マガジンのカバー画像

Valkan Raven

24
終わる兆しの見えない長年の不景気の中、荒んでいく一方の人々の生活と心は、 いつしか歪んだ現実から目を背けるか、自らも歪むかのどちらかとなっていた。 不幸な半生により存在価値を見…
運営しているクリエイター

2021年1月の記事一覧

Valkan Raven #3-1

 何時かは、誰もが必ず今までの自分を捨てねば生きられなくなる時が来るのだろう。これまで居た巣は心地良い。それが、居てる時は辛く苦しい絶望しか無いと感じていたものだったとしても。
 背の後ろにこれまでの全てを放り出す行為は、今居る場所に違和感を抱いた瞬間にこそ行うべきだろう。だが、出来る人間はごく僅かしかいない。成長を無理に拒む限り、滑稽に歪み、醜くなっていく。
 何時迄も身の丈を認めぬ欺瞞。決して

もっとみる