Bounty Dog 【清稜風月】105-106

105

 リングの機嫌を直すついでに食事を摂ってきたシルフィ・コルクラートは、国際保護部隊の亜人課・現場部隊支部の一角にある班長室の椅子に座った。執務机の上に置いたノートパソコンと、冷めたダージリンティーが入っているソーサー付きティーカップと弟の写真を順に見る。パソコンの画面は真っ黒だったが、電源は付いていて保護対象(ターゲット)と通信で繋がっていた。
 謎のノイズの影響を受けないよう、通信量を最小限にしていた。そうするように指示してくれた別の班に所属している顔馴染みの保護官に伝えない礼を呟いてから、シルフィはパソコンに取り付けているマイク付きのヘッドセットを装着して、ヒュウラに向かって話し掛けた。

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