Bounty Dog 【アグダード戦争】254-255

254

 ヒュウラは背負っている子分モグラ・ミディールと猫の亜人のリングに指示をして、部屋から梁伝いに離れて行った。離れ始めた時に、小さな違和感を持つ。
 梁の上で身を潜めていると、イシュダヌ軍の兵士が部屋から出てきた。暫く通路を歩いてから閉まっている振り返って、ボソリと小声で言った愚痴を聞き逃さなかった。
「我儘で兎に角自己中心的。目先の利益しか考えず、商売の利益の為なら誰彼構わずにとんでも無い事に平気で利用する。本当に『平和と平等を願う聖人』とは真逆の、『自由を奪うのが大好きな死神の花』だよ。イマーム様が仰っていた通りだ」

 ヒュウラは何も反応しない。仏頂面のまま、モグラと猫を連れて『神輿』を探しに行った。

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