輝く君たちへ」

あらすじ
とある深層データに遺されたビデオメッセージによって語られる、シャーレの先生による1つの独白。
そこで語られる、キヴォトスの異変と、先生の取った選択とは……。

(本誌のあとがきにも書いたのですが)いわゆる「サザエさん時空」という奴は、創作者にとって非常に都合の良い概念です。
なにせ、作品内での時間経過はあるものの、それに伴う加齢がないのですから。
ゲヘナ学園3年生の黒舘ハルナが、5回、10回と(3年生のまま)春を繰り返したって、ブルアカのお話として成立させることが出来ます。

ただ、これって作品内の人物にとっては非常に厄介な概念なのではないでしょうか?
たとえ、年を取らないことに一切の不都合を感じていなくとも、です。

これは……わたしの価値観の問題かもしれません。
先述した通り、わたしは人生とは変化の連続だと捉えているので。
生徒たちには様々な経験を通してモノの見方を深化させていってほしいし、最後には卒業をしてその先へと羽搏いて行ってほしいと願っています。
なんとか、このループを脱出させる方法はないだろうか。サ終はしてほしくないから、それ以外の方法で……そうやって考えて、書いたものがこれになります。

結論から言えば、わたしは現状のブルーアーカイブでサザエさん時空を脱出させるには、「先生<プレイヤー>がゲームを引退するしかない」のではと考えました。

執筆を初めたころのメモ

わたしたちがブルーアーカイブをプレイしているとき、わたしたちは先生になりきり、生徒たちと接触をしています。
彼女たちへ向ける気持ちは人によって様々だとは思いますが、「彼女たちがキャッキャしている様子をいつまでも見ていたい」と望む心理を抱く人は多いのかなと思います。

もしかしたら、そういう願いが呪いになって、生徒たちをサザエさん時空に閉じ込めていると解釈することも出来るのでは?
わたしたちがディスプレイを通してキヴォトスを観察し、日常のあらゆる場面で「こうあってほしい」と願うからこそ、彼女たちの行動はそちらへと誘導されてしまうと解釈することだって出来るのでは?
(結局はシナリオライターの匙加減ですが……わたしたちにどうこうできることではないですね)

いささか恣意的すぎるかもしれませんが……。

とにかく、そういった状況を打破するための解決策は「ゲームの引退」だと結論付けたのです。
プレイヤーがキヴォトスの観測を中断すれば、その後の内部での振舞いはプレイヤーの関知の外に置かれます。
プレイヤーがいなくなったキヴォトスでは、シュレディンガーの猫のように、「生徒たちがサザエさん時空に突入し続けている日常」と「生徒たちがサザエさん時空から脱出した後の日常」が重なり合って存在し、もしかしたら彼女たちは年を重ねていくことが可能になるかもしれません。

作品人気の高まりがあるおかげで、しばらくは公式で"卒業"が振れられることは無いのかなと思いますけどね……。
(にしたって、ゲヘナの修学旅行イベントは違和感が凄かった。修学旅行なのに、卒業に全然触れないの?って)

どっちの合同誌も参加できて良かったな~楽しかったな~という良い経験でした!!

2025年もよろしくお願いします

来年はエロをがんばりたいな~絵も頑張りたい

来年も元気にオタクやります!!!!!

では、皆さんよいお年を。
インフルなど流行っておりますので、お体ご自愛下さい。

2024年12月31日 夢と幸福


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