Bounty Dog 【清稜風月】212-214

212

 コノハは保護官で、オタクだった。オタクは驚愕的に”しつこい”。繋がらない電話を100回、上司と猟師とマイダーリンに其々掛け続けていた。合計300回である。50周目のループ辺りから一度挫けそうになったが、彼女は決して諦めなかった。
 明日から行うの”明日”が己には無い事も、努力を続ける要因として非常に大きかった。全身全霊で”しつこいパワー”を出す。メンヘラも疲れて止める電話回数を突破する勢いで、通信機を怒涛の勢いで操作しまくって3対象に電話を掛け続けた。其々に200回ずつ掛けた。繋がらない。次は350回ずつで、1000回突破の大台を目指す。
 警察も面倒臭くて関わりたく無い存在と化している櫻國人と北東大陸人のクウォーター女の膝で、気持ち良さそうにスヤスヤ眠っている存在が居た。炊事場にあった木の棚を物色して”其れ”の専用食事の素と専用吸引器を見付けて、狂人電話乱舞前に起こってしまった”食事の方のピーピー泣き事件”も、彼女は見事に解決させていた。
 狂人電話乱舞に全神経を集中する。1000回で駄目なら次は10000回よ、そして1000回を突破したらマイダーリンに集中攻撃開始よと、激推し亜人に嫌がらせをする覚悟も決めた時、彼女は唐突な出来事に遭遇した。

ここから先は

2,800字

¥ 100