J. E. Rockwell, The Outer’s Book (1910/2)
木こりの伝説
ミネソタ北部の森林よりも伝説が豊富な地域は他にない。しかし、古い時代の「木こりたち」は姿を消して、近代的な林業者がややって来て、伝説は急速に失われている。もし印刷して保存しようとしなければ、赤々と燃える薪ストーブの周りで話されてきた多くのお話は忘れ去られてしまうだろう。古い時代の木こりたちはフランス系カナダ人やメイン人、もしくはミシガンの広い森からやって来た男たちであり、腕利きが揃っていた。彼らは大きく赤い血潮を持った勇敢な男たちであり、生業として森の中を踏破した。それは面白いが危険な仕事であった。彼らは、活力、創造力、そして優れた身体能力を持った男たちであった。近代の林業者は普通の労働者とほとんど変わりない。改良された伐採の機械は、古い時代にあった危険や困難を取り除いてしまった 。 そして森の中を踏破する男たちは、今となっては夏に道路作業場で働く者たちになっている。しかし、時にミネソタ北部のキャンプでは、メインで伐採して、オタワ川の急流で筏流しをして、ミシガンで森を丸坊主にして、北部で最後のストローブマツを切り倒した男たちがまだ見つかる。そうした男たちに聞けば、ポール・バニヤンやその有名なキャンプ、ポールバニヤンを中心とした木こりたちの伝説についていろいろと教えてくれるだろう。さらに「サイド・ヒル・ゴージャー」、「ハイド・ビハインド」、「スワンプ・ボガー」、「スノー・スネーク」、そして「ホダグ」などについても教えてくれるだろう。ポール・バニヤンのお話は数え切れないほどある。この木こりの伝説の中で有名な英雄は、古い時代のキャンプで話される大部分のお話で中心を占めた。彼の偉業は、ミネソタ北部のあらゆる枕木伐採キャンプ、あらゆるスギ伐採キャンプ、あらゆるストローブマツ伐採キャンプに関係している。そうした関係はお話の中で失われていない。それぞれのキャンプが独自の話を持っていた。それぞれのキャンプは独自の一連のお話を持っていて、キャンプからキャンプへ渡り歩く男たち―放浪者の木こりたち―は、そうしたほら話を長い冬の夜に燃え盛る鉄のストーブの上に靴下を吊るして乾かしながら交換する。
そうしたお話をすべて集めるのは不可能だろう。しかし、この有名な人物による偉業は次のようにまとめられる。
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