見出し画像

MY CAMERA:#2 CANON EOS55

CANON EOS55はCANONが1995年に発売した一眼レフカメラです

久しぶりのMY CAMERA…というか久しぶりの投稿ですね。

今回は悩んだ末にEOS55を取り上げたいと思います。

前回が650だったので、6XXシリーズでまとめようかとも思いましたが、別のカメラにしました。

概要

1995年といえば地震にテロ、時勢的にはバブル崩壊後の景気の冷え込みと、個人的には何処となく暗いイメージがあったりします。
しかし、近現代のAFカメラやコンパクトカメラは寧ろこの頃から後にかけてが華の時代と言っても良いほどにユニークかつ面白いカメラが沢山現れています。

そしてこのEOS55もその一台、EOSシリーズのどちらかというと普及機寄りに見える性能ではありますが、CANONの狙いとしては、EOS kissシリーズからのステップアップ機としての役割をこのカメラに持たせたんだと思います。
その為か、やや高めの性能を持つ部分と、そうでは無い部分があり、特徴的な機能や操作系を採用するに至っています。
その中でもこのカメラの大きな特徴はやはり視線入力AFだと思います。

視線入力AF(EYE CONTROL)

ボディー正面に誇らしげにプリントされた「EYE CONTROL」の文字、視線入力AFとはその名の通り「AF点を見るとその点でAFが始まる」という機能です。
つまり、AF点を変えたい時にわざわざAF点変更のボタンとダイヤルを操作しなくても、目でファインダー内のAF点を覗けば変更してくれるというものなのです。

この視線入力AFは遡って1992年発売のEOS5で既に搭載されてよに出ていました。このEOS5も大変優秀なカメラですが、この時の視線入力AFは横位置での撮影にしか対応しておらず、縦位置では実用性が低いものでした。
また、精度も高い物の後々のものに比べると視線と選択されるAFにずれが出るなど、高く信頼がおける機能ではありませんでした。

さて、EOS55の視線入力AFはEOS5から大幅に進化しています。
AF合焦精度や速度は5に比べて格段に速くなっています。CANONホームページ では1/2ほど速度向上との事ですが、実際の体感ではもっと早いです。
また、縦位置でも視線入力AFが利用可能となりました。コレで縦横で撮影の際に余計な気を使わなくて良くなったのは非常に良い点です。

EOS55では絞り込みボタンが無くなっています。
しかし絞り込み機能は搭載しており、視線入力で操作します。
ファインダー左上の平行四辺形部分を注視すると絞り込まれるのです。
コレも意外と楽な機能で、いちいちレンズを支える手を動かして絞り込みボタンを押し込む必要がなくなる為、撮影により集中できます。

特徴ある操作系

操作系は左肩にモードダイヤル、右肩にAFダイヤルとメインダイヤル、背面にサブダイヤルという構成です。
EOSの基本的な「モードダイヤルでモードを切り替え、メインダイヤルとサブダイヤルで絞り・シャッター速度と露出補正」の構成は崩していないものの、より出っ張ったモードダイヤル、ダイヤル化されたAFモード選択、またそれらダイヤルの根本に配置されたドライブモード選択のスイッチや速攻切り替え用のスイッチは、他のEOSシリーズとは少し毛色の異なる操作系といえます。

EOSシリーズはどちらかといえばボタンの組み合わせ操作によってボタン類を減らしたり、ダイヤルも薄くスマートなデザインにする傾向がこの時代は強いのですが、このEOS55、そしてEOS7はダイヤルを強調し、なるべくダイヤル操作にした様なカメラに仕上がっているのです。
しかし、基本の基本は他と同じなので、見た目以上に他のEOSと操作感が異なるなんて事はなく便利なカメラです。

使用感と個人的評価

ペンタ部にはストロボを内蔵していますが、僕は殆ど使った事がありません。
内蔵ストロボで撮影すると「ただ写っている」写真になる為です。
基本的にストロボが必要なら、クリップオンストロボの540EZなんかを用いて撮影します。

背面はデートバック付きです。
とはいえデートバックも使ったことが無いです。
日付を残すのは良いとしても、撮影領域の下側を占拠されてしまうデートバックは、僕の場合使う事はほぼ無いですね。

本機の残念ポイントとしては縦位置レリーズの周りに操作ボタンやダイヤルがない事です。
コレでは縦位置でシャッターボタンを押せる以上の取り柄が無いのですが、同時期のフラッグシップEOS-1Nも実は似た様な仕様でした。
むしろEOS5は縦位置でもほぼフルに機能が使えるという充実ぶりで、なぜその様な製品作りになったのかは少し首を傾げてしまいます。

とはいえ最高1/4000のシャッター速度を始め、カメラとしては中級機より少し上の部類に入れても良い完成度なので、使ってる身としては結構満足しています。

良いところも残念なところもあるカメラですが、やはり視線入力AFや比較的小型軽量なサイズ感が気に入っていて、少し大事だけど気軽に撮影に行きたい時は割と出番があります。

