Bounty Dog 【アグダード戦争】65-68
65
カスタバラクは機械を使う用事を終わらせたようで、琥珀の眼鏡を外し、椅子から立ち上がった。被っている軍帽の向きを手で調節してから歩き出すと、頭から血を流して倒れている兵士の死体を、其処に無いかのように平然と踏み付けて部屋を出て行く。
即座に数人の兵士が後を追い掛けた。護衛兵らしく、爆弾を巻き付けていないが、ライフル銃を握っている。
ヒュウラもコルドウを連れて最上階の見張り部屋を出た。コルドウもヒュウラも、壺の存在を忘れていた。
忘れ去られた壺がパイプの前に置き去りにされる。熱い蒸気が延々と、壺と壺に被さっている安物服に吹き付いていた。
服に縫い付けられているダイナマイトが生き物のように揺れ動いている。蒸気に触れ掛けている導火線が、ピンク色に染まっていた。
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