Bounty Dog 【アグダード戦争】194-195

194

 軍曹が、己が今居る4棟の応接間に戻ってきたミトに通信機を返した。ケラケラ楽しそうに笑う、何時ものサッパリとした性格の人間に戻っていた”民間お掃除部隊長”に、ミトはヒュウラの命を助けてくれた礼を言ってから、”可哀想な”ファヴィヴァバのコレクション達を見つめた。
 応接間に置いていた悍ましい生き物達への侮辱の産物は、写真を1枚も撮らずにエゴと金儲けに利用された生物種のメモを取れるだけ取って、全て回収してから適当な場所で焼いて、置物ではなく亡骸として火葬して供養してやる事にした。
 あの剥製用の椅子も、軍曹が徹底的に破壊して瓦礫の塊になっていた。シルフィが応接間に戻ってくる。毒ガス対策のガスマスクを外すと、軍曹にファヴィヴァバが4棟に居ない事を伝えた。
 軍曹は首を縦に振って、了解したとシルフィに伝える。軍曹とミトもガスマスクを外していた。ファヴィヴァバが此処には自分の罠を仕掛けていない事を知っていたので、居心地が非常に悪いが『安全地帯』ではあるこの場所で、今後のファヴィヴァバ捜索と”掃除”について、3人の人間達は作戦を立てる事にした。

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