僕のは歴戦故に傷だらけ、縦位置バッテリーグリップが付いているので大きめな感じになってますが、外せばそこそこ小さめのボディーになるのでおすすめです。
アルミの外装も少し高級感があって良いですよ。

性能(CANONホームページより)

締めはCANONホームページよりEOS55のスペックです。

https://global.canon/ja/c-museum/product/film185.html


・型式	35mmフォーカルプレーンシャッター式マルチモードAF一眼レフカメラ

・画面サイズ	24×36mm(約13×36mmパノラマ画面切り換え式)

・使用レンズ	キヤノンEFレンズ群

・マウント	EFマウント

・AF方式	 TTL位相差検出方式(ズレ検出)、AFモードはワンショット式/動体予測AIサーボAF(自動選択可能=AFモードの入力/変更はAFモードダイアル操作による、AF測距センサーにI+I配列のマルチBASIS使用、フォーカスポイント3点の視線による任意入力/ダイヤル操作による任意1点手動選択/3点測距から主要被写体をカメラが自動的に判断し測距する、以上の3方式、AF検出範囲=EV0~18(ISO100)

・合焦点表示	 視野内LCD表示/スーパーインポーズおよび電子音報知(ON-OFF、消音の選択可能)

・シャッター	 縦走行電子制御フォーカルプレーン・1/4000~30秒・B・X=1/125秒、(1/125秒以下の緩速シャッタースピード側で1/2段ステップでの秒時設定可能、但しマニュアル/シャッタースピード優先式AEモード時、シンクロソケットはホットシュー式、電子制御セルフタイマー内蔵(AF測距用補助光ランプのよる作動表示および電子音報知式)

・ファインダー	  ペンタ固定アイレベル式、倍率0.71倍、視野率=上下90%、左右92%

・ファインダー情報	  AF測距用マーク(3点測距スーパーインポーズ表示枠=視線入力/手動選択により測距点赤色LED点灯)、パノラマ画面枠(LED表示方式)、被写界深度確認マーク、以上は視野内表示。シャッタースピード値、絞り値、キャリブレーション、深度優先AE、FEロック、以上は7セグメント(黄色)LCDによる数値および文字で視野外下部に表示。AEロック、露出表示用ドット目盛り、露出補正、露出補正量、スピードライト、マニュアル露出レベル、オートブラケティング時の露出ずらし量、赤目現象緩和ランプ点灯、調光補正セット、スピードライト充完、AF合焦表示(不能時は点滅)、FEロック時の連動範囲外警告、視線入力時(点灯)/視線入力不能時(点滅)、ハイスピードシンクロ、以上はLCDマスク照明(黄緑色)による点灯/点滅表示。パノラマ指標、被写界深度確認マーク注視で絞り込み/AEロックボタンで絞り込みなどはオレンジ色LEDの点灯による視野外左右部にて表示する。

・測光・露出制御	 複合型SPC素子使用、TTL開放測光シャッタースピード優先式AE/絞り優先式AE/インテリジェントプログラムAE(シフト可能)/深度優先AE/撮影モード連動自動セット(4種のプログラムAE)、定点連動マニュアル、測光感度分布特性=画面6分割評価測光/画面中央9.5%部を測る中央部分測光(測距点連動)/中央重点平均測光、露出補正=マニュアル補正は1/2ステップで±2EV可能、AEロック可能(ボタン式)、オートブラケティング=1/2ステップで±2EVで3コマ連続撮影、測光連動範囲=EV1~20(ISO100:F1.4)、フィルム感度使用域=ISO6~6400(ISO25~5000はDXコードにより1/3ステップ毎の自動セット)、9回までの予約多重露出可能(途中解除/再セット可能)、カスタムファンクション=11種設定可能

・内蔵スピードライト	ペンタ部内蔵リトラクタブル式、フィルム面反射測光によるTTL自動調光制御(逆光・低輝度自動検 知自動発光=全自動・イメージセレクトモードの一部)

・サブ電子ダイアル	 裏蓋設置回転ダイアル式、AEモードでの露出補正、マニュアル測光時の絞り値設定、内蔵スピードライトによる撮影時の調光量補正

・使用電源	6Vのリチウム電池2CR5型1個

・フィルム装填・給送	フィルム位置合わせ、裏蓋閉じで自動セットされるオートローディング、内蔵モーターによる自動巻き上げ、連続撮影=最高約2.5コマ/秒および1コマ

・フィルムカウンター	液晶ディスプレイによるデジタル表示式、巻き上げ時は順算/巻き戻し時は逆算表示する

・フィルム巻き戻し	 内蔵モーターによる完全自動式(途中巻き戻し可能)

・大きさと質量	153×105×71mm、595g(電池除く)

いいなと思ったら応援しよう!