Bounty Dog 【アグダード戦争】167-168
167
リングとヒュウラは、軍曹のお陰で充分に休憩が取れた。頭上で10秒毎に放たれる五月雨レーザー光線は、偶然テラスに降りようとした小鳥数羽と少し大きな鳥1羽と、虫数匹を追加で殺した。理不尽に命を奪い続ける人間の罠に、猫の亜人は怒りの鳴き声を上げる。狼の亜人は床の端に立て掛けられている注意看板の文字を読もうとした。だけどやっぱり1文字も読めない。
書いた本人だと思う軍曹に後で内容を教えて貰おうと思ったが、看板は凄く大きかったので、何時も人間の道具を入れるポケットに入れられなかった。頭で覚えようとして、模様のように見える人間の文字を覚えるのは難しかったので止める。解読を諦めて、リングに向かって這った。リングがヒュウラのしたい事に勘付いて、足の完治に3ヶ月掛かると人間の医者に診断された、太腿を中心に両脚を拳銃で撃たれに撃たれて重度の怪我をしている相手を背負ってやる。
足の痛みが治まった猫は大きな声でニャーと鳴くと、規則正しいリズムで飛ぶレーザー光線の隙を狙う。10秒発射されて10秒止まる死の光線が止まった瞬間に、軍曹が作っていた秘密空間から外に飛び出すと、背負っている狼と一緒にゴロゴロ床を転がりながら、焼けて穴だらけになっている屋敷への出入り口扉に向かっていった。
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